雪と珊瑚と の商品レビュー
シングルマザーの珊瑚、21歳。生きていくにも、働くにも、子供を預けることもできない・・・というところで、〔赤ちゃん、お預かりします〕と張り紙をしていた老婆くららと出会うところから、話がスタート。 結婚をしなくとも、家族を持たずとも、生きていくために・なにかするために、人と関わり...
シングルマザーの珊瑚、21歳。生きていくにも、働くにも、子供を預けることもできない・・・というところで、〔赤ちゃん、お預かりします〕と張り紙をしていた老婆くららと出会うところから、話がスタート。 結婚をしなくとも、家族を持たずとも、生きていくために・なにかするために、人と関わりを持つことで自然とその人たちがパートナーのようになっていく、いい関係が築けていくところは素敵。 ただし、主人公の珊瑚はやっぱりちょっとぼんやりしているところもあり、たまにいらっとさせられる。美知恵の言うことも、もっとも。 それでも、母と子を中心としてまっすぐ進んでいく姿は見ていて気持ちがいい。最後に雪ちゃんが言った言葉が、じんわりハートに染みいるいい本。
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追い詰められたシングルマザーが主人公という設定から悲壮感が漂うが、前に進もうとする気持ちでポジティブになれる。しかし、それでも子供と対峙してどうにもならない気持ちを爆発させる様など、本当によく描けていて心に残った。子育てをしていた方ならかなり共感度は高い。梨木香歩さんの素敵な文章...
追い詰められたシングルマザーが主人公という設定から悲壮感が漂うが、前に進もうとする気持ちでポジティブになれる。しかし、それでも子供と対峙してどうにもならない気持ちを爆発させる様など、本当によく描けていて心に残った。子育てをしていた方ならかなり共感度は高い。梨木香歩さんの素敵な文章を堪能できた。最高や!
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世間知らずの主人公の成長物語とも取れるし、はやりの「ご飯もの」とも取れる。色んなテーマを孕んだ物語だと思うけれど、私は、「母と娘」の物語だ、ととった。物語は、適度な緊張感を最後まで保ったまま進むのだけれど、最後の一行を読んだ時、涙腺決壊。 いつか映画化されそう。
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よくあるカフェ物のように店を作ろう、そしてすぐ場面転換してお店に来る人との心温まる交流のような感じではなくて、ちゃんとそこに至るまでの現実的なことも意外なほど書かれているなといったふう。 やわらかだけどふわっとしすぎず、締めるところは締められていて、噛み締めて読む物語。 登場人物...
よくあるカフェ物のように店を作ろう、そしてすぐ場面転換してお店に来る人との心温まる交流のような感じではなくて、ちゃんとそこに至るまでの現実的なことも意外なほど書かれているなといったふう。 やわらかだけどふわっとしすぎず、締めるところは締められていて、噛み締めて読む物語。 登場人物は梨木さんらしい。裏庭やからくりからくさからずっと続いているような、ぬくもりや寛恕や、時に抉りに来る言葉も。 音読で「ぎゃっ」は、わかりすぎるほどわかってクスリとしてしまいました。
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