短篇ベストコレクション 現代の小説(2015) の商品レビュー
2作品しか読んでないので星3つですが、2作品のみで判定するなら4つ星。 教室ははときに、過ぎ去っていった先生方のおすすめ本が捨て置かれ、地層のような、貝塚の遺跡のような、なんとも表現し難い空間が存在していたりするのですが…… 一掃すべく回収作業に取り掛かり、ふと手にしたこの本...
2作品しか読んでないので星3つですが、2作品のみで判定するなら4つ星。 教室ははときに、過ぎ去っていった先生方のおすすめ本が捨て置かれ、地層のような、貝塚の遺跡のような、なんとも表現し難い空間が存在していたりするのですが…… 一掃すべく回収作業に取り掛かり、ふと手にしたこの本に「山田宗樹」の文字が。 しかもタイトルは「代体」。あれ?代体って短編だったっけ?しっかりめの単行本読んだような…… と本を開いたところまでは覚えているのですが、ハッと気づくと読み終わってしまっていました。 恐るべし!山田宗樹!そして短編! 結果、単行本の代体と世界設定は同じで、別のストーリー。たまにあるパターンですね。 しかしこんなに短いのにしっかり読ませる!きっちり落とす!大好き山田宗樹。 5分シリーズなんかのショートショートが流行り始めて久しい今日この頃。 クオリティが低いのは短いんだし仕方ない…とぼやきながら、ショートショートしか読めない子たちが群がる様を諦観の念で眺める日々でしたが……いや!やっぱ短くともクオリティ高いものを読もうやっ!!と思わされた短編「代体」。 今年のオリエンテーションは星新一の読み語りと一緒に、この短編「代体」紹介してみました。設定がキャッチーなので軽い奪い合いになる嬉しい光景も見られてなにより。 教室の貝塚ならぬ本塚に、そっと手を合わせましたとさ。 他の方がレビューで評価されていた、中島たい子「いらない人間」も読んでみましたが、確かに面白かったです。 読めそうで読みきれなかったオチと、そっと添えられし、お漬物のような下ネタ。良き。
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このシリーズは、結構好きです。 普段なら手を伸ばさないようなジャンルの短編小説に出会えます。 そして、短編だからこその技の冴えやテーマの切り取り方の面白さを味わえます。
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かなり満足の普通のアンソロジー SFでもミステリーでもない。ふつうに時間を切り取ったような、つまり凝った劇的なオチがない物語。だからこそ余韻が心地よい。 「流離人(浅田次郎)」は戦争ってなんだろうってことを別角度から眺めることができる良い作品。これ良かったな。 「夜の...
かなり満足の普通のアンソロジー SFでもミステリーでもない。ふつうに時間を切り取ったような、つまり凝った劇的なオチがない物語。だからこそ余韻が心地よい。 「流離人(浅田次郎)」は戦争ってなんだろうってことを別角度から眺めることができる良い作品。これ良かったな。 「夜の小人(飛鳥井千砂)」もファンタジックなお話だ。 「うそ(井上荒野)」は意味不明。主人公がモテる話は好きではないんだよね。僻みだけど。 「正雄の秋(奥田英朗)」は出世競争に敗れた53歳のサラリーマン。いやぁ、なんというか微妙だなぁ。 「テンと月(小池真理子)」は面白くない。 「E高生の奇妙な日常(田丸雅智)」に至っては、さっぱりだ。 「環刑錮(酉島伝法)」は今回もパス。 「星球(中沢日菜子)」のモテる男は嫌い。 飽きてきた頃、SFタッチの「いらない人間(中島たい子)」がおもしろく読めた。 「床屋とプロゴルファー(平岡陽明)」のBGMはLet It Beかな。なかなかいいお話だ。 「代体(山田宗樹)」のSFタッチは最高だ。下手なSFベストよりも良い。オチも鋭くキレが良い。これいいなぁ。 アンソロジーはいろんな味が楽しめる。今回はとても満足の一気読みだ。
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