拝み屋怪談 逆さ稲荷 の商品レビュー
終盤の畳み掛けていく感じが凄かった。それまでに単発で語られた著者とその周囲に起きた怪談がひとつの線となって結ばれたとき、背筋がぞっとなった。途中まで日数を重ねてだらだらと読み進めてきたが、最後の十数ページは久々に読書に夢中になれたので星五つで。
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ただの実話怪談集で終わらない! 私が怖がるドンピシャなシリーズなんだよなぁ…(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇) 拝み屋シリーズ第3弾!! 前巻『拝み屋怪談 花嫁の家』ですっかり拝み屋シリーズにハマってしまった…。 めちゃクソ怖かった……。(-_-;) 今回も、1巻の『拝み屋怪談 ...
ただの実話怪談集で終わらない! 私が怖がるドンピシャなシリーズなんだよなぁ…(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇) 拝み屋シリーズ第3弾!! 前巻『拝み屋怪談 花嫁の家』ですっかり拝み屋シリーズにハマってしまった…。 めちゃクソ怖かった……。(-_-;) 今回も、1巻の『拝み屋怪談 怪談始末』と同じような形式で、郷内さんの体験談や相談者さん達の実話怪談がたくさん載っています。 中でも印象深かった作品をいくつか挙げます。 【やぶ寿し】 小学2年生の双子の兄妹が夏休みに広大な雑木林へ。 そこは親に絶対入るなと止められている場所だった。 昆虫採集に夢中になり、兄弟はどんどん奥まで足を踏み入れる。 道に迷って彷徨っていると「えいらっしゃい!」と威勢のいい男の声が。 そこには『やぶ寿し』と書かれた看板が掛けられていた——。 これ嫌だ〜(;´Д`) こんな体験したくない〜! 入っちゃダメって言われている場所は危険! 【離魂病】 夫婦が居間でくつろいでいると、風呂場から高校生のひとり娘の悲鳴が。 気付くと丸裸のまま娘が居間へ駆け込んできた。 「風呂にあたしがいる!あたしがいるのよ!」と叫ぶ娘。 話をよく聞くと、シャワーで頭を洗い終わり浴槽に戻ろうとしたら、もうひとりの自分が湯船に浸かってこっちをみてニィーッと笑ったと言う—。 ドッペルゲンガーの話の中で、これが1番怖い……。 お風呂で髪洗って目瞑っている時が1番怖いですよね(;´Д`) 【幽霊神輿】 男が茶の間のこたつに入ってうたた寝をしていると、突如仏間の襖がばーん!と蹴り倒され、白装束に三角頭巾を頭にまいた男女が十数人、どっとなだれこんできた。 次に気付くとそこは——。 こえぇ!! こんなん急に現れてこんな仕打ちされるなんて……。 おちおちうたた寝もできん(༎ຶ⌑༎ຶ) 【同じものを見ている】 著者が体験した怪談話。 家族に話すと、父も弟も妹も…。 著者の家に纏わる因縁が続く。 やばい。 これ以降の短編、全部怖い…((((;゜Д゜))) 郷内さんが拝み屋になるきっかけとなったお話です。 こんなに色々な体験をしていたら、拝み屋になろうというのも納得する…。 郷内さんの小説の良い点は、怪異を根拠もなく全面的に肯定するだけではない所。 自分の幻覚だと思っていて、最初は否定していたという所。 徐々に否定するだけでは説明がつかなくなる現象にぶち当たる事もあるのですが(-_-;) 最初から全肯定されると、自分としては引きますからね…(^▽^;) この『逆さ稲荷』を読んで再度気付いたのですが、実話怪談にたまに出てくる怖い体験の中に、 「自分の近くで複数の人がコソコソと小声で会話している描写」 があります。 これ、私学生時代によくありました。 眠りに入る(醒める)狭間、私の頭の周囲で何人かの人が会話している…。 たまに笑ったり、ほんと普通の会話なんだけど、不思議と内容は頭に入ってこない。 で、ザワザワ〜ってなって目が覚めたり。 これって、私が霊現象を体験しているのか、はたまた、誰もがする体験で、怪談に寄せていた方が霊現象だと勘違いしているのか……( ≖ᴗ≖) 謎は深まるばかり。 続けてシリーズ第4弾 『拝み屋怪談 禁忌を書く』読みますヽ(´▽`)ノ
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"実話"だからやはりハッキリとした落ちやどんでん返しはないのか~と読み進めていたら……。楽しませていただきました。
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本当に怖がりなんですが、怪談話って面白い。 拝み屋になる経緯面白かったです。この作者の伏線が僕には丁度ツボ。
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郷内さんが過去に出会った異形のものと、聞いた怖い話のまとめ。昔おばあちゃんが話してくれた怖い話にも似たような雰囲気があった。 異世界が存在する気がしてくる。目の前の世界以外が存在すると考えると、頭で理解できる範囲がすごく狭く感じられる。 どこまでが本当で、どこからがフィクションな...
郷内さんが過去に出会った異形のものと、聞いた怖い話のまとめ。昔おばあちゃんが話してくれた怖い話にも似たような雰囲気があった。 異世界が存在する気がしてくる。目の前の世界以外が存在すると考えると、頭で理解できる範囲がすごく狭く感じられる。 どこまでが本当で、どこからがフィクションなんだろう。全部本当のことに思える。 郷内妖怪図鑑はいろんなお化けのことが書かれてあって、読んだ夜、夢の中にも出てきそうだった。 印象に残ったお化け、三色のニットを着た蛇女。それと、おじさんお化けがけっこう出現率高め笑 読み終わったばかりなのに、もう次の郷内作品を読みたくなってきた。
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短編ですが、後半は郷内先生が拝み屋になったお話。 タイトルの逆さ稲荷…そういう事だったのですね。クスッと笑えるお話でした。 他はやっぱり気味が悪かったです。
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4作目。 かなり短い怪談が沢山収録されてる。 筆者が体験した話や人から聞いた体験談などなど。 途中出てくるモノがキーになっていてラストでは怒涛の勢いで収束していく。 読んでいて何回か気分が悪くなった。
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凄まじい人生。当たり前のように話しに出ていた曾祖母、まさか彼女自体が怪異だったとは。シレッと家族に混ざり、誰も疑わなかった存在。郷内さんは最後彼女に何をされたのか。言葉を濁して誰も語らない内容がとても知りたい
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夏の暑さが終わり秋の涼しさを感じる季節に読みました。なんとも良いタイミングで、風の涼しさや、季節の変わり目に敏感になる感度が、物語に没頭させてくれました。 本書は、一つ一つのエピソードは短編になっているのですが、著者の幼い頃から拝み屋になろうと決心するまで年を追って書かれているため、続けて読むと1人の青年の物語になっている。 ホラー小説としても、私の求めていた世界観だった。 子供の頃のあやふやだけどずっと覚えている不可思議な体験、ただ怖くて泣いた思い出、山などの自然が身近で、読んでいると土から立ち昇る湿気が感じられるような、身近なようで遠い世界。ホラー小説というより、怪異譚、でも良いけどもしれない。 印象に残った情景 初めて恐ろしいものを見た幼い頃の著者が曽祖母に大泣きする。曽祖母は吐き捨てるように「なんとも勘の鋭い子だ」とつぶやいた。 初めから始まりまで コンビニのアルバイトに転職し、そこで出会った女性に心を開いたころ、2人で異形のものを見る。 自分が見るものは幻覚だと自身を追い詰めていた著者だったが、彼女も同じものを見たことを知り、彼女はお化けだと言った。怖いものは素直に怖いと思えば良いと、著者の心が軽くなった話。 おばけなんかないさ 今までの話に出てくる曽祖母というのは、どの人なんだ? ぞっとするシーン。ここで、著者の幼少期に曽祖母がお前は何を拝んでいるのかわかっているのかと曽祖母が言っていたことを思い出す。 暴かれた影 姓も変わり、名も変わり、進む道も大きく変わった。まるで生きながらの転生だな。 この後、著者はもう今までのようには戻れない、もう普通には暮らせない。と書いているが、著者がはっきりと意思を決めた印象的なシーンで、心が澄み渡っていくような静謐な雰囲気を感じた。 虚しき流れ
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郷里の地で拝み屋を営む私は昔から奇妙な物が見える質の人間だった。普通の人には見えない彼らは、様々な姿で私の眼前に現れる。時々怖い目に合うこともあったが、うまくやっていけていた。あの日、あの夜、あの恐ろしい夢を見るまでは。 長い間本棚で積読の憂き目にあっていた一冊。どの巻のコミカライズかはわからないが、漫画でちらりと読み、面白そうだったのでシリーズの三冊ほどを購入し今更読み始めてみた。この話は一番初めだからなのか、あまり作者の生業である「拝み屋」の仔細は分からず。多くは、作者が幼少期から現代にいたるまでに体験した、あるいは人から聞いた、家族が実際に体験した怪談話だった。しかし、そのどれもが読んでみて不可思議で、どこか懐かしく、ふと自分の子どものころを懐かしむような気分にしてくれる話ばかりだった。もちろん、怖い話もたくさんあったが、作者がそれが怖いもの、幽霊であると解釈しておらず、何でもないことのようにさらっと書かれているので恐怖度はやや薄かった。中盤ぐらいでちょっと物足りなさを感じたというのが正直なところだった。しかし、作者とそして弟が雪の降りしきる巨大な屋敷の悪夢を見たあたりから不穏な気配が漂い始める。その前からじわじわと来てはいたのだが、決定打となったのはその話だった。この話以降、加速度的に不気味で実害を伴う話が増え、作者とその家族を苦しめ始める。その辺りから、もうとにかく先が気になって仕方がなかった。そして、最終的に何が災厄をもたらしていたのかというのを知ったとき、はっとし、ああ、やはり読んでいて時々感じる違和感は間違いじゃなかったのだと思い知った。感じていた違和感の裏打ちをされた瞬間に鳥肌が立った。気味が悪い、何の目的で、そんなことをしたんだと作者の想いと同調し落ち着かない気持ちになってしまい、何度も本を開いては数行読んで、閉じて、開いて、数行読んでを繰り返した。読み終わった後、この本すごい!!すごい面白い!と興奮し、残された謎が知りたくてすぐさま次の本を読み始めてしまった。
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