おいで、一緒に行こう の商品レビュー
知らなかったペットレスキュー。東日本大震災では被災者=ヒトが注目され、それは致し方ないことなのかも知れない。しかし、福島原発の立入禁止区域で強制避難後に取り残された犬猫や経済動物たちのことを、本書で改めて思い知らされた。警察を含む行政は、何故に彼女たちのようなボランティアと共に生...
知らなかったペットレスキュー。東日本大震災では被災者=ヒトが注目され、それは致し方ないことなのかも知れない。しかし、福島原発の立入禁止区域で強制避難後に取り残された犬猫や経済動物たちのことを、本書で改めて思い知らされた。警察を含む行政は、何故に彼女たちのようなボランティアと共に生き物を救おうとしないのか? 三毛猫を保護する時の台詞が本書のタイトルとなっていて、その部分を読んだ時には目頭が熱くなった。甲斐風犬カイと飼い主・静子さんの再会シーンも、やりきれない哀しさがあった。
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2011年3月11日、東日本大震災による福島原発事故後に残されたペットたち。彼らの命を救うために活動するペットレスキューの人々を追うドキュメント。 罪のない動物たちを見捨てる権力側。決して見過ごすことはできず行動する人々。どちらも同じ人間であることが、人という生き物の本質の怖さで...
2011年3月11日、東日本大震災による福島原発事故後に残されたペットたち。彼らの命を救うために活動するペットレスキューの人々を追うドキュメント。 罪のない動物たちを見捨てる権力側。決して見過ごすことはできず行動する人々。どちらも同じ人間であることが、人という生き物の本質の怖さでもある。
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原発事故の直後から20km圏内の避難区域に入り込み、飼い主と離れ離れになった犬猫を回収し続けるボランティア(主に40代女性)達の活動を、著者自身の経験を通して描く。 どのエピソードからも、極限状況の中での人間と動物との結びつきを否応なく感じる。 このボランティアたちの強さと覚...
原発事故の直後から20km圏内の避難区域に入り込み、飼い主と離れ離れになった犬猫を回収し続けるボランティア(主に40代女性)達の活動を、著者自身の経験を通して描く。 どのエピソードからも、極限状況の中での人間と動物との結びつきを否応なく感じる。 このボランティアたちの強さと覚悟はどこから来るのか。著者による問いに異口同音に返ってくる答えは「母性」だ。
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2011年3月に発生した東日本大震災に誘発された福島原発事故。その放射能の危険性のため、原発から半径20キロ圏内への立ち入りが制限された。制限された街に残されたペットは、家畜は、動物たちは、どのような生活をしているのだろうか。ペットたちは飼い主のもとへ戻れるのだろうか。 立ち入...
2011年3月に発生した東日本大震災に誘発された福島原発事故。その放射能の危険性のため、原発から半径20キロ圏内への立ち入りが制限された。制限された街に残されたペットは、家畜は、動物たちは、どのような生活をしているのだろうか。ペットたちは飼い主のもとへ戻れるのだろうか。 立ち入り制限区域に残されたペット、犬や猫を中心に保護、飼い主に引き合わせる、といった活動をボランティアで行う人々に筆者が密着、見たままに記述された本。 人々の行動のモチベーションが何なのか、何のために活動をするのかという心理・ペット保護の経緯について知見が得られた。 ペットも家族の一員なのだということ、彼らがどれほど安らぎと安心を与えるかということ、緊急事態に生き残る野生の力を持ったものもいることがわかった。 地震が起こった時の記述は、今読んでもまだ怖く感じる。
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ふくいちの周辺地区には避難勧告が出され、一緒に住んでいたペットたちと離ればなれになってしまった。避難勧告地域に潜入し、動物レスキューに取り組む人たちを追った。 小説家だけあって、ノンフィクションはそれほどうまくないなとは思ったけど、事実をただ淡々と進めていく感じ。何かが悪かった...
ふくいちの周辺地区には避難勧告が出され、一緒に住んでいたペットたちと離ればなれになってしまった。避難勧告地域に潜入し、動物レスキューに取り組む人たちを追った。 小説家だけあって、ノンフィクションはそれほどうまくないなとは思ったけど、事実をただ淡々と進めていく感じ。何かが悪かったわけじゃないし、どうしようもなかったことなのかもしれないけど、どうにか出来なかったのかと思う。
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森絵都のおいで、一緒に行こうを読みました。 震災と原発事故のあとに残されたペットをレスキューする人たちのルポでした。 原発事故が発生した後、原発に近い地区の人たちは身一つで避難したので、ペットを連れて行くことが出来ませんでした。 そのような無人となった街に残されたペットを回収す...
森絵都のおいで、一緒に行こうを読みました。 震災と原発事故のあとに残されたペットをレスキューする人たちのルポでした。 原発事故が発生した後、原発に近い地区の人たちは身一つで避難したので、ペットを連れて行くことが出来ませんでした。 そのような無人となった街に残されたペットを回収するボランティアの女性たちの行動が描かれています。 「多くの鎖につながれた犬や、室内飼いの猫は餓死してしまっています」という記述を読むと悲しくなってしまいます。 原発に近い地区は立ち入り禁止になっているため、警察に見つかると強制退去させられてしまいます。 それにもかかわらず、「母性」に従って行動する女性たちにエールを送りたくなります。
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正直、忘れかけていた福島。置き去りにされた猫や犬の姿に涙が止まらない。レスキューの人々の働きに感謝の念。
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ああ、40代女性(一部男性)の母性愛は何と深く逞しいのだろう。 家主の帰りを、人のいない町で待つペットたちの姿。 ペットを連れだしたくても連れ出せない飼い主たちの切なさ。 ペットを救出するためにはるか遠くから福島に通うボランディアたちの姿。 飼い主に代わってペットの面倒をみるボ...
ああ、40代女性(一部男性)の母性愛は何と深く逞しいのだろう。 家主の帰りを、人のいない町で待つペットたちの姿。 ペットを連れだしたくても連れ出せない飼い主たちの切なさ。 ペットを救出するためにはるか遠くから福島に通うボランディアたちの姿。 飼い主に代わってペットの面倒をみるボランディアの愛情。 どこを読んでも胸が熱くなる。 しかし児童文学出身の森絵都のノンフィクションはソフトかつ軽快で、そのソフトな文体がこの出来事が異世界でなく私のすぐ近くで起きている出来事だと強く感じさせてくれた。 ペットレスキューが、警察の目を逃れて検挙を恐れながら行われている実情に胸が痛くなった。 政府と東京電力は原発は安定的にコントロールされているというのだから、ペットレスキュー団体に強制避難地域の動物保護活動の許可と情報の提供を行うべきだと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
東日本大震災に伴う原発事故で避難指示対象になった福島原発20キロ圏内に取り残された犬や猫のレスキュー活動を行う40代女性たちの姿を追ったノンフィクション。 避難指示が出て住み慣れた土地からの避難生活を強いられペットを置き去りにせざるを得なかった避難民の人々のつらさや飼い主の庇護下から過酷な状況下で生きることを強いられたペットたちのつらさが伝わってくるようだった。 震災の記録、記憶を留めるためにも語り継いでいかなければならない内容だと思った。
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命に順位があるのは仕方のないことだとは思う。あって欲しくないと思っていても、人間であっても命の順位が存在するのだ。 ならば、ペットの、家畜の命にも順位はあるのか。 おそらくあるのだろうと思う。 そんななかで奮闘されるペットレスキューの方のドキュメンタリーだ。 正しいことはしていな...
命に順位があるのは仕方のないことだとは思う。あって欲しくないと思っていても、人間であっても命の順位が存在するのだ。 ならば、ペットの、家畜の命にも順位はあるのか。 おそらくあるのだろうと思う。 そんななかで奮闘されるペットレスキューの方のドキュメンタリーだ。 正しいことはしていないというレスキューの方の一言が重たい。 でもその正しさは誰が決めたものなんだろう。 命には順位がある、でも、命は平等なのも正しいことなんだと思う。
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