時刻表昭和史 増補版 の商品レビュー
子供の頃から宮脇ファンを自認しているのに、この作品だけは読んでいなかった。しかし実はこれは宮脇作品最高傑作かも知れない、と言うよりは毛色が違うのだ。 この本は昭和初期、満州事変から太平洋戦争へ突入していく東京を、渋谷に住む小学生の目から描いた記録と言えるのではないか。今だからこそ...
子供の頃から宮脇ファンを自認しているのに、この作品だけは読んでいなかった。しかし実はこれは宮脇作品最高傑作かも知れない、と言うよりは毛色が違うのだ。 この本は昭和初期、満州事変から太平洋戦争へ突入していく東京を、渋谷に住む小学生の目から描いた記録と言えるのではないか。今だからこそ、一度読んでおく価値がある。子供の目から見た、戦争へ向かっていく国の姿。 宮脇俊三の父親である宮脇長吉が、軍人の出身でありながら自由主義者であった、と言うバックグラウンドに共感を覚える部分も強い。 昭和20年8月15日正午の、今泉駅前の描写は圧巻、強く印象に残る。
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第1作「時刻表2万キロ」、第2作「最長片道切符の旅」、第3作「汽車旅12ヶ月」でどっぷりとハマってから読みました。 iPadのGoogleMapsとWikipediaだけでは足りなくて、時刻表の、昭和9年12月のダイヤ改正号(復刻版)も買って、1つ1つ丹念に確認しながら熟読してい...
第1作「時刻表2万キロ」、第2作「最長片道切符の旅」、第3作「汽車旅12ヶ月」でどっぷりとハマってから読みました。 iPadのGoogleMapsとWikipediaだけでは足りなくて、時刻表の、昭和9年12月のダイヤ改正号(復刻版)も買って、1つ1つ丹念に確認しながら熟読していきました。 宮脇俊三先生が生前、「いちばん思い入れがある、渾身の力作」と語っていたのが納得できる内容です。 当時を生きた宮脇俊三先生の目線からの戦前と戦中、そして戦後を、文章として書き残してくださったことに、感謝感謝、心から大感謝です。 なお、第4作の「時刻表昭和史」は、昭和20年8月15日の終戦まで。 その後の「増補版」は、戦後の混乱期についても書き加えられています。 今から初めて1冊だけ手に取るなら、後者のほうが。
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