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虚構の歌人 藤原定家 の商品レビュー

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2021/03/12

藤原定家について元々私が知っていたことは、 ・新古今和歌集を選んだ ・小倉百人一首の元となるものを作った ・和歌に大きな影響を与えた重要人物 ・父子で有名 ・紫式部が好きで研究していた というくらいだったが、本書を読んでなぜ彼が重要人物だったのか少しわかった気がする。 西行や...

藤原定家について元々私が知っていたことは、 ・新古今和歌集を選んだ ・小倉百人一首の元となるものを作った ・和歌に大きな影響を与えた重要人物 ・父子で有名 ・紫式部が好きで研究していた というくらいだったが、本書を読んでなぜ彼が重要人物だったのか少しわかった気がする。 西行や他の歌人に比べ、定家は教育者としての側面が強く、多くの人が和歌を読めるようにテンプレートを作ったり和歌の繁栄のために尽力していたようだ。 中でも著者の言う「定家ジェネレーター」が面白く、一句目二句目で詩的な情景や願望を描き、三句目で突然否定し、残りで救いようのない現実を描くという、これに当て嵌めれば誰でもそれなりの和歌が読めてしまう優れものだ。 例えば定家の、 山里は 人の通へる あともなし(突然の否定!) 宿漏る犬の 声ばかりして や、著者が詠んだ現代の歌では、 キャバクラで シャンパンタワーの かげもなし 場末酒場の 雪の夕暮れ になる。 歴史上有名な人もそうでない人も、大勢の人がこのテンプレートで和歌を作り楽しんだ。 私にも作れるかしらと思わせる、そういうところが定家のすごいところで、踏み込めば底無しに深い和歌の世界に誘うのが定家のようだった。

Posted byブクログ

2021/01/05

いただきましたありがとうございます。趣味人。和歌の世界はよくわからんけどおもしろい。へえそういうことなのか、みたいな。

Posted byブクログ