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幻獣辞典 の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2022/06/07

本書の初邦訳は1974年。さる新聞のコラムで存在を知って購入。 日本を含む世界の空想上の動物たちが有名どころ(ガルーダ、バハムート等)から良く分からないもの(ある雑種、球体の動物等)まで幅広く紹介されている。絵はあまりなく、自分で想像を膨らませることが好きな方向け。 読むというよ...

本書の初邦訳は1974年。さる新聞のコラムで存在を知って購入。 日本を含む世界の空想上の動物たちが有名どころ(ガルーダ、バハムート等)から良く分からないもの(ある雑種、球体の動物等)まで幅広く紹介されている。絵はあまりなく、自分で想像を膨らませることが好きな方向け。 読むというより、永く本棚において時々ページを繰る、という楽しみをするのが良いと思う。

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2022/04/20

神話から小説まで、世界中の幻獣たちを120項目取上げて一冊にまとめた有名な辞典。一気に読むというよりも、時々開いてぱらぱら読むのがちょうど良い。例えばトロールが時代と共に、また地域によってどう変わったかといった例を語り、イプセンが「ペールギュント」で描いた愛国主義者のトロールは都...

神話から小説まで、世界中の幻獣たちを120項目取上げて一冊にまとめた有名な辞典。一気に読むというよりも、時々開いてぱらぱら読むのがちょうど良い。例えばトロールが時代と共に、また地域によってどう変わったかといった例を語り、イプセンが「ペールギュント」で描いた愛国主義者のトロールは都合の悪いものを見せないためにペールの目をくり抜こうとするといった話も付け加わる。ボルヘスの仕事ぶりには恐れ入る

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2020/05/12

小説家、詩人であるボルヘスが、様々な本を渉猟して集めた想像上の生き物をまとめた本。現在ではゲーム、特にファンタジー関連で登場するモンスターなどが、そもそもどのような歴史と原形を持っていたのか、知ることができる。自分の知識に深みを持たせたいなら。

Posted byブクログ

2019/07/06

ボルヘスが古今東西の神話や文学作品から引く幻想動物群の辞書式排列、1974年。ウロボロス、ケルベロス、サラマンドラ、マンドレイク、ゴーレム、サテュロス、ミノタウロス、トロール、ガルーダ、キマイラ、クラーケン、バジリスク、アケローン・・・、どこかで目にした名前が並ぶ。 「オドラデ...

ボルヘスが古今東西の神話や文学作品から引く幻想動物群の辞書式排列、1974年。ウロボロス、ケルベロス、サラマンドラ、マンドレイク、ゴーレム、サテュロス、ミノタウロス、トロール、ガルーダ、キマイラ、クラーケン、バジリスク、アケローン・・・、どこかで目にした名前が並ぶ。 「オドラデク」 数ある幻獣の中でも、カフカのオドラデクは奇想として抜きん出ていると感じる。その形態が不可解なだけでなく、それが存在しているという世界そのものがまるで意味が分からない。 「バハムート」 世界の成り立ちやその起源を説明するためにそれぞれの文化が持ち出してくる動物たちの物語も興味をそそる。世界の土台のそのまた基層をなす巨大魚バハムートが自らまばゆい光を発しているがために人間には不可視である、という筋立ては示唆的だ。無限遡行を回避し、第一原因の実体化という形而上学をも否定しようとするなら、このように"人間理性の限界"を設定するしか方途はないのではないか。 その他、「ミルメコレオ」「墨猴」などに意表を突かれた。「コンディヤックの感覚の立像」「プラトン年」については本書で初めて知り、好奇心を刺激された。 □ 本書を読んでいて思いを巡らさずにはいられなかったのは、古代人にとって「実在」と「象徴」とはどのように区別されていたのか、ということ。近代的な実証主義を通過した現代人にとって、「現実の存在」と「想像上の存在」とは截然と区別される。しかし、mythos による世界理解がまだ優勢であった古代人にとっては、「象徴」もまた同様に「現実的な存在」であったのか。経験的事実に裏打ちされた事象のみが「実在」の資格を有すると見做す実証主義は、必ずしも普遍的なものではなく、歴史的に相対化されるものだということを改めて思い返した。 本書でしばしば参照される古代ローマの百科全書『博物誌』を物したプリニウスの眼に、世界はどのように映っていたのか。古代人にとって「虚構」とは何だったのか。そもそも古代人に「虚構」というものが在り得たのか。「虚構」という観念の歴史的起源はどこに設定されるのか。我々が幻想小説やSF或いはオカルトや都市伝説の類を面白がるというようなアイロニカルな構えは、やはり随分と現代的なもののように思われる。 □ 知識とは、その存在価値をその有用性によって測られる類のものではない。そもそも存在価値の有無を追及されるべきものですらなく、そうした追及に応答する義務もない。そうではなくて、集積され分類され排列された知識群は、その内容とは無関係に、それが lexicographical に整列配置されているというその存在形式ゆえに、美的なもので在り得るということ。そしてそこに美的なものを感じ取る感性が在り得るということ。ボルヘスのアンソロジーはそうしたことを気づかせる。図書館とは、まさにこうした知識群の美的な在りよう――カタログ化の美学、アーカイヴ化の美学とでも呼ぶべきもの――を具現化していると云えるのではないか。 「誰しも知るように、むだで横道にそれた知識には一種のけだるい喜びがある」

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2018/06/10

絶版のを読んだことはあったけど、新しい表紙が好みで買ってしまった。 物語の種であるボルヘスの、さらにその種という感じ。彼の編む怪奇譚集系に共通する、あの感じです。

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2018/03/26

「ちんばのウーフニック」が「足萎えのウーフニック」になってゐる他は、別に前の奴と一応同じ。スズキコージ大先生のチェシャ猫とか商羊、アルゼンチンの怪物はなんか来るのでそれもよかったのだが、スクォンクの絵他、増補改訂版な図像が入ってるので買ってしまった。  フランツ・カフカの書く生き...

「ちんばのウーフニック」が「足萎えのウーフニック」になってゐる他は、別に前の奴と一応同じ。スズキコージ大先生のチェシャ猫とか商羊、アルゼンチンの怪物はなんか来るのでそれもよかったのだが、スクォンクの絵他、増補改訂版な図像が入ってるので買ってしまった。  フランツ・カフカの書く生き物が結構あるのがなんか気になる。

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2016/08/24

再読。 国内のこの手の本だと、ゲームに出てきそうなキャラクターしか載っていないことが多いのですが、さすがに古典というか、世界中から幅広くキャラクターを集めてきています。 名前のない幻獣も載っているのが特徴的。 事典としては収録数が少ないため役に立つかどうかはわかりませんが、愉しめ...

再読。 国内のこの手の本だと、ゲームに出てきそうなキャラクターしか載っていないことが多いのですが、さすがに古典というか、世界中から幅広くキャラクターを集めてきています。 名前のない幻獣も載っているのが特徴的。 事典としては収録数が少ないため役に立つかどうかはわかりませんが、愉しめる本でした。

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2016/05/10

ボルヘス入門に手に取ってみた。 辞典と言えど体系的な解説がある訳ではなく、古今の文献からの引用で構成されるのでよくわからないものもしばしば。それでもゲームや小説でお馴染みの空想上の生物の由来がわかって面白く読めた。 かなりの頻度で引かれる、名前だけは知っていたプリニウスの科学的に...

ボルヘス入門に手に取ってみた。 辞典と言えど体系的な解説がある訳ではなく、古今の文献からの引用で構成されるのでよくわからないものもしばしば。それでもゲームや小説でお馴染みの空想上の生物の由来がわかって面白く読めた。 かなりの頻度で引かれる、名前だけは知っていたプリニウスの科学的に誤謬だらけの説明には失笑。

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2016/04/29

古今東西の化け物、モンスター、幽霊、神獣の類を一堂に解説した書籍。 図表や資料写真もあるが、読む以前にはもっとオドロオドロしいという意味で楽しめるものかと勝手に想像していたが... 人間の想像力・妄想力の逞しさを、これでもかと示す文章が延々と続くのには、ちょっと(かなり)疲れまし...

古今東西の化け物、モンスター、幽霊、神獣の類を一堂に解説した書籍。 図表や資料写真もあるが、読む以前にはもっとオドロオドロしいという意味で楽しめるものかと勝手に想像していたが... 人間の想像力・妄想力の逞しさを、これでもかと示す文章が延々と続くのには、ちょっと(かなり)疲れました...。

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2015/11/21

ハードカバーを買おうと思いつつ幾歳月。気がつけば文庫になってたのでようやく購入。文庫になってよかった。ずっと読み続けるとひどく疲れるので、携帯して何かの合間合間にちまちま数章読む進めることでなんとか読了。ハードカバーだとたぶん途中で気が向いたら読もうになってそのまま放置してただろ...

ハードカバーを買おうと思いつつ幾歳月。気がつけば文庫になってたのでようやく購入。文庫になってよかった。ずっと読み続けるとひどく疲れるので、携帯して何かの合間合間にちまちま数章読む進めることでなんとか読了。ハードカバーだとたぶん途中で気が向いたら読もうになってそのまま放置してただろう。

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