あずかりやさん の商品レビュー
目の見えない店主が一日100円でものを預かる『あずかりやさん』というお店で起こる物語。 一人称が物(自転車だったり暖簾だったり)というのが面白いなあと思いました。そしてあずかりやさんの一貫したお話ですが、その中で短編のようになっており読みやすい本でした。それぞれの内容もおもしろ...
目の見えない店主が一日100円でものを預かる『あずかりやさん』というお店で起こる物語。 一人称が物(自転車だったり暖簾だったり)というのが面白いなあと思いました。そしてあずかりやさんの一貫したお話ですが、その中で短編のようになっており読みやすい本でした。それぞれの内容もおもしろく読み進めることができました。 ですが、他の作品を続けて読む気にもなりませんでした。またいつか読みたいと思ったら他の作品も読みたいなと思います。
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盲目の店主が、1日100円でなんでも預かるというあずかりやさん。1人称でお話が進むのですが、それがのれんだったり自転車だったりというのがおもしろいと思いました。あずかりやさんに来るお客さんたちはそれぞれに事情を抱えて物を預けに来る。店主は余計な詮索はしないけど、心を込めて預かる。...
盲目の店主が、1日100円でなんでも預かるというあずかりやさん。1人称でお話が進むのですが、それがのれんだったり自転車だったりというのがおもしろいと思いました。あずかりやさんに来るお客さんたちはそれぞれに事情を抱えて物を預けに来る。店主は余計な詮索はしないけど、心を込めて預かる。そして、お客が語ればその話に耳を傾ける。 5つのお話にエピローグで構成されていますが、私は「トロイメライ」が良かったです。
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目の見えない店主が営むあずかりやさん。 何かに悩んだり行き詰まってる人が預けものをし、ちょっとだけ心の重荷も下ろして行く。 登場人物がゆるくリレーしていて、なぜか心を持つモノたちが進行役となり物語が進む。 連作のようなので、続きも楽しみ!
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なんとも不思議で素朴、そして温かい物語でした。慈愛に満ちた本書は、小学校高学年くらいからでも十分に読みこなせると思いますし、更に大人も楽しめる深さをもっていると思いました。 のれん、自転車などをを擬人化し、視点を変えながら語らせることで、読み手に感情移入させ、表現の幅の広がり...
なんとも不思議で素朴、そして温かい物語でした。慈愛に満ちた本書は、小学校高学年くらいからでも十分に読みこなせると思いますし、更に大人も楽しめる深さをもっていると思いました。 のれん、自転車などをを擬人化し、視点を変えながら語らせることで、読み手に感情移入させ、表現の幅の広がりと深まりを感じさせてくれるようです。 加えて店主の「あずかりやさん」は感性豊かなのですが、盲目(それ故もあるでしょうが)で寡黙な分、周囲の物たちに〝目〟を与えることで、物語の中の「人生の機微」を浮き上がらせ、上手く伝えられていると思います。 少し心が疲れている時などに、このシリーズの続編をまた手に取りたいと思いました。温かい気持ちでホッコリするために…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんとなく谷中あたりをイメージして読んだ。十条赤羽でもなく、戸越でも蒲田でも三茶でも松陰神社でもなく。どういうのかな。ちょっとよかった。信号がつくのが死亡事故だった時代じゃなさそうなのがありがたい。
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どんなものでも一日百円であずかります。 ただし期限を過ぎても受け取りにこない場合は店のものとなります。 そんなお店があったら、あなたは何か預けたいものはありますか? 幼い頃に目が見えなくなり、いつも点字本を読んで過ごす店主と訳あって様々なものを預けにくるお客さんたちとの日々を...
どんなものでも一日百円であずかります。 ただし期限を過ぎても受け取りにこない場合は店のものとなります。 そんなお店があったら、あなたは何か預けたいものはありますか? 幼い頃に目が見えなくなり、いつも点字本を読んで過ごす店主と訳あって様々なものを預けにくるお客さんたちとの日々を、店ののれんやショーケース、預かり物たちの目線で語られる。 視覚に障がいのある店主は電気をつけないのだが、ハッとさせられた一文。目が見える、光を感じる、は当たり前ではないのだなと改めて感じた。 ものにも気持ちがあったら、使う人間が私で良かったと思っていてほしい。 大切に長く長く使ってあげたいなと。 預かったものにもよるが、基本的には店主の誠実な手によって奥の部屋へと入れられるのだが、どんな部屋だろうとワクワクもドキドキもする。そこは私も猫と一緒だった。 個人的には店主の初恋の話が切なくて温かくて好き。 シリーズ出ているようなので読んでみる。
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この物語では店主目線は語られない、だからこそ語り手から店主の人物像がえがかれるのだがこの時何を思っていたのか、何を感じていたのかは本当のことは誰も知らないだからこそ想像し語り手と同じように見守るような気持ちで読みました。読むと優しくなれるおススメの小説です!
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初めましての大山淳子さん。 1日100円で、何でも預かってくれる「あずかりやさん」が舞台。 語り手が「のれん」や「自転車」「ガラスケース」など生き物ではないものも多く、それがとても面白かったです。 引き続き、続編も読みたいと思います❁⃘*.゚
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
○読み終わって感じたこと 普段よりやさしい気持ちになりました。ハラハラする展開やドキドキする場面もあったけれど、最初から最後まで、悪意が無くて。もしかしたら悪意を持っている人もいたのかもしれないけれど、店主が淡々としているからか、読者が余計な詮索をする必要がなくて、負担なく読み進められました。この本に出会えて良かったと思いました。 ○おもしろいと思ったシーン 物語の語り手は人間じゃないところから、すごくわくわくしました。ミスタークリスティの最後のシーンがとても好きです。クリスティが不器用な自転車屋の愛に気づくシーン。あずかりやの店主と比較して描かれていた自転車屋が、クリスティにたくさんの愛を注いでいたことに気づく、その瞬間を切り取った言葉が、本当に綺麗でした。
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猫弁シリーズが好きでこちらも。 語り手さんの正体に初め戸惑ったが、ほほぉ~となり読み進め、章ごとに語り手さんも代わり面白く読ませていただきました。
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