フィログラフィックス の商品レビュー

ジェニス・カレーラス(著者),関未玲(訳者)

2019/06/23

高校の倫理や世界史で習うような有名な主義、思想を「色」と「形」で表現している本です。さまざまな要素が複雑に絡み合い、理解しづらい一つの考えを、シンプルに可視化する事でわかりやすく内容を理解する事ができます。また、その逆に、シンプルな色と形で一つの考えをどうデザインするのかを見て、デザインの方法を学ぶことができます。 右ページには名前と関連するページが記載され、左ページ一面にその主義思想がグラフィックで表現されています。

2017/08/22

シンプルに思想を説明してあって分かりやすいし、思想をデザインしているのが面白い。矛盾しているような、ふたつの思想それぞれに納得する瞬間が個人的にあったような気がしていて、あれこれ考えつつ読むのが楽しかった。

2015/08/01

何これ面白いー。
耽美主義:人生における主たる努力はあらゆるジャンルにおいて美を創造し、楽しむことに向けられるべきという信念
禁欲主義:より高潔で賢明な生活をするために世俗的快楽を慎むような生き方

両立主義:自由意志と決定論は両立するという考え方、人生の決断そ迫られたときそれに先立つ状況が異なっていれば異なった選択をしていたかもしれないから。
構成主義:現実または現実を理解するために用いられる方法は人為的なものであり出来事を客観的に解釈しているのでなく、主観的見解にすぎないという考え方
力動説:物質世界は動力として捉えることができるという考え方。運動とその相互作用が森羅万象すべての現象の基礎をなす
インストルメンタリズム:ある知識が正しいかどうかと問うことは見当違いでむしろその有用性によって判断されるべきとする考え方
機械原因論:さまざまな日常的出来事の相互の因果関係を否定し、すべての出来事は直接的にまたは高次元の力によって引き起こされている
平和主義
構造主義

が良かった。

2015/04/28

西洋哲学の様々な主義（...ism）を、一枚の図で表現するグラフィックデザインの挑戦。

主義の簡単な説明と、幾何学的な図が見開きで示される。その図がどのように主義を表現しているのかについての解題の文章はついていない。

なんとなく気持ちはわかるな、というものから、意味不明のものまでいろいろある。

ほとんど地に色がついているので、「白」が概念における中心的なものを示すというのが面白い。

時間は左から右へ
序列は上から下へ
感情は口の形で（シニシズムと幸福主義）
桃色は性的なもの
などの記号体系がある。

アルファベット順になっているので、ページを示して相互参照がされているけれども、主義間の関係はよみづらい。

95枚を貼り出した、一枚の地図があるといいな。