山中鹿之助 の商品レビュー
元々好きな清張、時代物案外好む。 最近、難しい本の合間に、軽い読み物として成長ものを再読している。 この作品は全く知らなかった。 時代劇で一番面白いのは戦国時代と任じている・・制度も秩序もリセット状態で、人間の本能がむき出しにくんずほぐれつを呈しているあり様を感じられるから。 中...
元々好きな清張、時代物案外好む。 最近、難しい本の合間に、軽い読み物として成長ものを再読している。 この作品は全く知らなかった。 時代劇で一番面白いのは戦国時代と任じている・・制度も秩序もリセット状態で、人間の本能がむき出しにくんずほぐれつを呈しているあり様を感じられるから。 中部、北陸、東海、そして大阪近辺は頻回に舞台となるので頭に入っていたが、山陰山陽は中間的存在の武将が同時存立しており、なかなか頭に入らなかった。 半ば達する前に?~これってひょっとしたら【少年少女向けじゃないの】という感触。 読後、巻末解説で、その辺を記してあった。 清張は195年代に、青少年向け歴史ものを相次いで執筆している。また、「あの下りと似ている」と感じた通り真田十勇士と似ている。 幸村が忍者や豪傑をまとめ、架空のヒーローもので有名なように、尼子家再興のために率いた尼子十勇士(真田とは異なり、こちらは書物によりメンバーは入れ替わるそうな) 尼子についてた毛利が破格の強大大名となり、大内、陶、尼子を滅ぼしていく。 明治末から大正にかけて有名だった立川文庫の影響がないとは言えない(全く読んだことないけど) 貧しい少年時代、野山を走り回った鹿之助・・きらりと光る三日月の両側に鹿の角という珍しい兜は育ちの逸話を思わせる。 共に育った野菊、乳母であったその母小菊の話も混ぜ込み、「希望を失わず、くじけず、艱難辛苦を耐え忍ぶ」まさに昭和中期の作品(いい意味で)
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松本清張の時代小説は珍しく、主人公の生涯は時代に抗うことでその時折輝きをみせる。派手な合戦はないが、戦いに必須である兵糧を断絶していく知恵が現在の北の国に対する外交と重なっていく。武器よりも打撃は大きいのは時代を経ても変わらない。
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▼電子立ち読みあります▼ http://shogakukan.tameshiyo.me/9784093522014 松本清張、幻の作品が初の電子化! 主君・尼子家の再興を願い、大敵・毛利に果敢に挑み暴れた、山陰の戦国猛将・山中鹿之助の、短くもドラマチックな生涯を生き生き...
▼電子立ち読みあります▼ http://shogakukan.tameshiyo.me/9784093522014 松本清張、幻の作品が初の電子化! 主君・尼子家の再興を願い、大敵・毛利に果敢に挑み暴れた、山陰の戦国猛将・山中鹿之助の、短くもドラマチックな生涯を生き生きと描く。 没落しつつあった尼子家一筋に全てを捧げ、月山富田城を取り囲む毛利元就の大軍を、その抜群の勇力と才智により何度も跳ね返し、武名を高めた鹿之助だったが、最終的に尼子義久が毛利の軍門に下り、富田城を明け渡すことになった。 その後、牢人をしながらも尼子家再興を使命とし、尼子勝久を擁立し、幾度の苦難を乗り越え、石見国入りし新山城を占拠するも、毛利勢との戦に敗れ富田城へ入城することは叶わなかった。 さらに、10年後、織田信長の毛利攻めに乗じ、再び、尼子軍を再興した鹿之助だが……。 100度打ちのめされ、1000回も挫折を味わう壮絶な鹿之助の人生、しかし、進むことはあっても退くことはなかった、その義勇の名は、天下に鳴り響いた。 弊社雑誌「中学生の友」に1年間連載された、松本清張、幻の作品。著者が代表作「点と線」を執筆した頃に同時に描いた、名作が50余年の時を超えて甦る。
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