キネマの華 の商品レビュー
まさに「木守り」のような人生をおくった千鶴。冬枯れの木にひとつ残された柿の実は、ひとり息子のようでもあり、自分自身のようでもある。そして愛憎乱れ最後に残った鈴子。最後の実がもたらす日々の生活への影響、人生のベクトルを見届ける。これも自分自身なんだな。
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昭和を生きたある女優の生涯を描いた作品。全体的に暗く、ほとんど救いがない。表面上は華やかな女優の内情、たかってくるが切り捨てられない家族、通りすぎて行く男たち。なんだか似たような話を読んだことがある気がする。
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図書館でタイトル借りした一冊。 木下千鶴という一人の女優の一生。 かなり壮絶な人生なのだけれど、性格がサッパリしており、また書かれ方も同様に痛さを感じさせないと言うか、あっさりとしているので余りドロドロした感じは受けず。 昭和の銀幕のスターたちも千鶴に負けず劣らず、壮絶な道を歩...
図書館でタイトル借りした一冊。 木下千鶴という一人の女優の一生。 かなり壮絶な人生なのだけれど、性格がサッパリしており、また書かれ方も同様に痛さを感じさせないと言うか、あっさりとしているので余りドロドロした感じは受けず。 昭和の銀幕のスターたちも千鶴に負けず劣らず、壮絶な道を歩んだ人が多かったのだろうな、と想像しながら読み進めていました。 昔、父がよく観ていたテレビ『いつも波乱万丈』を 思い出し、何だか懐かしい気持ちになりました。
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激動の昭和初期に「銀幕の花嫁」と呼ばれた、女優・木下千鶴の愛と憎しみの一代記。 懐かしの昼メロドラマのような設定。女優として成功を修めながら、家族の幸せを味わうことはなかった千鶴。その影にはいつも異母妹・鈴子の姿があった。一方、身体を病んだ鈴子の視点は一切描写されないものの、千鶴...
激動の昭和初期に「銀幕の花嫁」と呼ばれた、女優・木下千鶴の愛と憎しみの一代記。 懐かしの昼メロドラマのような設定。女優として成功を修めながら、家族の幸せを味わうことはなかった千鶴。その影にはいつも異母妹・鈴子の姿があった。一方、身体を病んだ鈴子の視点は一切描写されないものの、千鶴以上の愛憎を感じる。持つ者と持たざる者、そして持ったからといって幸せとは限らない人生の不可思議さ。表面だけでは分からない奥の深い作品である。
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「愛憎」って、紙一重というよりほぼ同義なんだろう、とそう思う。 芸者の子として産まれた少女が女優としてのし上がり、腹違いの兄妹たちとの複雑な感情に絡み取られつつ駆け抜けた生涯。たった5年、同じ家で過ごしただけの兄妹たちになぜここまで搾取され続けなければならないのか。ひどすぎる。ひ...
「愛憎」って、紙一重というよりほぼ同義なんだろう、とそう思う。 芸者の子として産まれた少女が女優としてのし上がり、腹違いの兄妹たちとの複雑な感情に絡み取られつつ駆け抜けた生涯。たった5年、同じ家で過ごしただけの兄妹たちになぜここまで搾取され続けなければならないのか。ひどすぎる。ひどすぎるよね。でも切ろうと思えば切れるその関係をもしかすると、そんな関係であったからこそ千鶴は必要としていたのだろうか。 昭和の時代の「映画」という世界。華やかで広いその世界と、千鶴が抜け出せない狭い「家族」という世界。二つの世界がぐるぐると渦巻いて一人の女を翻弄する。愛と憎の渦の中で千鶴が本当に求めていたのはいったい誰の手だったのだろう。 そして最低の、ひどい女として描かれる鈴子が最後まで求め続けたのは千鶴そのものだったのかも。
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激動の昭和初期、「銀幕の花嫁」と呼ばれる女優・木下千鶴は、清楚な外見とは裏腹に勃興期の映画業界で成功を収めていく。だが彼女には、少女時代に別れて以来、一度も会うことのない美しい異母妹がいた。大スタアの生涯から消えることのない十歳から十五歳のたった五年間の記憶とは。『流転の薔薇』改...
激動の昭和初期、「銀幕の花嫁」と呼ばれる女優・木下千鶴は、清楚な外見とは裏腹に勃興期の映画業界で成功を収めていく。だが彼女には、少女時代に別れて以来、一度も会うことのない美しい異母妹がいた。大スタアの生涯から消えることのない十歳から十五歳のたった五年間の記憶とは。『流転の薔薇』改題。
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