火星の話 の商品レビュー
火星といえば私の中では大好きな萩尾望都先生の「スターレッド」の世界観が強いけど、別の次元で佐伯さんがお姫様の王国があるのも悪くないですね。裏表紙の裏に描かれてたのは高見さんでしょうか。読み終えたら走ったりとか何か懸命に取り組まなきゃって気持ちになりました。
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現実社会で、ありえないことを自信をもって主張することはよろしくないことはわかります。自分が火星人だ、と言っても現実社会では誰も信じないでしょう。 でも、小説なら、あるのかも!えっ!本当に火星人なの?えっ!えっ!本当に?と読者に思わせておいて、盛り上げておいて、最後にこの仕打ち! 自分がただのおバカなのでしょうが、この裏切られ感は大きすぎます。著者は誰に何を伝えたかったのでしょうか?
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『図書室のはこぶね』を読んで紹介されていたので読みました!古見さんが最後までようわかんなかったけど面白かった
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佐伯さんは火星人で、国吉くんはそんな佐伯さんが好き。 青春真っ只中のもだもだ感が平和ボケの間延びした感じであまり共感できず。甘ったるいと喝を入れたい吉見さん寄り思考かな。
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『図書室のはこぶね』で紹介されていたので。 現実場面は一つ一つの文やセリフが短く、テンポよく進むのがよかった。 登場人物もそれぞれ。 終わり方も良かったと思う。 中学生〜高校生には勧めてみてもいいかも。
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『図書室のはこぶね』の作中でお薦め本とされていた作品です。 若い物語だった。良くも悪くも若い。 大人の私は終始、“嘘に決まってる“と頭の片隅で呟きながらページを捲っていました。 主人公は高校一年生の国吉君。同じクラスの佐伯さんは小学生の頃から、自分は火星人で十八歳になると王女であ...
『図書室のはこぶね』の作中でお薦め本とされていた作品です。 若い物語だった。良くも悪くも若い。 大人の私は終始、“嘘に決まってる“と頭の片隅で呟きながらページを捲っていました。 主人公は高校一年生の国吉君。同じクラスの佐伯さんは小学生の頃から、自分は火星人で十八歳になると王女である自分は火星に帰る‥‥と公言している。もちろん不思議ちゃんとしてクラスから浮きまくっている。でも、国吉くんは佐伯さんの言葉を信じることにしたのだ。 “自分は宇宙人だ“と言っていたのは『まく子』のコズエと同じ。こちらのお話では主人公はコズエの言葉を信じず、別の登場人物が、“自分は初めから疑うようなことはしない。信じていたことが本当ではなかったと分かった時に初めて傷付けばいい。それまでは信じる“という意味合いのことを言っていました。 『火星の話』では、誰一人信じない話を国吉君だけが信じます。でも、彼女を信じるのは誰のためなのか?彼女のためか?いや自分のためではないのか?と国吉君は自問自答します。10代の時の恋愛ってある意味こういうものなのかもしれないな、とも思いました。 『火星の話』『まく子』、同じような設定でありながら、まったく別のアプローチの仕方で結末もまったく違う。 どちらも“信じる“とは?と考えさせられる物語でした。 そして、無邪気に無条件で信じることができなくなってしまった大人の私に気付かされる物語でもありました。
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過不足がない。 エピソードも登場人物もみんな必要で、「ここはもっとこうしたらいいのに」というのが私には思いつかなかった。 見どころは2つだ。 まずは主人公の「僕」とヒロインの佐伯さんの関係。 佐伯さんは自称火星のお姫様で、内戦から逃れて地球に来ており、18歳になると火星に戻ら...
過不足がない。 エピソードも登場人物もみんな必要で、「ここはもっとこうしたらいいのに」というのが私には思いつかなかった。 見どころは2つだ。 まずは主人公の「僕」とヒロインの佐伯さんの関係。 佐伯さんは自称火星のお姫様で、内戦から逃れて地球に来ており、18歳になると火星に戻らないといけないという。 そして火星との通信をなぜか太鼓の達人で行っている。 「僕」は佐伯さんを変だと思いつつも少し気になっていて、ふとしたきっかけで彼女が火星の姫として暮らしている夢を見るようになる。 「僕」は火星の話を少し疑いながらも信じ始めていて、佐伯さんと交流を持つようになる。 読み進めていくと、火星の話が本当なのか嘘なのかわからなくなってくる。 佐伯さんは火星の現状を本気で憂えているようだし、でも火星の話には明らかにおかしい箇所がある。 「僕」は佐伯さんが嘘をついていると気づいていながらも付き合っているんじゃないか、佐伯さんも嘘が「僕」にばれていることに気付いているんじゃないかと深読みしてしまう。 火星の話のせいで二人の関係はずっと脆さを抱えていて、しかしそれ故に日常のシーンがとても美しく見えてくるのがおもしろい。 火星の話が真実がどうかは、ラストになって、これが何のためのどういう物語なのかを考えれば、答えは出てくると思う。 2つ目の見どころはやはりラスト。 この作品は、全体としてみれば、モラトリアム小説ということになるのだろう。 同級生の高見さんは「私も国吉君も佐伯さんも、ぬるま湯に浸かってる。それが心地いいんだけど、ずっと続くわけないってわかってる」と、それっぽいセリフを言っている。 モラトリアム小説だから、主人公が大人になる1歩をどう踏み出すかが焦点になる。 そしてそれは大抵痛みを伴う。 『火星の話』はそこに「僕」の恋心も絡んでいるからやや複雑だ。 無気力に生きている「僕」でも、佐伯さんのためにはなりたい、火星には行かないでほしいと考えることができているのだ。 でもそれもやはりまだまだ子供の考え方で……。 ラスト10ページで「僕」が今まで何をしていたのか客観的に気付く瞬間は残酷ともいえる。 著者の文章が上手く、一気に思考が整理されて、現実が突き付けられる。 昔を思い出して身につまされる思いがした。 切ない物語だったが、佐伯さんは強いし、「僕」も大人になる決意ができたようで、いい結末だ。 著者は執筆当時大学生だったそう。 登場人物が高校生とはいえ、自分とあまり変わらない年代をこうも上手く捉えることができるのがすごい。 大人になってから振り返って思春期の自分を理解することはできても、現在の自分の状況を客観的に把握することはとても難しい。 2014年デビューで本書も2015年の作品なので、まだまだこれからの作家であることは間違いないが、もし埋もれてしまうようなことになれば惜しい。 『火星の話』は『今夜、きみは火星にもどる』に改題して10月に角川文庫から出たばかりなので、ぜひ多くの人に読んでほしい。
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自分は火星にある王国のお姫様だとずーっと言い続けている、佐伯さんと、彼女に恋している佐伯さんのクラスメイトの主人公の高一の国吉くんの話。僕である国吉くんの一人称で語られる。 前半は、これはなんだ?どう言う事?と訝しながら、読むのを止めようか迷いながら、進んだ。国吉くんにちょっかい...
自分は火星にある王国のお姫様だとずーっと言い続けている、佐伯さんと、彼女に恋している佐伯さんのクラスメイトの主人公の高一の国吉くんの話。僕である国吉くんの一人称で語られる。 前半は、これはなんだ?どう言う事?と訝しながら、読むのを止めようか迷いながら、進んだ。国吉くんにちょっかいを出す高見さんが登場する後半辺りからグンと面白くなる。 でも、不思議な話しでなんだか良く分からないまま終わる。後半、よくあるテーマ、できない事を悩んでないでやりたい事やった方が人生は良いぜ、なのかなと思ったら、そうでもない。 不思議、不思議、です。
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青春小説、恋愛小説、SF。 それらの要素をミックスした傑作…となれば良かったのだが、正直どれもつかずで、視点をどこに絞っていいのか分からない。 そもそも何故火星である必要があったのか、それすらも分からず。 全て含めて、モヤモヤしたのが青春だからということも言えなくないだろうが、この本に関してはそれを言われると「言い訳」に思えてしまいそうである。 所々の風景や心理描写は上手いので、余計に残念。骨組と立ち位置がしっかりしたら、エエ小説に昇華しそうに思うのだが。
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