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Kの昇天/檸檬 の商品レビュー

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2020/03/16

櫻井孝宏さんの朗読してくれる「Kの昇天」は至高。彼の痩せた体型から出る声と静かな話し方が、病気で夜中の浜辺の思い出を語る主人公にぴったり。 「檸檬」丸善に迷惑じゃない?本は読み散らかして、檸檬爆弾は置いていくし。 「桜の樹の下には」有名な一節だけど、短い作品。死と性欲に魅せら...

櫻井孝宏さんの朗読してくれる「Kの昇天」は至高。彼の痩せた体型から出る声と静かな話し方が、病気で夜中の浜辺の思い出を語る主人公にぴったり。 「檸檬」丸善に迷惑じゃない?本は読み散らかして、檸檬爆弾は置いていくし。 「桜の樹の下には」有名な一節だけど、短い作品。死と性欲に魅せられてるんだろうな、という気持ち悪さがあった。 銀座を「物欲の市場」と呼んでいるのには笑った。 全編を通して、病気でお金に困っている様子なのに、なぜ実家に帰らず、都会で下宿暮らししてるんだろう、と思っていた。 文章がとても美しいので、主人公の謎な行動もやや誤魔化されてしまったね。

Posted byブクログ

2015/09/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

「Kの昇天」 ←抜粋朗読:櫻井孝宏 「檸檬」 「城のある町にて」 「桜の樹の下には」 「冬の日」 「愛撫」 「闇の絵巻」 「交尾」 CDの容量もあるので仕方ないとは思うのですが、一話分くらいは、全編通しての朗読が聞きたかったと思います。ちゃんと演者さんのトークもついてます。漢字、カナ、フリガナの表記は現代よりですので、文学作品を読むには、とても読みやすい表記だと思います。 梶井さんの作品は、どうしても死の陰を意識せずには読めないのだけれど、甘美な死ではなく、苦しい病身だけど散歩にでて、みている世界が思いがけず、綺麗だった。とそんな感覚が伝わってきて、生きてる世界に色彩を感じるのが好きだなぁと思います。蜉蝣をアフロデイーテに例えている場面や、たくさんの虫が、一匹の死にかけている虫の周囲に集まって、悲しんだり、泣いたりしている。という描写とか独特でいいなぁと思います。「冬の日」はかなりメンタルも弱ってるのを感じるけども、「Kの昇天」では、Kの死を扱いながらも、死の悲嘆さは感じられず、語り手の私のある種、突拍子もない、月へいったという感覚を、語り手の私が、夜出会った、そんなKならありえるのだと思わせられる、なんともいえない説得力を感じさせられる不思議読後感のある話です。

Posted byブクログ