善と悪の経済学 の商品レビュー
図書館で借りた本。テレビで特集を見て。ギルガメッシュ、ヘブライ、ギリシャ、キリストを通して、経済学という視点で、成長神話、合理性を批判している。アダムスミス、デカルトのところが面白かった。
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久しぶりの書評です。表面的なテクニックに留まらず「あるべき」という倫理を追求することは、改めて仕事に当てはめる必要があると感じさせられました。 本書は、経済思想は本来、哲学、宗教などと密接に関連し、常に「倫理的な規範」「善と悪」の価値判断と不可分であるが、現代の主流派経済学は分析的アプローチと数学モデルによってこうした倫理と決別したように=「価値中立的」に見える。しかし、実は「効率性、完全競争、高成長」「快楽追求・効率至上主義的」に価値を置いているとし、リーマン・ショックの問題も契機に、物質的反映がもたらす幸福を躍起になって追い求める「経済成長」よりも巨額の債務に依存しない安定性がより重要であるとしている。
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この本は作中にも書かれているように「機械論的・強権的な主流派経済学に対する批判の書」です。つまり、現在の経済学にありがちな数式等を駆使したものではなく、数式で表すことの出来ない倫理、哲学を土台にした経済学の本であると言えます。私自身もこの作者の意見には賛成で、物理学等と違い、経済...
この本は作中にも書かれているように「機械論的・強権的な主流派経済学に対する批判の書」です。つまり、現在の経済学にありがちな数式等を駆使したものではなく、数式で表すことの出来ない倫理、哲学を土台にした経済学の本であると言えます。私自身もこの作者の意見には賛成で、物理学等と違い、経済学は人間の行動を相手にした学問であり、そこには倫理学、哲学だけでなく、社会学、心理学等複雑な要素が沢山絡んでいます。その複雑な要素を数式だけで表すのは到底無理な話であり、実際問題現実世界においても様々な経済学の理論はあれど幾度となく金融危機が生じています。経済学は全てを数式で表そうとはせず、数式で表せる部分とそうではない部分を補完し合いながら学ぶのが最適だと考えている私にとってこの本に記されていることには概ね賛成することが出来ました。 また、この本は経済思想の変遷も比較的分かりやすく記しており、社会思想史を学ぶ上でも大変参考になる本でした。
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2017.7昔栗本慎一郎とかはやったけれど、そのあたりの話なのかなあ。いずれにしろ倫理と考え方の話が経済から落ちているのは確かに共感できる。定常状態がもっと見えてもいいのかもしれない。持続可能性とか。まあ面白くよめた。 2017.6 4章まで読んでいったん止めることにした(近代に入る前)。面白いのだけれど今読むと当たりそうなので。また今度。
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現在のウォール街の問題をギルガメッシュの壁から語り起こす経済学についての一大叙事詩です。道具としての経済学はいかに近年のものであり、経済が人間とか社会に向き合う学問である限り、「倫理」からは目を背けてはならない、という熱い想いが一貫されています。「神の見えざる手」の元祖とされてい...
現在のウォール街の問題をギルガメッシュの壁から語り起こす経済学についての一大叙事詩です。道具としての経済学はいかに近年のものであり、経済が人間とか社会に向き合う学問である限り、「倫理」からは目を背けてはならない、という熱い想いが一貫されています。「神の見えざる手」の元祖とされているアダム・スミスに対してさえ「国富論」より「道徳感情論」の作者として光を当て直しています。キーワードとしてアニマルスピリットが多く使われていますが、レヴィ・ストロース「野生の思考」を連想してしまいました。また最近、シンギュラリティが間近とされているAIの専門家が、これからはテクノロジーには倫理についての議論が求められている、と話されていたことも思い出しました。とにかく膨大な教養によって経済学の限界と可能性を語り巡る旅としての読書でした。そして、こんな知性が現実の経済の責任者だったなんて、チェコすごい!
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数学や物理学をはじめ、いわゆる「科学」と呼ばれる学問は、理論を構築するにあたり必要な公理系(または実験的事実に基づく法則)を基礎として演繹的に構築していく。 翻って、経済学はどうであろうか? 確固たる基礎を持っているのだろうか? よく理論経済学の論文なんかで登場する効率的市場仮...
数学や物理学をはじめ、いわゆる「科学」と呼ばれる学問は、理論を構築するにあたり必要な公理系(または実験的事実に基づく法則)を基礎として演繹的に構築していく。 翻って、経済学はどうであろうか? 確固たる基礎を持っているのだろうか? よく理論経済学の論文なんかで登場する効率的市場仮説(EMH)やホモ・エコノミクスを仮定しているが、これは本当に人間の行動をうまくモデル化していると言い切れるのだろうか。 金融工学をはじめとした数学的に経済を分析する、ということが近代経済学の主流であることは疑いようがない。 Black-Scholes方程式からデリバティブのプライシングをするとなんかカッコいいし笑 本書は、この徹底的に定量化され、人間が数値に落とし込まれる現在の経済学をもう一度再構築することを目的とする。 では、再構築するときの土台となるのは何か? 人間の心の部分である。 では、人間の心となる部分は何か? 宗教である。 本書は、さらに宗教を古典にまで還元している。 ギルガメッシュ叙事詩や旧約聖書にまでさかのぼり、人間の経済的な活動の起源を求めている。 正直に言うと、この部分はあまり受け入れられなかった。 というのも、少々話をこじつけすぎではないか、と感じることが多かったからだ。 これはひとえに、宗教的なバックグラウンドが不足しているからかもしれない。 日本人がMax Weberの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を読んでもイマイチぴんとこないのと同じ現象であるように思える。 本書がヨーロッパでベストセラーになっていることを鑑みると、ヨーロッパの哲学や宗教(および古典)に対する知的水準が高いことが見て取れる。
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西洋人の知の土台を再認識することができる一冊。日本人には当然ではなく、その理解なしに現在の問題を同一の視点で語ることは無理がある。一方で問題を相対化して語ることができる可能性があることは、大きな利点でもある。 経済学の本だと思って本書を手に取った人は、良い意味で期待を裏切られるで...
西洋人の知の土台を再認識することができる一冊。日本人には当然ではなく、その理解なしに現在の問題を同一の視点で語ることは無理がある。一方で問題を相対化して語ることができる可能性があることは、大きな利点でもある。 経済学の本だと思って本書を手に取った人は、良い意味で期待を裏切られるでしょう。
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レビューはブログにて http://ameblo.jp/w92-3/entry-12083610628.html
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西洋の古典における経済思想を解きほぐし、現在の数理的に割り切った分析に基づく経済学を心を失った社会学として不完全なものとする。 ギルガメシュ叙事詩や旧約聖書では都市と自然、社会と個人などが対比され現代に通じる自然が不自然化する(服を着るなど)、文明化と経済社会化を記述する。しかし...
西洋の古典における経済思想を解きほぐし、現在の数理的に割り切った分析に基づく経済学を心を失った社会学として不完全なものとする。 ギルガメシュ叙事詩や旧約聖書では都市と自然、社会と個人などが対比され現代に通じる自然が不自然化する(服を着るなど)、文明化と経済社会化を記述する。しかし経済社会はいつも倫理とセットであり、ヘブライ社会では経済は重要な項目であったが社会はあくまで神の論理を一番に置いていた。アダムスミスも道徳感情論を主著としていたようにあくまで人間の本質が前提で経済の考え方は後にくるものだと考えていた。ケインズも経済が成熟化すれば誰も経済のことなど考えなくなると予想していた。教養本としてはギリシア哲学、キリスト教思想など西洋のベースとなる思想をカバーしておりためになるとは言えるが、実際に現在の経済を理解する上で役に立つかというとわからない。 結論としては、現状は過去の倫理学から分かれた政治経済学とは異なり、何度もインセンティブが暴走し経済危機が起こる不安定な状況であり、この倫理を忘れた合理的人間像をベースにした経済学の欠点を浮き彫りにしようとしている。
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神話とかそういうのつかって、倫理観や習俗なんかを経済学の観点から見る、みたいな感じなんだろうけど、なんか話の運びがあんまりよくなて読みすすめられない。何度が挑戦したがあきらめ。
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