日本の森列伝 の商品レビュー
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ものすごくわかりやすいし森についてこんなに理解を深められたのが嬉しい。 登山が好きで、景色とともに植物に関心が湧き始めたのもこの本から。何度も読み直したい一冊です。
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日本には森が多い。国土の7割が森林で、その6割は天然林だ。 天然林だからといって、人の手がいっさい入らないわけではない。 森はかつて、恵みの場所であったし、もう少し強く言うと収奪の場所でもあった。 ブナは地球が、日本列島が暖かくなるにつれて北上し、やがて北海道に上陸する。 ...
日本には森が多い。国土の7割が森林で、その6割は天然林だ。 天然林だからといって、人の手がいっさい入らないわけではない。 森はかつて、恵みの場所であったし、もう少し強く言うと収奪の場所でもあった。 ブナは地球が、日本列島が暖かくなるにつれて北上し、やがて北海道に上陸する。 なんとか上陸したブナは勢力を広げていくが、人間がやってきて開拓という収奪にあう。 さらに、ニシンの大漁が続き、加工のために薪がいる、ということでブナはさらに伐られていく。ニシンはある頃からぱったりととれなくなる。ブナを伐採したことによる、森から海への滋養がなくなったからだ、という説もある。 因果応報。 この話は有名だが、他にも多数の人と森の関わりが多く書かれている。ブナとニシンの話だけみれば、伐採は悪いことのように見えるかもしれないが、人工林や二次林は人手が入らなければかえって荒れることも知られているし、天然林であっても、人間が更新に手を貸してきた面もある。 人はつい数十年前まで、綿々と森に関わって生きてきたはずだが、都市部だけでなく、田舎に行っても森は林業家以外には無縁の存在になっている(山ガールとかは、森の更新にはあんまり関係ないだろうし)。 天然林にビジネスチャンスがある、なんていう気はまったくないが、身の周りにこれだけあるかつての大資源を、せめて顧みる教養は持ちたいなあ〜、なんて、この本を読んで思うのだった。
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