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あなたが消えた夜に の商品レビュー

3.6

102件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    3

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2024/08/04

刑事2人が謎を解いていくバディ物...と思いきや後半は急に様子が変わる。タイトルの意味がわかった時にゾクッとした。

Posted byブクログ

2024/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

刑事小説の体裁をとっているが、中村ノワールは全開なので、するすると読み進められるエンタテインメントという感じではない。 連続通り魔事件が思わぬところへ転がっていく話の展開は、人間の悪意や思い込みで世間が動かされているというアイロニーが込められている。その世間とは「普通」と思っている人間である。 登場人物は皆、生きづらさを抱えていて、どうしようもなく暗く重たい。 殺人者も刑事もいずれも生きづらさは抱えている。それは読者も同じなのではないか。 物語の終わりに細く弱い光が差し込むように感じたのは、救いが無いこの世界でも、普通になれない自分を抱えながら、今をともに生き抜いていこうという作者からのメッセージではないか。

Posted byブクログ

2024/01/05

再読です。この物語のタイトル回収はやっぱり最高だなと思いました。登場人物の思いが爆発しているようで、心が揺さぶられます。

Posted byブクログ

2023/07/05

やっと読んだ、、疲れた 後半は惰性で読んだ、疲れた 前半のおっ、刑事物か って期待を後半大きく崩されてあー中村文則っぽくなっていくついていけん、、 みたいな、、、疲れた とりあえず読んだ

Posted byブクログ

2021/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館。あまり良くなかった。警察物を読み慣れてないだけかもしれないけれど、長い長い手記を残すというところに現実味がない。手記で語らせるところ、また作者本人の思想を登場人物に突然語らせるところ、この作者の癖だなあと思ってしまった。

Posted byブクログ

2021/01/21

ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができ...

ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。人間存在を揺るがす驚愕のミステリー!

Posted byブクログ

2020/09/23

ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができ...

ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。 なんて評したらいいのか正直分からない。 バランスが悪いのかもしれない。 かといって面白くなかった訳でもない。 重苦しくなっていく話の展開の中で、 刑事の中島と小橋のやり取りが和みの要素の一つ。

Posted byブクログ

2020/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初は、ただ「フードの男」が起こした殺人事件を解決していくだけかと思ったら、それは虚像でしかなく、多数の人間の思惑が混じり合っていたとは。 個人的にはとても読み応えがあった。

Posted byブクログ

2020/01/05

図書館に予約したのがやっと来た。 著者のあとがきでこれが16冊目の本だと書いてあった。好きで読んだつもりだったが数えてみると、まだ4冊目なので驚いた。 「スリ」「なにもかも憂鬱な夜に」「去年の冬、きみと別れ」そしてこの「あなたが消えた夜に」。 ただ」「教団X」は読みきらなかっ...

図書館に予約したのがやっと来た。 著者のあとがきでこれが16冊目の本だと書いてあった。好きで読んだつもりだったが数えてみると、まだ4冊目なので驚いた。 「スリ」「なにもかも憂鬱な夜に」「去年の冬、きみと別れ」そしてこの「あなたが消えた夜に」。 ただ」「教団X」は読みきらなかった。 主人公の心理についていけなかったし、ストーリーの粘着性につかれた。 それまで読んできたのは、異質な暗部を探るようなテーマ、それを現実に結びつける文章力があり、反面ユニークなユーモアにも興味があった。 前置きはこれくらいで、この作品について。 書き出しの部分は、中村さんらしい表現で、現実と乖離した過去の幻想と夢を今でも引きずっているらしい男、これは面白そうだと楽しみだった。 一転、通り魔の連続殺人が起き、それを捜査する警察官の話になる。目撃者の証言は「コートの男」。これが犯人だろうか。 連続殺人なので被害者も多くそれぞれ何かしら陰のある過去があり、性的な繋がりがある。 似たような名前の女が出てきて整理しながら読まないと少し混乱する。そこで読者のためにうまく登場人物と事件のメモがある。 新聞小説なので、このあたりで整理するのは読者に親切だ。 連続殺人の様であり、模倣犯らしい事件もあり、事件同士繋がりがあるようなないような、話の進展は整理できない段階に入り、捜査中の二人は、地元警察官のため地どりに回されて地道に歩き回り、それぞれの被害者の過去に迫っていく。 この二人の会話が、事件の重さと対照的に軽くユーモラスで気が利いている。 中村さんに珍しい警察物だが、このミステリも納得が出来る。 犯人の動機や、そんな方法を選んだ人間の暗い現実が独特の世界を感じさせる。 こういう心の部分に興味がある読者には面白い作品になっている。 だが、連載小説のためか、密度にむらがあり傑作だとは思えなかった。 登場人物のそれぞれの背景は書きこまれているが、生活の分野としてはそんなに多岐にわたるものではない。だとしたらもう少し整理できないだろうか。 警察機構にも少し触れてるが、溢れている警察小説に比べて、それが重要な部分でないにしても味が薄い。 最終的な印象では少し詰め込みすぎて、逆に読後感の重厚さにかける感じがした。 特殊な環境で隔離されたような生活観が、煎じ詰めれば人間の持つ心理の一部として共感を持ち、重い作品はそれなりに重く、軽妙なリズムもこなす作家なので、この作品はそのどちらともいえない未整理な部分を感じた。 ただ、小理屈をはかなければ、エンタメ小説としては読んでよかった、味わい深い部分ではお得感もありさすがだと思わせてくれた。 「あの人のこと、私尊敬してるんです」 「何で独身なんだろう、モテそうなのに」 「モテるからですよ」 小橋さんはそう言い不適に笑う。 「フロイトが言ってることだけど」 「”錯誤”は人間の単純な過ちではない可能性があるって。その無意識による行為かもしれないって」 ア痛! 面白いフロイトさんをまた読んでみようかな。

Posted byブクログ

2019/09/10

一方の集団は損得野郎。プラグマティックに、冷徹に、システムへ媚びへつらう利己野郎。とすればもう一方はイノセント、正義、損得を顧みず利他的であるはず。 この作品は定石であるはずのこの構図を完全に否定する。驚いた。 登場人物はことごとくどこかしら壊れている。まるで壊れていることが人間...

一方の集団は損得野郎。プラグマティックに、冷徹に、システムへ媚びへつらう利己野郎。とすればもう一方はイノセント、正義、損得を顧みず利他的であるはず。 この作品は定石であるはずのこの構図を完全に否定する。驚いた。 登場人物はことごとくどこかしら壊れている。まるで壊れていることが人間としての最低条件かのようだ。 正義を貫くためには精神が壊れていくのはわかる。しかしそうではなく、精神があらかじめ損なわれて傷ついていないと正義は成しえないという前提にまで持っていく。 あくまでも虚構としてのカリカチュアであるが、果たして現実とどれだけ乖離しているかを考えると空恐ろしくなる。 愛や正義や自由や平等をうたっていくには壊れるしかない、もしくはすでに壊れているのかもしれない。 女刑事に救いと曖昧さを残すべきだったのではないか。魅力的な不思議ちゃんとして、どうみても、どこかおかしいのだが、過去は明らかにせずにすべきではなかったか。 そうすればこの女刑事は「神」を纏うことができたかもしれない。救いを担えたかもしれない。パフェ好きの神なんて今時じゃないか。

Posted byブクログ