1,800円以上の注文で送料無料

トルコ捨駒スパイ事件 の商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/09/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ワーリャ視点のせいか、筆致は軽やか。この時代のロシアにファンドーリンのような人種的偏見のない若者がいるとは奇跡だ。裏の主人公がトルコ人のアンヴァル=エフェンディ。スパイがラストでワーリャに語る理念は本作の読みどころ。現代のロシアやアメリカを暗に批判している内容の本作、ロシアで大人気というのが、ロシア人の目の高さか。ロシア政府にはあまり喜ばれそうにないけど。

Posted byブクログ

2015/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2作目でした。 憂いのある青年(実は若い、がいいですね)と現代的な女の子、という組み合わせが、かわいかったです。 世界史でやったかなー、レベルの知識なので、当時の戦争の様子が新鮮。 1作目も読んでみよう、次回はなんと日本だそうで、楽しみです。

Posted byブクログ

2015/08/04

ロシアの作家ボリス・アクーニン、1998年発表の小説。1877年の露土戦争を舞台にしたフィクション。面白いです。 1877年~78年のロシアとオスマントルコとの戦争という史実に架空のスパイ物語を上書きした作品。「ファンドーリンの捜査ファイル」という天才青年ファンドーリンがミステ...

ロシアの作家ボリス・アクーニン、1998年発表の小説。1877年の露土戦争を舞台にしたフィクション。面白いです。 1877年~78年のロシアとオスマントルコとの戦争という史実に架空のスパイ物語を上書きした作品。「ファンドーリンの捜査ファイル」という天才青年ファンドーリンがミステリーに挑むシリーズの2作目。本作では主人公はファンドーリンではなくワーリャ、婚約者を追って戦地を訪れた若い女性です。勝気で西欧の進歩的思想にかぶれた行動派の女性なのですが、未熟で思慮分別に欠ける所があります。 前作での悲劇的結末の結果、精神的なダメージを受けていると言う(私は前作は読んでいないのですが)ファンドーリンと成り行きで彼の秘書となったワーリャは味方陣営に潜むらしいスパイの影を追うのですが・・・。 志は良いのだけれど一面的な知識しか持たず、またかなり軽薄、というワーリャのキャラが私は好きになれませんでした。戦地で行動が制限される民間人の女性である彼女の視点で描かれる物語は、特に前半は人の話を聞くばかりという感じでかなり退屈(その中で伏線が張られて行くわけではあるのですが)。終盤はスリリングな展開もあり面白くなります。 戦争を多面的な視点で描き、好感が持てる作品です。

Posted byブクログ