狂おしい夜 の商品レビュー
暴漢に襲われ記憶喪失をなくしてしまった主人公のもとに「自分が恋人だ」と言う男性二人と、「自分は夫だ」と言う人が一人現れます。途中主人公を狙うストーカーと、主人公の遺産を騙し取ろうとする人物の存在が明らかになり、誰が恋人で、ストーカー、詐欺師なのか、そして暴漢の犯人は…という展開が...
暴漢に襲われ記憶喪失をなくしてしまった主人公のもとに「自分が恋人だ」と言う男性二人と、「自分は夫だ」と言う人が一人現れます。途中主人公を狙うストーカーと、主人公の遺産を騙し取ろうとする人物の存在が明らかになり、誰が恋人で、ストーカー、詐欺師なのか、そして暴漢の犯人は…という展開が繰り広げられていきます。 母親と名乗る女性まで怪しく見えてしまう含みを持たせた描写は巧いと思いましたが、記憶を取り戻すための手掛かり集めが著者の都合良くおかしな方向に進んでいきますし、早い段階で遺産相続絡みの問題だと考えていた警察の捜査も進展せず、フラストレーションを感じてしまいました。面白い話だっただけに残念です。
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暴漢に襲われ、記憶を失った女性に 次々と「恋人」や「夫」と名乗る男が現れる。 さらに、主人公を婚外子として認知した大金持ちの、 遺産相続も絡んできな臭い話が展開していく... という粗筋だが、何というか...赤川次郎ばりに 次から次へと「これでもか」と事件が起きる 「怒濤の展開...
暴漢に襲われ、記憶を失った女性に 次々と「恋人」や「夫」と名乗る男が現れる。 さらに、主人公を婚外子として認知した大金持ちの、 遺産相続も絡んできな臭い話が展開していく... という粗筋だが、何というか...赤川次郎ばりに 次から次へと「これでもか」と事件が起きる 「怒濤の展開」(^ ^; これを鯨氏独特の文体で書かれると、 何とも不思議な魅力のある作品に仕上がる。 鯨氏の書く本は、誤解を恐れずに言うと 「粗筋を読んでる」っぽい印象を受ける。 登場人物のセリフがとてもあっさりしていて、 心象の補足や、時にツッコミを地の文で入れる、 という文体がそういう印象を与えるのだろうか。 セリフがあっさりしているので、 登場人物によって微妙な口調や口癖の使い分けもなく、 ある意味「リアリティがない」とも言えるか。 情景描写も「デジタルな」印象で、 繊細な目線や細かい季節感などはあまり感じない。 これだけ書くと「悪口」みたいに見えるかもだが、 この粗筋っぽさは「とても映像化しやすい」 とも言える気がする。 実際に鯨作品はよくテレビドラマ化されてるようだし(^ ^ 本として読んでいるときも、あっさりしている分 「読者が勝手に登場人物や舞台を想像できる」余地がある。 「文学として完結いて感動できる」というより、 「読者のイマジネーションを刺激する」読書体験。 これはこれで中々の快感だと思います(^ ^ で、この作品も、「怒濤の展開」で盛り上がると 「ここでコマーシャルだな」みたいに、 いつのまにか脳内で勝手に「二時間ドラマ化」して 読んでいる自分に気づいたりする(^ ^ 最後の最後がちょっと強引で、無理繰りまとめた、 という感じがしなくもないので、★三つ(^ ^; 例によってミステリなので、あまり細かく内容を書けず。 あしからず(^ ^;
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