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大日本帝国の興亡 新版(1) の商品レビュー

4.3

11件のお客様レビュー

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2023/12/03

日本がいかにして太平洋戦争へ向かい、敗戦へと至るのか、その過程をアメリカの視点で描いたのが本書である。全5巻で構成されており、本書第1巻では、二・二六事件から始まる。最終巻の解説で言及されているが、著者ジョン・トーランドが満州事変ではなく、二・二六事件に目を向けたのが本書の特異点...

日本がいかにして太平洋戦争へ向かい、敗戦へと至るのか、その過程をアメリカの視点で描いたのが本書である。全5巻で構成されており、本書第1巻では、二・二六事件から始まる。最終巻の解説で言及されているが、著者ジョン・トーランドが満州事変ではなく、二・二六事件に目を向けたのが本書の特異点である。太平洋戦争の発端を遡ると、満州事変と国際連盟脱退が原因だと見なされがちである。しかし、著者は二・二六事件で、皇道派の勢いが衰えて、代わりに統制派の勢いが増したことに注目した。これは、日本が満州を手に入れるだけでは不十分で、ソ連の攻撃を想定すると、中国そのものを支配すべき、という考えを持つ派閥である。ここに着眼点を置くのは類を見ないだろう。  また、二・二六事件の勃発から皇道派鎮圧までの流れは、緊迫感があり、政府首脳が命からがらで逃れたのかが読んで想像できる。なかでも、岡田啓介首相の逃走と、後に首相として、終戦工作に携わる鈴木貫太郎の部分は読みごたえがある。ちなみに、事件が起きた当日、東京の通勤者たちは、その日何が起きたか分からず、警官がバスや市電を止めて、皇居前や官庁街を迂回してる様子を見て、初めて異変が起きてることに気づいたらしい。

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2021/08/11

2.26事件の丁寧さと狂気のギャップが恐ろしい。 太平洋戦争に至るまでを読んでいてとても辛かった。 ほんの少し話し合えれば、英語を、日本語を解釈しようとすれば戦争は避けられたのではないかと、歯痒い気持ちになる。

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2021/04/04

2015年に買った本で、とてもおもしろかったのに忙しく大変時間を掛けて読んだ。 旅行に行く時とかに持って行って一気に読んでは放置していた。ほぼ読み終わりかけだったが、たまたまヴォネガットの青ひげを探している最中に見つけ、読了した。 大変おもしろかった。戦争について勉強せねばならな...

2015年に買った本で、とてもおもしろかったのに忙しく大変時間を掛けて読んだ。 旅行に行く時とかに持って行って一気に読んでは放置していた。ほぼ読み終わりかけだったが、たまたまヴォネガットの青ひげを探している最中に見つけ、読了した。 大変おもしろかった。戦争について勉強せねばならないと感じる。

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2019/02/08

「追い詰められると一か八かの戦法に出る」と日本人以上に日本人を分析し、圧倒的な国力で太平洋戦前ち圧力かけ続けたかと思っていたが。 ハルと野村のあまりに人間くさい(不)手際から両国が戦端に向かっていくさまを淡々と記す本書。 まだ真珠湾まで到達しないのに、すでに第1巻が終了である。

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2018/05/30

第1巻は、二・二六事件から真珠湾攻撃の前夜まで。 いくらでもアメリカとの戦争を回避する可能性はあったのに、それが互いの先入観や誤解、要職にある者のパーソナリティなど、様々な要素によって戦争へと突き進んで行く。その過程が、まるでドキュメンタリーの映像を見ているかのような迫真の記述に...

第1巻は、二・二六事件から真珠湾攻撃の前夜まで。 いくらでもアメリカとの戦争を回避する可能性はあったのに、それが互いの先入観や誤解、要職にある者のパーソナリティなど、様々な要素によって戦争へと突き進んで行く。その過程が、まるでドキュメンタリーの映像を見ているかのような迫真の記述によって語られている。膨大な資料と証言の積み重ねなくしては、このような記述は不可能であったろう。訳もいい。第2巻以降が楽しみである。

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2017/08/17

歴史書は苦手なのであまり手出ししていなかったのだが、なかなか面白く読めた。この巻は真珠湾攻撃直前までだが、続きを読まねばならない。昭和陛下が戦争をさせまいとしておられたことや、高い城の男が着想されたであろう背景が分かった。

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2016/08/25

もう少し個人名がでてても良かったんじゃないかなぁ。 一部の頭の悪い人とか、頭は良いんだけど見栄を張りたいような人とか、そんな人が政治の中枢にいると、こんなに簡単に戦争になるんだなぁという、残念感。 しかも、あきらかに多くの人はアメリカと戦争したって勝てないと思っていたのに、なぜに...

もう少し個人名がでてても良かったんじゃないかなぁ。 一部の頭の悪い人とか、頭は良いんだけど見栄を張りたいような人とか、そんな人が政治の中枢にいると、こんなに簡単に戦争になるんだなぁという、残念感。 しかも、あきらかに多くの人はアメリカと戦争したって勝てないと思っていたのに、なぜに戦争しようと思ったのか。 共産主義の脅威との戦いって言っても、味方を間違っちゃねぇ。 若い世代こそ読んだ方が良いんじゃないかな。 次の戦争になる前に少しは考えて行動できるようになるような気がする。

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2020/04/05

2・26事件から太平洋戦争開戦直前を描いた本である。 一言でいうと「非常に良い」。 この本を書くにあたって、著者は日本・アメリカ双方の戦争関係者約500人に取材したというだけあり、内容は非常にリアルで分かりやすい。 誰も戦争を望まないなか、日本の指導者たちがどのような経緯をた...

2・26事件から太平洋戦争開戦直前を描いた本である。 一言でいうと「非常に良い」。 この本を書くにあたって、著者は日本・アメリカ双方の戦争関係者約500人に取材したというだけあり、内容は非常にリアルで分かりやすい。 誰も戦争を望まないなか、日本の指導者たちがどのような経緯をたどって開戦という決断を下すに至ったのか、一方のアメリカ側の動きはどのようなものだったか、がとても緻密に描かれている。 この本を読んでいると、誰も抗うことのできない太平洋戦争開戦に向けた大きな時代の流れのようなものがあるのを感じた。

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2016/04/08

1巻は226事件から真珠湾まで。出版が70年なので冷戦的思考の影響はあるものの、日米開戦の経緯を(アメリカ人向けに)わかりやすく、豊富な証言を元に描写している。ぐだぐだな日本の政局やしょうもない理由の積み重ねで決裂に終わる日米交渉など、残念極まりない歴史ロマン。

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2015/08/16

「第三帝国の興亡」が面白かったので、「大日本帝国の興亡」があればいいのに、と思い、ふと検索してみたらずばり見つかった。うさんくさいとも思ったのだが、ピュリッツァー賞受賞作と聞いて読むことに。原題は「The Rising Sun: The Decline and Fall of t...

「第三帝国の興亡」が面白かったので、「大日本帝国の興亡」があればいいのに、と思い、ふと検索してみたらずばり見つかった。うさんくさいとも思ったのだが、ピュリッツァー賞受賞作と聞いて読むことに。原題は「The Rising Sun: The Decline and Fall of the Japanese Empire」だから邦題は「第三帝国の興亡」にあやかったのはミエミエだが。 第1巻は2.26/1.15事件に始まり、真珠湾攻撃まで。ヒトラーとナチスの意図を追っていればだいたい理解できたドイツの状況と違い、派閥争いとクーデターが入り乱れる日本の戦争に至る道はわかりにくい。ただ著者がやや日本に肩入れ(?)しているせいもあって、そのわかりにくい日本の状況を一生懸命解説しようとしている。 アメリカの姿勢がもう少し柔軟だったら、開戦の状況はやや変わっていたかもしれない。 ずいぶん前から日本側の暗号を解読していたアメリカは、本当に真珠湾を知らなかったのだろうか。 昭和天皇が開戦をためらっていたのは確かだが、止めようはなかったのだろうか? 東條英機は「忠臣」だったはずなのに。

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