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キャパへの追走 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2017/10/29

沢木耕太郎がキャパが撮った写真の場所を訪ね、同じ構図で写真を撮り比べてみたい、として文藝春秋に長期に渡り連載されたものに、新しい写真を加えてまとめたもの。 著書「キャパの十字架」で、キャパの代表作「崩れ落ちる兵士」は、本当に撃たれた兵士を撮ったものではないという説を立てた沢木のキ...

沢木耕太郎がキャパが撮った写真の場所を訪ね、同じ構図で写真を撮り比べてみたい、として文藝春秋に長期に渡り連載されたものに、新しい写真を加えてまとめたもの。 著書「キャパの十字架」で、キャパの代表作「崩れ落ちる兵士」は、本当に撃たれた兵士を撮ったものではないという説を立てた沢木のキャパへのオマージュ。インドシナで亡くなる直前に滞在していた日本・東京駅の写真から始まるこの本には、沢木のキャパに対する熱い思いが溢れているように感じる。

Posted byブクログ

2017/10/23

第2次大戦に活躍した写真家ロバート・キャパを追いかけるノンフィクション。 キャパは沢木さんのライフワークなんでしょうね。翻訳もいくつかあるようですし、この作品の発端になった「キャパの十字架」もあります。 「キャパの十字架」がキャパの1枚の写真”崩れ落ちる兵士”の謎について400頁...

第2次大戦に活躍した写真家ロバート・キャパを追いかけるノンフィクション。 キャパは沢木さんのライフワークなんでしょうね。翻訳もいくつかあるようですし、この作品の発端になった「キャパの十字架」もあります。 「キャパの十字架」がキャパの1枚の写真”崩れ落ちる兵士”の謎について400頁を費やした作品なのに対し、こちらは39枚の写真が撮影された場所を訪ね、同じアングルで写真を撮るという企画です。そして1枚の写真に数ページの文章が付けられています。 実はもっと紀行文的な作品だと思ったのです。各地を訪問し、そこで触れた文物について語る。それも沢木さんの得意分野です。しかし、実際には文章のかなりの部分がキャパの行動記録です。沢木さんのキャパに対する思い入れの強さなのでしょうが、とはいえキャパの人間性にまで踏み込んでいるところは少なく、伝記としては不十分です。キャパやその写真に思い入れがある人には楽しめるかもしれません。でも私にとってはキャパを知るという事にも、紀行を楽しむという意味でも中途半端に感じました。 写真も小さすぎます。多分そのせいでしょう、沢木さんの言う「凄さ」が伝わってこないのです。 大好きな沢木さんなので期待していたのですが、ちょっと残念です

Posted byブクログ

2017/08/21

「崩れ落ちる兵士」。スペイン内戦時に撮影された1枚の写真は、 素寒貧だったユダヤ系ハンガリー人の成年を一躍有名にした。 ロバート・キャパ。40歳でインドネシアに散った写真家を代表する 作品は多くの謎を秘めていた。たった1枚の写真の真実を追う旅 を描いたのが2013年に発...

「崩れ落ちる兵士」。スペイン内戦時に撮影された1枚の写真は、 素寒貧だったユダヤ系ハンガリー人の成年を一躍有名にした。 ロバート・キャパ。40歳でインドネシアに散った写真家を代表する 作品は多くの謎を秘めていた。たった1枚の写真の真実を追う旅 を描いたのが2013年に発行された『キャパの十字架』だ。 本書はその姉妹編というところか。40年という生涯のうちにキャパ が遺した作品のなかから39の写真が撮影された場所を訪ね、 キャパの足跡を追っている。 前作の『キャパの十字架』もだが、私の紀行文のバイブル『深夜 特急』に始まり、沢木さんの旅は本当に憧れるわ。 写真に切り取られた風景や建物を頼りに、列車に乗り、バスに乗り、 タクシーに乗り、街を歩く。 そして、その当時のキャパを思い、撮影された時代を考える。なんて 贅沢な旅なんだろう。 勿論、キャパが撮影した頃と、沢木さんがその街を訪ねた時期では 風景も建物も違っている場所もある。それでも、当時のままの姿で 残る場所があるんだよね。 キャパが立った場所、その同じ場所に立つ。いいなぁ、私もやりたいわ。 但し、時間とお金があって、言葉が出来れば…だけど。 どの章も味があっていいが、「雨のパレルモ」と題されたシシリー島で の話がいい。レストランのウェイターは粋だし、写真を片手に街の風景 を見比べているとワラワラと人が集まって、車が通れなくるほどの黒山 の人だかり。 その時、沢木さんが手にしていたのは第二次世界大戦時にシシリー島を 解放した連合軍を、歓呼で迎える人々を写した写真。偶然にも沢木さん も、シシリーの人々に取り囲まれちゃったのね。 終章はキャパ終焉の地であるインドネシアではなく、ニューヨーク郊外 にあるキャパの墓。この墓地への巡礼の文章が途轍もなく素晴らしい。 読み終わって、しばらくの間、感慨に耽った。 キャパを追う、長い長い旅。沢木さんの裡では、本書で一旦、ピリオド なのかもしれない。

Posted byブクログ

2017/07/02

この本は、「キャパの世界、世界のキャパ」という文藝春秋での連載を1冊の本にまとめたものです。この連載では、キャパが撮った有名な写真の現場に行き、同じような構図で撮った写真を並べて載せたものです。 しかしこの連載の真の目的は「崩れ落ちる兵士」が取られた場所を特定し、本当に兵士が打...

この本は、「キャパの世界、世界のキャパ」という文藝春秋での連載を1冊の本にまとめたものです。この連載では、キャパが撮った有名な写真の現場に行き、同じような構図で撮った写真を並べて載せたものです。 しかしこの連載の真の目的は「崩れ落ちる兵士」が取られた場所を特定し、本当に兵士が打たれた写真なのかという疑問の答えを出すというもので、その答えは、「キャパの十字架」という別の連載となったそうです。 筆者も言っていますが、「キャパの十字架」はスピンオフの作品ということになるものの、どちらが「本体」でどちらが「派生物」かを判定するのは、難しいところがあります。 この本では、気の赴くままに世界各地をまわり、写真が取られた場所を探し出すという感じで、キャパの十字架のような切迫感がありません。だからと言って面白くないわけではなく、気軽に紀行文を読む感じで、なおかつ作者のキャパへの思いも感じられる本です。沢木耕太郎のロバート・キャパへの思いが伝わる本です。

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2017/06/17

考えてみれば、capaというカメラ雑誌があるのは知っていたけれども、それが写真家に由来しているものだとは知らなかった。 戦火でしか自分らしい表現できなかったキャパ。その疾走は40年と短いものだった。自分ももう40を超えたが、これだけ濃密な人生を歩んでいるだろうか。

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2018/09/11

伝説的存在として今も語り継がれるカメラマン、ロバート・キャパ。 その代表作の一つ「崩れ落ちる兵士」の謎を追ったノンフィクション作品、『キャパの十字架』。 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4163760709 印象深かった...

伝説的存在として今も語り継がれるカメラマン、ロバート・キャパ。 その代表作の一つ「崩れ落ちる兵士」の謎を追ったノンフィクション作品、『キャパの十字架』。 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4163760709 印象深かったこの作品の著者、沢木耕太郎が、「キャパの写真が撮られた地に行き、同じような写真を撮る」という雑誌の企画。 その連載をまとめたのが、この作品です。 先にこの企画があり、その中で「崩れ落ちる兵士」の部分だけで膨大な内容になったため、『キャパの十字架』にまとめたというのが、制作上の順番だったそうです。 本書ではまず、キャパの生涯を俯瞰するような形で振り返っています。 以降は雑誌連載時の文章をベースに、1枚の写真について数ページのボリュームで、その写真が撮られた背景と、著者が撮影地を探す過程が描かれています。 「戦争」という題材を得た時に、特に輝くキャパの写真。 そのため、戦地を求めるように活動拠点を転々とする、キャパ。 そして名声が高まるにつれて、派手な生活をするようになったキャパの生涯が、再現されていきます。 読み進めていくうちに、20世紀の前半がどのような時代だったのか、匂いを感じとれたような気持ちにもなれませいた。 写真に興味がある人、旅が好きな人には、ひっかかりのある部分の多い、一冊だと思います。   『一〇三歳になってわかったこと』篠田桃紅 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4344027531    .

Posted byブクログ

2015/09/08

著者個人のライフワーク実現のために出版社企画に乗った結果、かなり情緒(エッセイ?)に寄った紀行本に仕上がっている。往年の切れ味抜群のノンフィクションを期待して読むと、肩透かしを食うかもしれない。

Posted byブクログ

2015/07/01

キャパが撮った写真と同じ場所を探し、同じ構図で著者が写真を撮るという、紀行ノンフィクション。サワーキさんらしい。 「キャパの十字架」でキャパの写真見たいとか感想書きながら忘れている。「ちょっとピンぼけ」読もう。

Posted byブクログ