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入り海の記憶 の商品レビュー

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2020/06/07

平成27年(2015年)古代出雲歴史博物館企画展図録である。Amazonで購入。購入して分かったが、92点の主な展示品のうち、私の目的の弥生遺物は5点しかない。圧倒的に多いのは、近現代の遺物であり、次は江戸時代のモノ ‥‥(また失敗した!)。 つまり、松江の宍戸湖に代表される干...

平成27年(2015年)古代出雲歴史博物館企画展図録である。Amazonで購入。購入して分かったが、92点の主な展示品のうち、私の目的の弥生遺物は5点しかない。圧倒的に多いのは、近現代の遺物であり、次は江戸時代のモノ ‥‥(また失敗した!)。 つまり、松江の宍戸湖に代表される干潟を含む入海の歴史を回顧しようとする試みの企画展なのである。733年に編纂された「出雲国風土記」にも宍戸湖は記述されている。多様な動植物が生息していた。そこから話が始まるので、縄文・弥生時代の記述は少ない。 砂洲などで外海から隔てられた入り海は、干満差が少ない日本海側に多く発達して、天然の漁港、内水面交通の拠点として機能し、近世において新田開発で消滅したものも多い。 扱われる遺跡は島根県約10カ所、鳥取約3ヶ所、石川6ヵ所、新潟4ヶ所である。 私はやはり奈良時代の「出雲国風土記」から入海の景観を解説した所が参考になる。その景観は、弥生時代でも大きく変わらなかっただろう、と思うからである。例えば宍戸湖の秋鹿郡には、マイルカ、サメワニ、ボラ、スズキ、コノシロ、クロダイ、シラオ、ナマコ、エビなどが獲れていたと書いているのである。出雲の入海(神門水海)では、ボラ、クロダイ、スズキ、カキ、又淡水所ではアユ、サケ、マス、イグイなどが獲れていた。 ‥‥イルカはどう料理したんだろ?まぁイルカは実際は鯨の小さい種というから、鯨の味がしたと思う。 参考になるページは少ないが、そこを読むだけでもかなり疲れた。同じ値段なのに、先に読んだ「古代出雲の壮大なる交流」の4倍はあろうかという情報量があり、いったいこれは何の違いなのだろうか? ‥‥敢えて言うまい。

Posted byブクログ