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夏目漱石、読んじゃえば? の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2023/05/24

漱石の作品を通じ「小説」の本質に迫るとても良い本で、出会えて良かった。絵画のような小説と音楽のような小説がある、という分析は面白い。小説を書く人は、この本に気づかされることがあるかもしれない。 どこから読み始めてもよい、読みたい部分だけ読めばよいなど、既存の読書の固定観念を覆すよ...

漱石の作品を通じ「小説」の本質に迫るとても良い本で、出会えて良かった。絵画のような小説と音楽のような小説がある、という分析は面白い。小説を書く人は、この本に気づかされることがあるかもしれない。 どこから読み始めてもよい、読みたい部分だけ読めばよいなど、既存の読書の固定観念を覆すような「読書の仕方」を提案してくれるため、読書のハードルも下げてくれる。 人と人とのコミュニケーションの本質にも踏み込んでおり、これから様々な人間関係の苦痛や妙味を知っていく、あるいはすでに知り始めた子供に向けた、温かい大人の目線を感じる。 良い国語の授業を受けたような気分になれる本。

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2023/05/10

氏の手になる読書エッセイやね。小説の読み方指南、としても読める。考えてみると、”こころ”の教科書に載っていた部分とか、”坊ちゃん”や”猫”の最初の方しか読んだことがない。どれもそんなに面白いと思えず、それ以上掘り下げることもなく今に至るんだけど、本書を読むと、もうちょっと読んでみ...

氏の手になる読書エッセイやね。小説の読み方指南、としても読める。考えてみると、”こころ”の教科書に載っていた部分とか、”坊ちゃん”や”猫”の最初の方しか読んだことがない。どれもそんなに面白いと思えず、それ以上掘り下げることもなく今に至るんだけど、本書を読むと、もうちょっと読んでみても良いのかも、って気にさせられる。でも、物語を重視しない、みたいなこと言っちゃってるしな~。断固ストーリー重視派としては、そのへんに違和感を覚えてしまうのでした。そして多分、結局は読まないであろうと思えたのでした。

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2022/12/04

漱石の作品を独自の視点で紹介している本 ラインアップは以下のとおり 吾輩は猫である 草枕 夢十夜 坊ちゃん 三四郎 ”短編集” こころ 思い出すことなど それから 明暗 中高生を対象にした夏目漱石の紹介本としては 今までで一番のお気に入り (たくさん読んではいないけれど) ...

漱石の作品を独自の視点で紹介している本 ラインアップは以下のとおり 吾輩は猫である 草枕 夢十夜 坊ちゃん 三四郎 ”短編集” こころ 思い出すことなど それから 明暗 中高生を対象にした夏目漱石の紹介本としては 今までで一番のお気に入り (たくさん読んではいないけれど) 特に気に入ったのは、夢十夜の読書感想文の書き方 「夢十一夜を書くっきゃないでしょ!」 ってとこ。

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2022/04/25

小説の楽しみ方の幅が広がる本。 小説を読むことの敷居を下げてくれた。 例えば、「全部読む」が一番大切なことではない。「ストーリー至上主義」を捨てる。 小説は「アート」だと思うといい。 もちろん、その小説の特徴によるが、複数の読み方を持っておくことで作品をより豊かに楽しめることは確...

小説の楽しみ方の幅が広がる本。 小説を読むことの敷居を下げてくれた。 例えば、「全部読む」が一番大切なことではない。「ストーリー至上主義」を捨てる。 小説は「アート」だと思うといい。 もちろん、その小説の特徴によるが、複数の読み方を持っておくことで作品をより豊かに楽しめることは確かだ。 夏目漱石に関わらず、小説の楽しみ方の幅が広がる良本。

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2022/03/31

最近夏目漱石の本に興味が湧いてきたが、何から読んだらいいのかわからないので、本書に手を伸ばした。14歳に向けた本ということでかなり噛み砕いて口語調で説明されているので、軽くすらすら読める。 本は読者が自分で面白がるものであること、物語ではなく絵画を鑑賞するように字面を楽しむこと...

最近夏目漱石の本に興味が湧いてきたが、何から読んだらいいのかわからないので、本書に手を伸ばした。14歳に向けた本ということでかなり噛み砕いて口語調で説明されているので、軽くすらすら読める。 本は読者が自分で面白がるものであること、物語ではなく絵画を鑑賞するように字面を楽しむこと。夏目漱石の本だけでなく、どんな本を読むときにも当てはまる心がけだといえるだろう。いままで本を読むときは初めから終わりまできっちり読まないと読んだことにならないと思っていたが、こんな風に自由に楽しむ方法を知って、本へのハードルが下がった。 また、一見明るく描かれているように見える『坊っちゃん』や『吾輩は猫である』にも根底に孤独さが描かれていると知り、そういうところに目を向けて今度読み直してみたいと思った。 夏目漱石の作品の基本情報や読み方を知ることができ、とても満足した。一つ減点するとすれば、フルートのくだりが少しくどいということ。

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2021/04/16

思いもよらぬ掘り出し物をした。これは良書だ。シリーズ名通り14歳を対象にしているものとするが、全く成人向けいやむしろ五十歳代以降が読むべきだ。 なぜなら時間と金となにより人間関係がシンプルになっている年代だからこそ夏目漱石を読むべきだから。 実際草枕を読み返してみたら当時はただ...

思いもよらぬ掘り出し物をした。これは良書だ。シリーズ名通り14歳を対象にしているものとするが、全く成人向けいやむしろ五十歳代以降が読むべきだ。 なぜなら時間と金となにより人間関係がシンプルになっている年代だからこそ夏目漱石を読むべきだから。 実際草枕を読み返してみたら当時はただ乱読の中に埋もれさせてしまっていたこの歴史的傑作が明確に真の傑作として浮かび上がってきた。 いや待てよ。この読書体験あらばこその評価であるとすれば当然中高生の難読の中に漱石はやはり必要なのだ。 物語を追わなくてもいい。最後まで読まなくてもいい。途中から読んでもいい。文章そのものを味わう読み方がある。なるほどと思った。 特に目から鱗を剥がしてくれたのは、難解な言葉を調べずにその文字の形をこそ味わうという読書法。 草枕は漱石が思いっきり意図的に難解な言語を、それでも衒学の皮肉を込めて頻用しているという。 文章の視覚的なデザイン指定まで考慮しているというのだ。草枕を十全に味わうためには旧仮名遣いこそ正しい読み方だと。 青空文庫を漁ってみても旧仮名遣いの草枕はない。苦労して調べた結果「鶉籠」の復刻版というのが存在することがわかり即購入。

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2021/04/10

14歳の人に向けて書いていたのね、現在64歳の著者が同年の読者(私)を啓蒙~小説は全部読まなくてもいいのである(我が輩は猫である)小説はアートだと思うといいよ(草枕)「夢十一夜」を書いてみよう(夢十夜)先入観を捨てて読んでみたら(坊ちゃん)脇役に注目するといいかも(三四郎)作者の...

14歳の人に向けて書いていたのね、現在64歳の著者が同年の読者(私)を啓蒙~小説は全部読まなくてもいいのである(我が輩は猫である)小説はアートだと思うといいよ(草枕)「夢十一夜」を書いてみよう(夢十夜)先入観を捨てて読んでみたら(坊ちゃん)脇役に注目するといいかも(三四郎)作者の実験精神を探ってみよう(短編集)傑作だなんて思わなくていい(こころ)「物語」を脇に置こう(思い出す事など)イメージと戯れよう(それから)小説は未完でもいいのだ(明暗)~気が楽になる。読み方は人それぞれだからね。作者に共感しなくてもいいんだけどさぁ

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2020/06/26

14歳の世渡り術 というシリーズらしいが、平易な文と飾らない語り口調で、とても読みやすかった。 作者の夏目漱石愛

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2020/06/20

図書館。「(p50) 小説の細部に注目する楽しみ方というのは、映画を観ている時に「このカット、すげえ〜」って思うことに似ているかもしれないな。ストーリー全体じゃなくて、はっとしてしまうような、一瞬の輝きを見つけた経験が、君たちにもあると思うんだ。」→あるある!小5〜中1くらいに金...

図書館。「(p50) 小説の細部に注目する楽しみ方というのは、映画を観ている時に「このカット、すげえ〜」って思うことに似ているかもしれないな。ストーリー全体じゃなくて、はっとしてしまうような、一瞬の輝きを見つけた経験が、君たちにもあると思うんだ。」→あるある!小5〜中1くらいに金曜ロードショーで偶然観た『レオン』。レオンが倒れるシーンで、カメラを落とすような感じでレオンの視界が映し出されたシーン。もう、ぞくぞくー!ってなって、映画でそんな感覚になるのが初めてで、そのシーン、いまだに覚えている。

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2020/03/21

中高生向きシリーズの1冊で、夏目漱石好き(なんと、『『吾輩は猫である』殺人事件』という小説も執筆)の小説家である著者が、『吾輩は猫である』、『草枕』、『夢十夜』、『坊ちゃん』、『三四郎』といった夏目漱石の代表的な小説の読み方を指南。中高生向きだけあって、くだけた文体で、すいすい読...

中高生向きシリーズの1冊で、夏目漱石好き(なんと、『『吾輩は猫である』殺人事件』という小説も執筆)の小説家である著者が、『吾輩は猫である』、『草枕』、『夢十夜』、『坊ちゃん』、『三四郎』といった夏目漱石の代表的な小説の読み方を指南。中高生向きだけあって、くだけた文体で、すいすい読める。 夏目漱石の作品は、『三四郎』、『こころ』、『夢十夜』しか読んだことがなかったが、本書を読み、他の作品も読みたくなった。 夏目漱石の小説の紹介だけにとどまらず、本書は、小説はどう読むべきかという本質論にも迫っている。ストーリー至上主義に陥るのではなく、文章自体をアートとして楽しむなど、本書は、小説には、読者次第でいろいろな楽しみ方があるということを教えてくれる。

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