巨匠とマルガリータ(上) の商品レビュー
タイトルからして巨匠かマルガリータが主人公なのかな?って思うじゃん。それは当たってるのよ。巨匠だと明示されてるのよ主人公は。でも露文あるあるとはいえ開始300ページまで出てこない主人公ってどうなの。で、それまでの300ページはひたすら色んなおじさんが悪魔に虐められてるのってどうな...
タイトルからして巨匠かマルガリータが主人公なのかな?って思うじゃん。それは当たってるのよ。巨匠だと明示されてるのよ主人公は。でも露文あるあるとはいえ開始300ページまで出てこない主人公ってどうなの。で、それまでの300ページはひたすら色んなおじさんが悪魔に虐められてるのってどうなの
Posted by
第一章の「見知らぬ人と口を聞くべからず」という題は個人的に好きで、本書が良い本である気配がして安心して読み進められた。 ビブリカルな話を持ってきたりするのは典型的だが、ピラトをトピックに選ぶのは珍しく、興味深い。本書は第一部(上巻)だが、第二部(下巻)に向けての結びの言葉、トラ...
第一章の「見知らぬ人と口を聞くべからず」という題は個人的に好きで、本書が良い本である気配がして安心して読み進められた。 ビブリカルな話を持ってきたりするのは典型的だが、ピラトをトピックに選ぶのは珍しく、興味深い。本書は第一部(上巻)だが、第二部(下巻)に向けての結びの言葉、トランジションも素晴らしい。
Posted by
キリストの話やらが割り込んできてややこしいことこの上ないのだがかなり長いのでもう一度読む気にはなかなかならない…でもおもしろかったよ
Posted by
現ウクライナ・キーウ生まれのブルガーコフ(1891-1940)の長編。 20世紀のモスクワとイエス・キリストの時代のゴルゴタの丘を行き来する、めくるめく物語世界。 春の日の夕暮れ、2人の男がモスクワ郊外の池のほとりを歩いている。一方は作家であり、文芸誌の編集長でもあるベルリオー...
現ウクライナ・キーウ生まれのブルガーコフ(1891-1940)の長編。 20世紀のモスクワとイエス・キリストの時代のゴルゴタの丘を行き来する、めくるめく物語世界。 春の日の夕暮れ、2人の男がモスクワ郊外の池のほとりを歩いている。一方は作家であり、文芸誌の編集長でもあるベルリオーズ。もう一方の若い男は「宿なし」というペンネームの詩人、イワン。 2人はイエス・キリストの「実在」について話をしている。イワンはベルリオーズに依頼されて叙事詩を書いていた。詩にはイエスが実に生き生きと描かれていたが、編集長のお気に召さなかった。ベルリオーズはそもそもイエスなどいなかったと思っていたのだ。そこで1つ、この若いのに言って聞かせてやろうと思ったわけだった。 そこへ1人の外国人風の男が通りかかる。男は黒い右目と緑の左目を持っていた。彼は2人の論争に口を挟み、持論を繰り広げ始める。そして人間の儚さを語り、こともあろうにベルリオーズが極めて奇妙な無残な死に方をすると予言する。そして自分はキリストが存在したことを知っている、なぜなら処刑が決まったその場にいたのだから、と言う。 男が狂人だと思った2人だったが、男の不気味な予言は当たる。 ベルリオーズは死に、男を告発しようとしたイワンは逆に周囲から狂っていると思われ、精神病院に入れられる。 そしてモスクワは奇妙な騒ぎに巻き込まれていく。 黒魔術ショーに、喋る黒猫。狂乱する群衆。 夢か現か、そのあわいを、物語は疾走する。 冒頭に出てくるベルリオーズもイワンも、実はタイトルロールではない。 「巨匠」は上巻の後半になってようやくひっそりと登場する。しかしその本名すら明らかではない。 精神病院に入れられたイワンのもとを、同じ病院に入院している謎の客人が訪ねてくる。彼は、自分は「巨匠」だと語り、イエスとその処刑を命じたピラトゥスの物語を自分は書いたのだという。彼の物語に熱狂し、執筆を支えてくれた女がいたが、「巨匠」も女も既婚者であり、2人は秘密の関係だった。物語が完成し、いざ、世の中に出そうとしたが、ことはうまく運ばなかった。絶望した「巨匠」は物語を火にくべてしまう。 ベルリオーズとイワンを破滅させた謎の男は、果たして悪魔なのか? モスクワに突然現れたのはなぜか? 「巨匠」が書いた物語と男の出現とは関係があるのか? 「巨匠」を支えた女がもう1人のタイトルロール、「マルガリータ」なのだろうか? さまざまな謎を残しつつ、物語は下巻へと向かう。 作者は疾風怒濤の物語の上巻をこの言葉で結ぶ。 私につづけ、読者よ。 望むところ。いざ見届けん。この奇妙な味わいの物語の行きつく先を。 *ベルリオーズの他にも、ストラヴィンスキーとかコルサコフとか、作曲家と同じ名前の登場人物が多いのですが、このあたりも意味があるのかな? たまたま? *「第七の証拠」というタイトルの章、カントによる神の存在証明を引いているようなのですが、「7」という数字は、ヨハネの黙示録も思い出させます。はてさて関係あるのか?? *ソビエト政権に対する体制批判を含むということで、著者の生前には出版されなかったという曰く付きの作品。とはいえ、少なくとも上巻まででは体制批判はなくはないけれど、それより宗教的な主題の方が大きいように感じます。
Posted by
既読本の印象→醜いアヒルの子の子供時代。暗い鬱々。 ある日突然白鳥に変身したかのように陽気で明るいトーンにまごつく。しかし持ち味の1つと思っている混沌さは濃縮増量中。時にグロテスク、不条理、煙に巻く、といったバタバタ感が、やっぱり自分にはディヴィット・リンチの映像作品に似てると思...
既読本の印象→醜いアヒルの子の子供時代。暗い鬱々。 ある日突然白鳥に変身したかのように陽気で明るいトーンにまごつく。しかし持ち味の1つと思っている混沌さは濃縮増量中。時にグロテスク、不条理、煙に巻く、といったバタバタ感が、やっぱり自分にはディヴィット・リンチの映像作品に似てると思うんだよー。13章でやっと主人公が出てくるけども、ひっぱってるけども、どうしたんだよ、このユーモア仕様は?と非常に自分には『今までのブルガーコフイメージ』をくつがえされ、消化できてない。しかし品があるよ。
Posted by
はじめの方は世間話であったが、だんだん話がおかしくなってきていて、劇場の事件がクライマックス。その間にキリストの処刑の話がはいってくる。
Posted by
ブルガーコフの作品が好きで手に取りましたが、とても面白い! 悪魔たちがモスクワを支配し、人々が次々と精神科へ送られる。 巨匠が誰なのかとずっと気になってましたが、ヨシュア(イエス)と、悪魔たちの関係もとても気になります。
Posted by
まず、あらすじが素晴らしいです。 「首は転がり、黒猫はしゃべり、ルーブル札が雨と降る……私につづけ、読者よ」 まさに、息つく暇もなく行きついた先に待ち受けるのは、理解を越えた奇想天外な物語たち。 読者の頭が変になったのか、書いてる作者が変なのかのどちらかです。 本を閉じて現実にも...
まず、あらすじが素晴らしいです。 「首は転がり、黒猫はしゃべり、ルーブル札が雨と降る……私につづけ、読者よ」 まさに、息つく暇もなく行きついた先に待ち受けるのは、理解を越えた奇想天外な物語たち。 読者の頭が変になったのか、書いてる作者が変なのかのどちらかです。 本を閉じて現実にもどったとき、ちょっと寂しく感じてしまうほど。こんな読書体験のできる本はいくつもありません!麻薬のような魅力をもった一冊です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
突如公園に現れた悪魔とその一味。彼らの悪ふざけのような奇術にモスクワの人々は命を落とし、逮捕され、精神病院に送りこまれます。 精力的に仕事を続ける透明人間やコーラスを止められない役人たちにはニヤリとさせられました。 そして、気になるのは我らが主人公たる巨匠。 国家権力により言論を封じられた男は著者のブルガーコフ自身の姿と重なります。これは著者自身がモスクワに悪魔を召喚し、抑圧的な社会に復讐する物語なのでしょうか。 とはいえ第1部だけでは物語の全容はみえず、筆者につづけ。いざ下巻へ。
Posted by
文庫化を機会に再読。現在、手に入る単行本は河出書房新社の世界文学全集なので、文庫も河出からだろうと思っていたら、岩波からだった。 基本的にハチャメチャな喜劇ではあるのだが、ソビエト時代の暗い部分も垣間見える。 因みにカバーの絵はファンが描いたラクガキらしい。ユニークな画風。
Posted by
- 1