エンジェルメイカー の商品レビュー
大物ギャングを父に持つ機械職人が、からくり仕掛けの本を修理すると、それが世界を破滅させる最終兵器だった…というスチームパンク冒険活劇。 英国風ユーモア(?)満載の文章だが、読みにくくはない。長いけれどスイスイ読める。 「こういう効力の最終兵器で世界は破滅するかなあ?」という疑問も...
大物ギャングを父に持つ機械職人が、からくり仕掛けの本を修理すると、それが世界を破滅させる最終兵器だった…というスチームパンク冒険活劇。 英国風ユーモア(?)満載の文章だが、読みにくくはない。長いけれどスイスイ読める。 「こういう効力の最終兵器で世界は破滅するかなあ?」という疑問もあるが、ストーリーは賑やかで楽しめた。
Posted by
厚い・・700ページ上下2段組 読了するかな? 刊行当時はポケミス最長項数だったと思います。現在はグランジェ,ジャン=クリストフ の''死者の国''が770ページです。 読みにくい、欧米人の言い回しなのか軽い冗談を挟んでいるのか何を意図...
厚い・・700ページ上下2段組 読了するかな? 刊行当時はポケミス最長項数だったと思います。現在はグランジェ,ジャン=クリストフ の''死者の国''が770ページです。 読みにくい、欧米人の言い回しなのか軽い冗談を挟んでいるのか何を意図しているのか判らない遣り取りが多い、脈絡なく話題が変化し本筋との関係性も不明。疲れた。挫折しました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いやー長かった。1冊の本にこんだけかかったの久しぶりやわ。本の重み(内容じゃなくて重量)で腕つりそうになるし、肩凝るし…。 話の筋は単純な冒険活劇勧善懲悪もん。地味な時計職人が巻き込まれていく全世界崩壊的悪巧みを防ぐために獅子奮迅の大活躍。 それだけの話にどれだけ盛るんやと…スチームパンクありゴシックありホラーありスパイ小説あり拷問あり格闘あり銃撃戦ありエッチあり百合ありショタあり… バラエティとかてんこ盛りとか既存の言葉では言い表せんくらいに盛りに盛って、あちこち破たんしまくってそれでもとりあえず、力技で全伏線回収してる(と思うが数えきれんので分からん) ほんで、これが大事なんだけど、最高にオモロい。書き込みが多すぎて読みづらいくせにオモロい。なんだこのパワー、なんだこの密度、小説家ってのは血筋で強くなったりするのか(作者はジョン・ル・カレの息子)。 ハーカウェイ、見逃せない小説家、遅まきながら発見したぞ!しかし、これよりスゲ―小説書かれたとして、俺の体力がもつのか
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とても厚い本でした。途中、2つの時間軸で構成される。現代と、イーディの若かりし頃と、話が進む。またイーディがかっこいい。痛快な活躍ぶり。現代でもだけど語りっぷりが面白いのです。命は永遠ではないのはわかってるけど無くなったのはショックでした。 あとジョーの父親と祖父との関係が泣かせる。影で支えるって美徳だ。自分なんていいことをしたら認めてもらわずには言われないような気がする。マシューは息子として、父親として偉大だった!
Posted by
ロンドン。時計職人の祖父と、ギャングのボスの父を持つ時計職人のジョーは、奇妙な二人組の訪問を受ける。どうやら二人は、ジョーが祖父や父から大事な秘密を引き継いでいると思い込んでるらしい。しかし、自分には思い当たるものがない… 大きくは時代の異なる二つの物語が進行して、それが途中から...
ロンドン。時計職人の祖父と、ギャングのボスの父を持つ時計職人のジョーは、奇妙な二人組の訪問を受ける。どうやら二人は、ジョーが祖父や父から大事な秘密を引き継いでいると思い込んでるらしい。しかし、自分には思い当たるものがない… 大きくは時代の異なる二つの物語が進行して、それが途中から交わって新たな展開を見せる。この作品はハヤカワポケットミステリーで700ページ越えしているので、とても長い。しかも、二つの物語の二つ目について語り始められるまでが、また長く、読むのを挫折しそうになる。でも、100ページあたりまで来れると、グッと早く読めるようになる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
長かった。そして大変面白かった。とてもとてもイギリスだと思った。 ミステリで冒険小説でSFで、そして元気なばあちゃん(失礼)が大勢活躍するあたりが実にイギリスっぽいと思ったの。 「モンティ・パイソン」みたいで。 紳士の国だけど労働者の国でもあるイギリス。 取り澄ましたところもあるけれど、下世話なところもあり、ブラックなユーモア(しかも結構なドタバタ)が大好きなのがイギリス人。 そんなわけで、最初は非常にとっつきにくいのです。 そうね、150ページくらいまで。 主人公はまだ30代だというのに、世界の片隅で時計の修理をなどを行う機械職人としてひっそりと生きている。 じーちゃんの技、じーちゃんの教えを忠実に守って暮らす堅実な日々。 そこには、大物ギャングつまり犯罪者であった父への反発も多分にあった。 それが訳もわからないうちに世界的な大陰謀に巻き込まれていくのである。 「何も知らない」と言っても信じてもらえない。 政府機関は、超法規的措置を取りジョーを追いつめる。 ジョーがなにも知らないから、読者も何もわからない。 とにかく世界の真実をすべて明らかにする装置の秘密を、ジョーがもっていることになっているのだ。 世界の真実がすべて明らかになったら、これ以上の争いは起きないだろうというのが開発者の思惑だった。 究極の平和が訪れるはずだった。 しかし人間はそんなに強くはないのである。 真実を受けきれない人々は狂ったり暴動をおこしたり、そしてそれを悪用して神と同じ高みに登るという野望を持つものが現われるに至って、それは世界どころか宇宙すら破壊するほどの最終兵器となる。 ここでまさかの神学的展開。 “しかし神の最も顕著な特徴、神の神らしいところだと誰もが思う側面は、沈黙だ。人間のことに対するあの偉大なる神々しい無関心だ” “祖父の考えでは、神は(かりに存在するなら)人間が心のなかで何を考えているかなどお見通しで、そんなものになんの感慨も抱かない。そんな信仰よりもっといいのは、自分らしくふるまいつづけて、神になかなかよくやっていると思われるようにすることだ。だからもろもろの教訓や本質は日常生活のあらゆるもののなかに隠れている。世界の形を学べ、そうすれば神の心がわかるだろう。” 神さまは私に『神曲』を読んだからといって安心するな。 もっともっと考えろとおっしゃる(ような気がする)。 友の死の真相を追究するため、祖父が自分に残したものの正体を知るため、そしていろいろなしがらみのため、ジョーは敵に立ち向かう。 これまでの自分を捨てて、やらねばならないことのために自ら危険に飛び込んでい…っているはずなんだけど “なんでいつもおれが逃げるんだ。(P586)” 思わず噴いた。確かに。 圧倒的に強い、神を目指している敵に対して、ジョーはあまりに普通過ぎて無力。 だから知り合いに、父の仲間だった人たちに、じーちゃんを知っていた人たちに協力を申し出る。 絶対者に対して、元気玉のようにみんなの力を借りるジョー。 国という形が残るならと、国民の犠牲を見てみぬふりをしている国の機関に対しても言い放つ。 “目的は手段を正当化するなんて言い訳はよせ。正当化しないから。目的にたどり着けないから。結局“手段”だけが幅をきかせることになるんだ。それが現状だ。” 祖父の世代からやって来たこと、父がやっていたことなどが現在のジョーに力を与えてくれるのだけど、それがまあ格好いいのよ。 両親がいて、祖父母がいて、仲間がいて、それらがジョーという人間を作っていったのだなあということが、最後の大活劇へと繋がっていくのである。 ただし、読むのは大変しんどいです。 1時間に40ページしか読みすすまない。 何度も登場人物表を読みなおして頭を整理しながら読んだけど、とうとう400ページ辺りで最初から読み直しました。 で、満を持して残り300ページを読みましたが、読み直してよかった。 いろいろすっきりしましたから。 大満足。
Posted by
長くて読むのに時間がかかってしまいましたが、ミステリーもSFも大好きな自分はとても興奮しました!世界の命運をかけた戦いを軸にした理工学系ファミリーの壮大なサーガだったようにも思えます。登場人物たちが時計の歯車のようにカチッとはまる終盤はまさにクロックワーク!ジョーがギャングとして...
長くて読むのに時間がかかってしまいましたが、ミステリーもSFも大好きな自分はとても興奮しました!世界の命運をかけた戦いを軸にした理工学系ファミリーの壮大なサーガだったようにも思えます。登場人物たちが時計の歯車のようにカチッとはまる終盤はまさにクロックワーク!ジョーがギャングとして覚醒し、無敵状態になるのはちょっと面食らいましたが。
Posted by
時計職人が修理した機械は、世界を破壊しかねない物だった! 国際的陰謀に巻き込まれた青年の、波乱の冒険物語☆ 時計が専門の機械職人ジョーは、祖父の店をついで地道に暮らしていました。 父親は、じつは名の知れたギャング。 ある日ジョーは、何だかわからない機械を修理したことから、謎の男...
時計職人が修理した機械は、世界を破壊しかねない物だった! 国際的陰謀に巻き込まれた青年の、波乱の冒険物語☆ 時計が専門の機械職人ジョーは、祖父の店をついで地道に暮らしていました。 父親は、じつは名の知れたギャング。 ある日ジョーは、何だかわからない機械を修理したことから、謎の男達に追われる羽目に。 機械を持ち込んだ奇妙な老婦人イーディは、じつは往年のスパイ。 彼女の回想がやたら濃厚で、インドの藩王や、陰謀をたくらむ秘密組織が入り乱れます。 ジョーの祖母に当たる美女フランキーも深く絡んできます。 前半は方向性がわからない状態で細かい描写が繰り広げられ、主人公は危機に陥るばかり。 後半は俄然テンポがよくなります。 ジョーが父親のことをやや見直し、封印してきた自分の半面を生かすことに。 幼馴染の兄妹マーサーとポリーや父の仲間達が、絶体絶命のジョーを助けようと奮闘してくれるのが楽しい。 作者は高名なスパイ小説作家ル・カレの息子だそう。 その事実は隠してデビューしたそうです。 主人公が父親とは別な道を行こうとする気持ちがわかるのかな?(笑) ハヤカワ・ポケット・ミステリを日頃から読んでいる人になら、そりゃあ読んでください!とオススメ出来ます。 楽しそうに書き込んであって、読み応えあり。 これぞスチーム・パンク?というインパクトも。 冒険ものの華やかなハリウッド映画が好きな人にも、後半の展開は喜んでもらえそう☆
Posted by
まー詰め込みすぎやわな、面白いけどのめり込めない。この世界観で半分かせめて2/3の長さやと印象も違うと思う。
Posted by
時計職人の孫,ギャングの孫のジョーの成長譚.祖父母の時代からの因縁の「エンジェルメイカー」をめぐっての攻防.神になろうとするシェム・シェム・ツィエンの半端でない存在感,「夜の市場」「ラスキン主義者連盟」機関車,潜水艦,象部隊などシッチャカメッチャカなんでもありの面白さ. 前半は⭐...
時計職人の孫,ギャングの孫のジョーの成長譚.祖父母の時代からの因縁の「エンジェルメイカー」をめぐっての攻防.神になろうとするシェム・シェム・ツィエンの半端でない存在感,「夜の市場」「ラスキン主義者連盟」機関車,潜水艦,象部隊などシッチャカメッチャカなんでもありの面白さ. 前半は⭐︎3,だけど後半は⭐︎4,後半への説明的展開で,前半が少しモタつくのは仕方ないかな.ちょっと盛り込みすぎで,長かったけど,まあ良しとしよう.
Posted by
- 1
- 2