漫画家、映画を語る。 の商品レビュー
積読はあれど単行本を持ち歩くには重かったり汚したくなかったり、家には寝るときくらいしかいなかったりでなかなか進まず、就寝前読書のリハビリには細切れエッセイ系が良かろうが、あまりに穏やかだと1章も保たずに寝てしまうのでこれを。 数多の本やら映画やら「気になるけど見たことはない」「...
積読はあれど単行本を持ち歩くには重かったり汚したくなかったり、家には寝るときくらいしかいなかったりでなかなか進まず、就寝前読書のリハビリには細切れエッセイ系が良かろうが、あまりに穏やかだと1章も保たずに寝てしまうのでこれを。 数多の本やら映画やら「気になるけど見たことはない」「もうちょっと視野を広げたいけど何がいいやら」みたいなとき、自分の好みの作家から派生すれば自ずと好みになる法則だと思っているので、この手のものは比較的読みたい方。 しかもこれは作家本人のエッセイや紹介などではなく、9名の漫画家へのインタビューなので、読んだこと無い作家にも触れられて広がり感は倍増。ラインナップも年齢・性別・ジャンル様々だけれど、表紙の浅田先生の絵のように、全体的にどこかセピア掛かった空気感のある作家陣な気がして不思議なまとまりがある。なので、語られる映画も「ですよね」というものと「そこかあ」「気になる」がバランスよく、程よくついていけて程よく知りたい欲が刺激される。 編者の提示する「漫画と映画の関係性」「漫画での映画的手法」という大枠があっての個々のインタビューというのも、まとまりの良さになっているのだとは思う。 そんなわけで好きな作家さんばかりとはいえ、ずば抜けて言えば、まき先生は漫画も大好きだけれど、エッセイの小洒落すぎないけど細くてしなやかな芯が通った調子も大好きなので、インタビューでも何もブレなくてなんだか嬉しい。 しかし本当に映画も漫画も小説もなにもかも、比較的自分の世界の範囲内でも実際に手に取るものはごく一部だというのに、過去も現在も未来においても未知の宇宙は果てしない。
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馬鹿じゃ漫画は描けない。まさにその通り。 親は馬鹿になるからって子供に漫画を読ませたがらないけど、それを描いてる漫画家たちはいかにストーリー構成、カメラワークと呼ばれる、視点をどこに置くか、に至るまでを考えつくしていることか。 私自身、絵さえ上手ければ漫画家にはなれると思ってい...
馬鹿じゃ漫画は描けない。まさにその通り。 親は馬鹿になるからって子供に漫画を読ませたがらないけど、それを描いてる漫画家たちはいかにストーリー構成、カメラワークと呼ばれる、視点をどこに置くか、に至るまでを考えつくしていることか。 私自身、絵さえ上手ければ漫画家にはなれると思っていた。でも思い込みもいいところ。全くそんなことはないらしい。絵だけ上手くてろくに考えもなしに漫画を描く人がしょうもないことをしてしまうんなんだろう、、、(ただの自己満足という意味で) この本は全体を通して、漫画家志望に向けたような技術的な話が多いから、難しいは難しい。けれど、そうじゃなくても興味深く読むことができた。ただ、漫画という形で世の中に自分の作品を出す以上、そこに何らかの想いとか意志を込めるのは当然だと思うけど、、。でも漫画家によって独自のし像をもとに作品を作っているんだなぁ。おもしろい。自分のインスパイアも刺激された。
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武富先生の部分だけ読んだ。武富先生も漫画の視点についてはずいぶん検討されたようだ。顔のアップとセリフが多い絵面のなかでも読み手がそこにいるかのような臨場感を味あわせる工夫をされているのだなと思った。
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手塚が映画の手法を漫画に持ち込み、今では漫画の手法が映画にも取り入れられる。こんなこと意識して漫画読んでいなかった。漫画に対する向き合い方を意識付けさせられた。 手塚氏と松本零士の漫画は要チェックしたいと思いました。
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