国土の変貌と水害 の商品レビュー
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「水害の大小や性格を決定する主役は、むしろ雨を引き受ける土地の側にある」という観点から、敗戦後の水害激化や都市水害の要因を明らかにしたもの。堤防による制御の限界、都市化による保水力の低下や地盤沈下、治水工事の発展に伴う防災意識の低下、森林の国土保全機能など今日でも通じる論点がたくさん提起されている。「いち早く警鐘を鳴らした先駆的著作」という帯の宣伝文(2015年6刷)はまさにその通りだろう。 初版から50年近くたち、東京一極集中と過疎化とが一層進展するなかで、何が解決され、何が解決されていないのだろうか。
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