狼のようなイルマ の商品レビュー
バイクの描写、毒を扱う殺し屋、大陸から来た黒社会の男、戦闘シーンや物語の構成などは楽しめました。 ただ、人物の内面や組織の構造などが薄っぺらいな〜と思い最後の方は飛ばし飛ばし。エンタメとしては面白かったのですが、心に残るかというと微妙かな。 ①女刑事イルマについて すでにサイコ...
バイクの描写、毒を扱う殺し屋、大陸から来た黒社会の男、戦闘シーンや物語の構成などは楽しめました。 ただ、人物の内面や組織の構造などが薄っぺらいな〜と思い最後の方は飛ばし飛ばし。エンタメとしては面白かったのですが、心に残るかというと微妙かな。 ①女刑事イルマについて すでにサイコパスの常守朱、攻殻機動隊の草薙素子、吉川さんの新井琴音刑事などいろんな女刑事がいる中で、警察としてのバックグラウンドも、女としての共感のポイントも、男社会での苦悩も感じられず…隣にはいい感じの若い男がいて、理解のありすぎる上司もいて、刑事としての思想や苦悩も特に感じられず、好きでもなければ嫌いにもなれないようなキャラクターでした。主人公なのになぁ。無念。 ②3つの勢力のぶつかり合い この小説内では警察含めると4つの個人・勢力がぶつかり合うのですが、動機を突き詰めていくとあまりにすべてが利己的…個人の思いや思想に終始していて、ここまで広げるならもっとイデオロギーの対立など見せてくれても良かったなと思います。 大陸まで風呂敷を広げてリアリティも細部までこだわっている、戦闘シーンの描写も秀逸です。ただ、その奥底にある個人が内包するイデオロギーや思想、感情がいまいちだったため、ラストシーンも一緒に盛り上がりきれず先が読めてしまった段階で流し読みになってしまいました。イルマ刑事の萌え小説だったのかな?とも思うのだけど、それにしてはイルマ個人の掘り下げも少なく、なんなら周りからの評価と内面と立場が一致しておらず、彼女に萌えるのはわたしには無理でした。
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事件が本筋じゃないんだ。主人公の捜査一課の二輪車を乗り回すとんでもない女刑事イルマ、毒を扱う殺し屋の蜘蛛、中国の黒社会の殺し屋の低温、この3人が紡ぎだす濃厚なドラマなのだ。イルマが持つ心の傷、蜘蛛の異様な人物像、低温の凄惨な生い立ち、それぞれを詳細に描き出し、強烈で疾走感に溢れる...
事件が本筋じゃないんだ。主人公の捜査一課の二輪車を乗り回すとんでもない女刑事イルマ、毒を扱う殺し屋の蜘蛛、中国の黒社会の殺し屋の低温、この3人が紡ぎだす濃厚なドラマなのだ。イルマが持つ心の傷、蜘蛛の異様な人物像、低温の凄惨な生い立ち、それぞれを詳細に描き出し、強烈で疾走感に溢れる読後感を残してくれた。
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女性刑事を主人公にした話はいくつもあるけれど、これはその中でも尖ってる方だと思う。ある意味、現実的ではないということなんだけど、読み物としてはそれで良いと思う。続きも読みたいと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
イルマは警視庁捜査一課の女性刑事で警部補。 高校生の頃に年の離れた弟を過失で亡くしてから自暴自棄気味に自らの危険も顧みない働き方で検挙率を上げてきた。 事件はIT業界の大物と中国ギャングとの確執からの事件に挑むイルマ。 色々なキャラの立った登場人物が面白い。 ステレオタイプではあるが物語にマッチしているので素直に読み進めることが出来る。
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誉田さんの本の中に出てくる女刑事キャラを1つにまとめたようなイルマ。でもこういう強いけど脆いひとが戦う話ってどうしても引き込まれてしまう。
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クロハシリーズの世界観と通底しているものはあれど、こちらの主役の刑事イルマはクロハよりも生きている感じがする。個人的にはクロハには敵わないけれどこちらも好きなので、シリーズ化したらぜひまた読みたい。
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クロハシリーズの著者の新シリーズ。 今回も同じ女性刑事と言うことで、あんまり新鮮さは感じられず・・・コロコロ変わる視点もちょっと読みにくかったり、地理的な説明が不足していて、位置関係を想像しにくかったり・・・それにしても、今回の主人公・イルマはタフ過ぎる。普通、これだけ事故に遭っ...
クロハシリーズの著者の新シリーズ。 今回も同じ女性刑事と言うことで、あんまり新鮮さは感じられず・・・コロコロ変わる視点もちょっと読みにくかったり、地理的な説明が不足していて、位置関係を想像しにくかったり・・・それにしても、今回の主人公・イルマはタフ過ぎる。普通、これだけ事故に遭ったら、そんなに活躍できないでしょ!と突っ込みを入れたくなるくらい。
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