1,800円以上の注文で送料無料

確証 の商品レビュー

3.8

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/02/05

プロの盗っ人には職人と同じプライドがある。 警視庁盗犯係もまた同じ世界の住人として心を通わす。 一見、えっ?と目を疑うクライムノベル。相棒コンビもなんか凸凹していて、読み始めはエンジンがかからなかった。が、気づけば捜査の進展を夢中で追うことに。 強盗殺人という「異質」を取り囲...

プロの盗っ人には職人と同じプライドがある。 警視庁盗犯係もまた同じ世界の住人として心を通わす。 一見、えっ?と目を疑うクライムノベル。相棒コンビもなんか凸凹していて、読み始めはエンジンがかからなかった。が、気づけば捜査の進展を夢中で追うことに。 強盗殺人という「異質」を取り囲んで、窃盗班と盗犯係のスイートな関係に捜査一課が割り込む三角関係に発展。 要所要所に出てくる棲み分け、という表現が意味深だ。 そういえば柚月裕子『孤狼の血』シリーズもマル暴と暴力団が近しい関係だった。治安を守るのは一方向では成立しない、ということが理解できる。 派手さはなく、抑えの効いた作品で息を凝らして読んだ。 ──冬は寒さにガタガタと震え、夏はダラダラと汗を流す。(中略)刑事にとって最も大切なものは忍耐力だと(主人公)は考えていた。普通の人間が諦めることも、決して諦めてはいけない─ 諦めという言葉はいまやポジティブ。しかし平和な生活を送るには、縁の下の力があるからだと棲み分けに感謝。 ほかにも泥臭い男社会のニュアンスが見られ、女性をお嬢とかファーストネームで呼ぶとか、正直目につく箇所もある。警察社会がまだそうだと作者は言い切っているが、部下の女性はハツラツとして描かれ、主人公も次第に認めていく。そんな流れもごく自然に思えるのは昭和世代だからか。 ── 顔を見れば互いに文句ばっかり言い合っているが、離れていると苦労ばかりかけて申し訳ないと思う。それが夫婦というものだろうと思っていた─ これも棲み分け、棲み分け。(濫用) 干渉しないところを持っておかないと、文句を言うことすらしなくなってくるよねっ。(誰に確認した?) 今野敏さんの節回しはきれいで分かりやすい。 他の作品も読んでみたい。

Posted byブクログ

2024/01/31

2024.01.31 Audibleにて完 今野さんは面白い人だなぁと思う。 作品に「らしさ」はあるのに、違う味わいや、新しい感覚がある。 人によって、自分を使い分けるタイプだろうか? 警察の窃盗係であるハギオと、その相棒であるアキホがあくまでも、窃盗係として事件を解決してい...

2024.01.31 Audibleにて完 今野さんは面白い人だなぁと思う。 作品に「らしさ」はあるのに、違う味わいや、新しい感覚がある。 人によって、自分を使い分けるタイプだろうか? 警察の窃盗係であるハギオと、その相棒であるアキホがあくまでも、窃盗係として事件を解決していく話。 窃盗と強盗は違うんだ。。。あまり深く考えたことなかったなぁ~盗みは盗みだし、犯罪には変わりないよねっていう認識。 窃盗には誇りがあるっていうのも面白いよね。 ドロ刑って漫画読んだことあって、何となく泥棒する人たちって、こだわりがあるって言うか、ポリシーがあるなっていう感じしたわって今何となく思い出した。 確かにいけないことだし、自分はやろうと思わないけど、一生で天職や誇れる仕事に出会えるのはすごく羨ましいことだよね。 以下、ネタバレあり。 個人的に、最後に捕まったタテイシという盗っ人が結構好きで。お調子者で、ハギさんからも一目置かれてるというか、盗みの周到さに「彼がいたからか」って納得している感じがなんかいいなぁって思った。 「ハギの旦那」って呼んで、ハギさんの前だけペラペラ喋っちゃう感じも、あ~味があるなぁと。ダメなことと分かってるからこそ、信頼出来る人にしか話さない。それが刑事のハギさんであるのがすごくいい。先生と生徒みたいな。 アキホが羨ましいなぁと思う。あからさまに、男尊女卑な男は職場にいなかったけど、それを言った人に怒ってくれる上司がいることがすごく羨ましいなぁ。信頼できる上司がいるのが羨ましい。 ストーリーは、今野さんらしさがあり、単純にはいかないながらも、解決に向かって布石を置きつつ、さらっと回収していく感じが、読み手からすると、ストレスなくて、好きなんだよなぁ。 読めるけど、面白い。それは、多分登場人物の人となりをきちんとつくっていて、ストーリーにおいて、存在価値を見出すのが上手いからなんだろうなぁ。 スガイが最期に「あんたには負けたくない」っていう台詞と、ハギさんの笑うやり取りをアキホが頬杖をつきながら聞いてるシーンとか。今までの過程があったからこそ、笑えるし、微笑ましいシーンだなぁと思える。そういうのが上手いんだよなぁ~

Posted byブクログ

2023/12/26

渋谷の高級時計店で、強盗事件発生。 その、12時間後に、同じく、渋谷の宝飾店で、鮮やかな手口の、窃盗事件が起きる。 警視庁捜査三課で、盗犯係のベテラン警部補、萩野秀一は、二つの事件の関連性を指摘するが、萩野は、相棒で部下の、武田秋穂と、窃盗事件の捜査を始める。 さらに、その翌日、...

渋谷の高級時計店で、強盗事件発生。 その、12時間後に、同じく、渋谷の宝飾店で、鮮やかな手口の、窃盗事件が起きる。 警視庁捜査三課で、盗犯係のベテラン警部補、萩野秀一は、二つの事件の関連性を指摘するが、萩野は、相棒で部下の、武田秋穂と、窃盗事件の捜査を始める。 さらに、その翌日、赤坂の宝石店で、強盗殺人事件が勃発。 3件の事件についての萩野の意見が、捜査一課に聞こえ、捜査本部に、秋穂と参加することになる。 殺人や強盗を専門に捜査し、エリート意識で凝り固まっている、一課の連中と、盗犯係の萩野の見方は、ことごとく違う。 エリート意識をひけらかし、三課をバカにする面々に、一歩も引かず、自分の意見を通す萩野。 他所から、秋穂をバカにする言葉を投げかけられるたびに 「俺の相棒を、バカにするんじゃない!」と 秋穂を庇う、荻野に、胸がすく。

Posted byブクログ

2023/11/12

盗犯係の刑事、盗み、を主題とした作品を読んだのは初めてかも。よくある警察小説にはない違う世界感がとても新鮮。またそれに上手く複雑な人間模様が自然にのっていて、かつ、読み易い描写がすごいと感じました。静かに起きるどんでん返しも妙!

Posted byブクログ

2023/09/02

高級時計店、宝飾店を襲う強盗と別件の盗難事件が連続で発生。 警視庁捜査三課盗犯係の萩尾と秋穂が盗難事件を追います。 殺人事件も絡んでいるため捜査一課に捜査協力となったがなかなか上手くいかない。 上司が信頼できる人だと助かりますね。 面白い。さすがです。

Posted byブクログ

2023/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

捜査三課(窃盗犯)と捜査一課(強行犯)の対立から 安直な強盗殺人と決めつけがちな捜査を、鑑取り等を 判断して事件の模様を浮かびあげて真犯人を暴く 今野敏先生の作品はドラマ化が多く、本作品も高橋克 美と榮倉奈々主演で放送されていた 捜査三課を舐めんな、とか強盗殺人で引っ張って、赤 っ恥をかけばいい、とか冤罪でぶち込むか?あんたら の得意な手だよな、とか捜査一課長の前で怒鳴るから 左遷間違いないな(´・ω・`)

Posted byブクログ

2023/08/10

結構内容が深くて面白かった。登場人物がみんないい人(犯人も含め)。派手な逮捕劇とかはないけれど主人公と相棒の地道な捜査に対する丁寧な態度が伝わってくる。次作も楽しみ。

Posted byブクログ

2023/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2023/3/5 おもしろかった。 ちょうどよかった。 今の私にシンデレラフィット。 シンデレラフィットって使いたかっただけ。 脳が老いてきたのか、疲れてるだけど思いたいんだけど、小難しいのしんどいねんってなってる私にちょうどよかった。 今野敏間違いない。

Posted byブクログ

2023/01/06

最近読んだ今野敏作品の中では、かなり展開が速い方かなと思った。今野敏作品でよくある人間関係を中心に描いてあるというよりも、この作品は事件の流れ、カラクリに重きを当てて描かれている感じがした。途中で、もしかしてこの人怪しい?と思ったものの細かいカラクリまではわからず、盗人の心境を理...

最近読んだ今野敏作品の中では、かなり展開が速い方かなと思った。今野敏作品でよくある人間関係を中心に描いてあるというよりも、この作品は事件の流れ、カラクリに重きを当てて描かれている感じがした。途中で、もしかしてこの人怪しい?と思ったものの細かいカラクリまではわからず、盗人の心境を理解することも事件解決に必要なんだなと感心した。

Posted byブクログ

2022/06/15

今野敏は、隠蔽捜査シリーズが大好きで、他の作品も読むのだけどいまいちの感があった。本作もはじめの方は、盗犯を扱う3課のプロである萩尾修一が女の部下武田秋穂の扱いに困惑するさまや警視庁の中での課同士の確執みたいなシーンが多くてあまり乗り切れなかったが、後半は、萩尾と秋穂のバディも気...

今野敏は、隠蔽捜査シリーズが大好きで、他の作品も読むのだけどいまいちの感があった。本作もはじめの方は、盗犯を扱う3課のプロである萩尾修一が女の部下武田秋穂の扱いに困惑するさまや警視庁の中での課同士の確執みたいなシーンが多くてあまり乗り切れなかったが、後半は、萩尾と秋穂のバディも気持ちよく回りだし、3課の面目躍如的な展開で面白く一気にエンディングまで読んだ。このシリーズの次作もすぐに読みたいと思う。

Posted byブクログ