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サファイア の商品レビュー

3.8

186件のお客様レビュー

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    27

  2. 4つ

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  3. 3つ

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湊かなえの短編集

一つ一つの物語が宝石に関係している短編集。 切ない話から、少しゾワッとする話までありました。 読みやすくサクサク読み進めることができました。 個人的にはサファイアが切なくて好きです。

鹿内美保

2024/03/06

久しぶりの湊かなえ作品。 あーこれこれ‼︎めっちゃ面白い。 宝石にちなんだお話の短編集なのだけれど、バリエーションの豊富さに改めて尊敬です。

Posted byブクログ

2024/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに湊さんの作品を読みました(7カ月ぶり)。 これがまた、するすると読める、非常に読み口の良い短編集。楽しいのでサクっと一日で読了でありました。 この人もやっぱり、すごいストーリーテラーですよ。 ・・・ イヤミスだ何だ言いますが、兎に角面白い。話の構成やツイスト、はたまた連作となっていたり、話の筋も豊富で、そのどれもがすごい。 その中でデフォルト設定となっているのが、「女性」でしょうか。湊さんの作品では母と子の関係を軸に話が展開することが多いのですが、本作は宝石の名前に模して、その名にふさわしい女性とストーリーが展開されるものです。 以下、タイトルと共に概要もお知らせします。 真珠・・・自称「昔は結構モテた」というおばさんの独白。それを聞く男性。次第に全貌が浮かび上がるおばさんの狂気。果たしてこのおばさんと聞き手の男性との関係とは。 ルビー・・・特殊な老人ホームに滞在する「おいちゃん」とその裏の畑で作物を育てる家族とのほっこりする物語。老人ホームの性格や「おいちゃん」の正体やいかに。都心から実家に戻った長女が気づくその実態とは。歴史テイストあふれる物語。 ダイヤモンド・・・とある初老の男性がプロポーズに送るダイヤモンド。当の男性、道端でうずくまる雀を助けたことから、「雀の恩返し」を受けることに。「恩返し」が暴く「ダイヤモンド」の醜さとは。幻想系。 猫目石・・・3人家族の家庭に迷い込む隣家の猫。これをきっかけに隣家の奥さんはこの家族への干渉を始める。3人家族は崩壊するのか? ツイストが効いたホラー系。 ムーンストーン・・・議員の夫を殺め留置される女性。彼女の回想をベース物語は展開。そして別の筋ではとあるいじめられっ子の話。二つの筋が交わる結末には一抹の希望が。 サファイア・・・引っ込み思案の女性が出会った初めての彼氏。ものを欲しがらないように自制していた彼女が初めて出会った彼氏に言った欲しいもの。そのために彼氏はこの世を去ることになる。悲恋系。 ガーネット・・・サファイアからの連作。彼氏亡き後、その真相を小説として発表した元彼女。その過程で見えてきた彼のアクションや心根、そして彼女の怨恨や悲しみのほぐれが描かれる。 ・・・ ということで、実にキレイに読める作品でした。 上からものを言うようであれですが、完成度の高い、美しい読み口のよい作品群であったと思います。言い方を変えれば「クセが足りない」と言えなくもありませんが。 でも、万人が楽しめる、そして多種多様な作品を収録している楽しい作品であったと思います。

Posted byブクログ

2023/11/02

湊かなえさん作品の中でも「イヤミス」感が少なめだと思うので、初心者さんにも読みやすいのでは…! でもその中でも彼女の魅力とも言える「人間の闇/醜さ」みたいなところはやはりしっかり描かれていて、人間とはどういう生き物なのか考えさせられるなと思います。

Posted byブクログ

2023/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ごめんなさい…実は「湊かなえ作品」=「後味が悪い」そういう印象があります。 でもそう思いながらも買ってしまうのは結局は面白いからだと3冊目ぐらいからは諦めて買ってしまう…(笑) だからいつもおっかなびっくり読むのです。 今回はいい意味で期待はずれ。後味が悪いなんてとんでもない!いろんな湊作品に会えました。 私が1番好きなのは「ムーンストーン」。 小百合が英語教師に「気を取り直して、って言う言い方はおかしいと思います。」で始まるセリフ。これはよかった!!なんとも溜飲が下がる! ありがと~う!下がりすぎたよーーー!!(笑) 気持ちよくて何度も読み返してしまった。なんだか私の日常のモヤモヤも一緒に吹き飛んだ気がします! (2023/10/8、他の読書管理サイトからお引越し。レビューは読了当時の記録。)

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2023/09/27

久々に読んだ湊かなえさんは湊かなえさんでした。 明るく軽い本を読んでいたわたしにとって、はじめ重くて暗い質量にグッときました。 ただ、不思議なことに、最後は泣いていました。 解説の児玉憲宗さんのお話がこの文庫本のバランスを見事にとってくれていました。

Posted byブクログ

2023/09/01

不穏な空気がずっと流れていたのに意外と最後に救いがある話が多くてびっくりした。なんでこんなにずっと不穏な感じを出せるのか。

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2023/08/21

それぞれ宝石の表題がついた短編が7つ。 最後の「サファイア」から「ガーネット」のみ続きもののようになっていて、「サファイア」のみ読んだ時には悲しく切ない読後感だったのが、ガーネットまで読むことで少し昇華できるようになっていて良かった。

Posted byブクログ

2023/08/15

湊かなえ作品は、やきりれない感情と終着点のない後悔の印象が大きかったけどイヤミスじゃない物語も素敵。彼女を通して見える世界の話、とても好き。ダイヤモンドは東野圭吾っぽいなと思った(男性一人称だからかも)

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2023/08/03

湊かなえさんの短編集 真珠 ルビー ダイヤモンド 猫目石 ムーンストーン サファイア ガーネット イヤミスの女王などと評される湊かなえさんだが、本作ではその範疇に留まらず、予想外(といっては失礼だが)に希望すら感じる物語や、人間の愚かさや醜さ、或いは愉しさ等、実に沢山の引出し...

湊かなえさんの短編集 真珠 ルビー ダイヤモンド 猫目石 ムーンストーン サファイア ガーネット イヤミスの女王などと評される湊かなえさんだが、本作ではその範疇に留まらず、予想外(といっては失礼だが)に希望すら感じる物語や、人間の愚かさや醜さ、或いは愉しさ等、実に沢山の引出しを持っておられる作家さんだと敬服した。 7つの物語、一つ一つの短編が実に個性豊かで味わい深く、読後に解釈を共有したくなる様な面白さを秘めていた。 特に私が印象に残ったのが、以下2作品 まるで雀の恩返しのような「ダイヤモンド」と2人の女性の過去と現在が交差する「ムーンストーン」 小説のタイトルである「サファイア」は続編ともいえる「ガーネット」により完結するが、その作風もさることながら結末の救いに驚かされた。 短編らしからぬ趣を待った個性豊かな7つの物語で、改めて湊かなえさんの魅力に気付かされた。 読後感の穏やかで心温まる作品もいいが、この独特な刺激と余韻が癖になりそうな作家さんだなぁとしみじみ感じた。

Posted byブクログ