噂の女 の商品レビュー
最初は短編集風にみえてどんどんと繋がっていく、連作短編的な作品。視点がさまざま入れ替わり面白くよく練り込まれている。女は男次第で成り上がれる。
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あんまりいい気はしない話だけと、悪女ゆうもんはそれだけの真似できない努力をしてるもんだとちょっと関心した。 そして田舎は実に怖いねー。
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地方出身のとりわけ美人でもない女性が、男女の愛と欲望を土台として、のし上がって行く様子を描いた作品。 彼女の名前は糸井美幸。 目次 中古車販売の女 麻雀荘の女 料理教室の女 マンションの女 パチンコの女 柳ケ瀬の女 和服の女 檀家の女 内偵の女 スカイツリーの女 そう! ...
地方出身のとりわけ美人でもない女性が、男女の愛と欲望を土台として、のし上がって行く様子を描いた作品。 彼女の名前は糸井美幸。 目次 中古車販売の女 麻雀荘の女 料理教室の女 マンションの女 パチンコの女 柳ケ瀬の女 和服の女 檀家の女 内偵の女 スカイツリーの女 そう! この目次の女は、全て糸井美幸のことなのだ。 描かれている『噂の女』こと糸井美幸が、いわゆる悪女なんだけれど、本人目線での描写が全くないので、読み手からするとミステリアスに感じられて、それもまた彼女の魅力に拍車をかけているのだろう。関わった人間を次々と惹きつけて利用価値を巧妙に計算し、自らの人生を闊歩する様子は爽快感すら感じられた。 男性は、彼女の肉感的でボウリングのピンの様なスタイル、厚ぼったい唇、豊満な胸に、アルトトーンの落ち着いた声を目の前にすると、みな一様に欲望を抑えるのに必死だ。 一方で女性は、男性が好みそうなその容姿に一目置き、時にはその大胆な言動にある種のカリスマ性を感じて、羨望の眼差しを向けている。 それにしても作中で、糸井美幸に出会った男性は、同級生から社長さん、議員さんから刑事に至るまで、滑稽なほどに十把一絡げの扱いで描かれている。異性からするとそんな事ないやろ〜笑 と思うのだが、同性の作者が描いているのだからきっと間違いないのだろう。生物学的な性の前では、みな無防備なのかもしれない。 次から次に場面展開して、毎度糸井美幸が出没するのだが、人物の繋がりが分かりやすく、場面毎の主要人物も絞ってあるのでとても読みやすい。余韻を含む終わり方も、本作のイメージ通りで秀悦だった。 個人的には、美幸の子供がその後どんな人生を歩むのだろうと気になってしまった。 授かり方も極めて計算高かったが、この子の半生を続編で見てみたい。いや〜何だかんだ私も糸井美幸に魅了されてるなぁ・・・ タワケッ!って言われそうですが笑 それと、歯並び! 美幸曰く、女性は歯並びさえよければどうにでも仕込めると・・・ 私もこれには激しく同感。 女性だけでなく男性にも十分言えることだろう。年齢を重ねて痛感するのは、健康な自分の歯で、尚且つ美しい歯並びは最強だ。大袈裟でなく、その人の生き方にも影響すると思う。 ・・・って、最後はなぜか歯の話だが、所々雑学的な要素もあり、なかなか面白い作品だった。
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社会の闇につけ込んで暗躍する謎の女。エピソードの大半はやるせない結末を迎えるのでフラストレーションが溜まる。檀家の話、警察組織の話、ゼネコン業界の話は今でも有り得る話なのだろうか。謎の女、糸井美幸の暗躍とともに社会の闇を読んで腹立たしい気分で読んだ。どの章も初めの一文があらすじを...
社会の闇につけ込んで暗躍する謎の女。エピソードの大半はやるせない結末を迎えるのでフラストレーションが溜まる。檀家の話、警察組織の話、ゼネコン業界の話は今でも有り得る話なのだろうか。謎の女、糸井美幸の暗躍とともに社会の闇を読んで腹立たしい気分で読んだ。どの章も初めの一文があらすじを語る内容で物語に入り込みやすく、文体もとても読みやすい。 客観的に捉えている謎の女の正体を最後に明かしてくれるかと期待していたが残念ながら謎のままで落胆。
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面白くてどんどん吸い込まれてゆく。一見平凡な女が、女の性をつかって上り詰めてゆく話。いろんな立場の人間から「噂の女」が描写されてるのがよい。 面白いが、女の私が読むと疲れる。この本を読むだけで、普通の女には、「噂の女」のように男から次々と金を巻き上げてゆくことなどできないとわか...
面白くてどんどん吸い込まれてゆく。一見平凡な女が、女の性をつかって上り詰めてゆく話。いろんな立場の人間から「噂の女」が描写されてるのがよい。 面白いが、女の私が読むと疲れる。この本を読むだけで、普通の女には、「噂の女」のように男から次々と金を巻き上げてゆくことなどできないとわかる。この女、しぶといなぁと。
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面白いけどすっきりしない 1番面白いところが、書かれていない感じがする。 噂まとめみたいな。 女性が卑下されている描写が多くてちょっと不愉快。 2022/08/27 02:20
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読書好きの友人Kからお下がりでもらった一冊。 ひとことで言うと、エンタメ小説だった。 章が割に細かく分かれていて、それぞれに語り手が変わる。普段見えていない人間や物事の裏表を全て可視化したような、そんな内容だった。 章ごとに数年が経過していて、章ごとのシチュエーションもバラ...
読書好きの友人Kからお下がりでもらった一冊。 ひとことで言うと、エンタメ小説だった。 章が割に細かく分かれていて、それぞれに語り手が変わる。普段見えていない人間や物事の裏表を全て可視化したような、そんな内容だった。 章ごとに数年が経過していて、章ごとのシチュエーションもバラバラ。けれど全ての核に謎の女“美幸”がいる。 それだけ聞くと重い話なのかと思うけれど、どちらかと言うと深く考えずに楽しめる一冊だと思う。 これまで奥田英朗を読んだことがなかったけれど、他の作品も読んでみたいと思った。
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奥田さんの本は6冊目ぐらい。 噂の女は悪女なはずなのに、どんどん引き込まれる。社会の闇が遠慮なく描かれているが、そのことを理解しつつも抗っている登場人物にも感情移入ができた。
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デートした人におすすめの小説はと聞いて勧められた本 絶対デート相手にすすめるような本ではない 自分がすすんで読むなら面白い、世で言われる男をたぶらかす凶悪女殺人鬼ってこんなもんだろうって思う 全体としては、少し憂鬱になる本。田舎には住みたくない。
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こういうのでいいんだよっていう模範例。 この人に田舎の絶望感を書かせたら右に出る人はいないのでは。 取られても仕方ないような人たちから取るのも良い。
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