1,800円以上の注文で送料無料

私は真珠湾のスパイだった の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2018/01/17

 先の大戦の折,ハワイのホノルル領事館に勤めながら,真珠湾の米軍艦の様子を逐一日本に送り続け,ついには,真珠湾への奇襲攻撃を可能ならしめた日本のスパイがいた。それが,著者の吉川猛夫である。当時は,喜多総領事以外,本当の彼の姿を知っている人はいない。偽名を使っていた。まずは,味方か...

 先の大戦の折,ハワイのホノルル領事館に勤めながら,真珠湾の米軍艦の様子を逐一日本に送り続け,ついには,真珠湾への奇襲攻撃を可能ならしめた日本のスパイがいた。それが,著者の吉川猛夫である。当時は,喜多総領事以外,本当の彼の姿を知っている人はいない。偽名を使っていた。まずは,味方から欺いていたのだ。  たった一人で,現地のFBIに怪しまれることなく数ヶ月間スパイ活動を行った,その方法などが,詳細に記されている。  ビックリしたのは,吉川本人も,自分が何の為に真珠湾の様子の報告をしているのか,知らされていなかったということだ。吉川が「日本軍は,もしかしたら真珠湾へ攻撃に来るのかも…」と思ったのは,ずっと後のことだった。  本書に書かれていることは,NHKの歴史秘話ヒストリアで初めて知った。あの番組も,おもしろかったが,やはり,本を読むと,もっといろんなことが知れて興味深い。  真珠湾攻撃後,捕まってからのことや,日本に帰ってからも逃げ回っていたことなども,また,興味深い。  元海軍少尉の吉川猛夫という一人の人間が国家に翻弄される姿は悲しいのだが,なぜか,彼の生き方に,感動も覚えるのだ。

Posted byブクログ