税理士が教える 勘定科目別 税務の着眼点 の商品レビュー
税務上注意すべきポイントが現金預金から始まり営業外損益まで勘定科目別に解説されていた。経理部長と顧問税理士との会話を通じて論点出しがされて、それについてポイント解説するという構成。単に税務の論点解説にとどまらず、原始証憑や稟議書、取締役会議事録などのチェックポイントも解説されてお...
税務上注意すべきポイントが現金預金から始まり営業外損益まで勘定科目別に解説されていた。経理部長と顧問税理士との会話を通じて論点出しがされて、それについてポイント解説するという構成。単に税務の論点解説にとどまらず、原始証憑や稟議書、取締役会議事録などのチェックポイントも解説されており実務家向けの内容であった。 P118 給与関係の引当金 出向負担金に含まれる退職給付引当金の取扱いは? 自社の従業員を他社に出向させた場合の出向負担金の授受に際して、出向先法人が支払う負担金の中に、出向元法人において退職金に充当す るためのものが含まれていたとしても、その金額は出向先法人における支払時の損金とすることができます(法基通9-2-48)。一方、出向元法人では、退職金の支払いに備えるため退職給付引当金として繰入られた金額は損金不算入とされ、出向先法人から受領した金額は益金算入となるため、益金計上が先行することになります。出向元法人において益金算入の先行を回避するためには、退職金にかかる負担金の支払時期を実際の退職金の支払時期に合わせるなどの 工夫が必要となります。 P208 成果物を確認したか? 「この請求書にある『○○相談報酬」とは何ですか? 相談時のメモや議事録はありますか?」「この稟議書にある『○○に関する調査·報告料』の内容を教えて下さい。報告書はありますよね?」と、税務調査で繰り返される場面です。したがって、成果物の確認は必須といえます。 しかし、 これらの報酬の中には、場合によっては本当に「物」としての成果物がないものもあるかもしれません。企業やその経営者が様々な情報を入手したり、相談をした際には、その成果物として必ずしも「物」として形が残ったりするものばかりではありません。そもそも「相談」であれば、「物」としての成果物などは存在しないわけです。ただし、これら成果物のない支出は、本来、交際費や寄附金と処理すべき性格のものが含まれている可能性もあり、このような使われ方がされることがあるのも事実かもしれません。したがって、意図的な経理操作は論外として、相談報酬としての正当な対価であると主張するのであれば、議事録とはいわないまでも(これを作ることが可能であれば、そもそも問題にはならない)、相談内容などを簡単にまとめたメモ程度のもの(何を相談したのか)は作成しておくべきといえます。
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