ウイダーの副王 の商品レビュー
奴隷商人の男とその家族の物語は、奴隷として扱われる人々の印象が薄く、それは結果的に人間がただの商品と化していた悲劇を描くことに繋がっている気がした。もしかすると、描かれた主人公の人生が僕が薄いと感じる部分を補完してたのかもしれない。
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実在したブラジル人奴隷商人の生涯をチャトウィンが取材を元に再構築した小説で、ブラジルの貧しい家庭で育ったフランシスコ・マノエルがダホメー王国(現在のペナン人民共和国)で王の信頼を得て、副王となりウイダーの地で奴隷貿易で1850年までに巨万の富と一族の繁栄を築き、衰えていく物語です。 因みに、奴隷貿易は1800年前半ヨーロッパの国々が廃止したが、ポルトガルと植民地だったブラジルでは1850年禁止されるまで続いた。 中南米の小説を読む時、紹介時に長い名(名+姓)で、その後名と愛称が混ざりながら出てくるので、混乱しストーリーに入り込めない時があり、今回も舞台の大半はアフリカだがブラジル人の名前に苦しむ。ガルシア・マルケスでは酷く手こずりました。
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