不健康は悪なのか の商品レビュー
大胆な表題の本である。WHOが健康の定義を「身体的・精神的・(霊的)・社会的に完全な良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」と定義したが、この定義自体も言葉通りに単純に捉えてはいけないが、現代の新自由主義が中心の世界では単純に「健康」が語れない事態になっている...
大胆な表題の本である。WHOが健康の定義を「身体的・精神的・(霊的)・社会的に完全な良好な状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」と定義したが、この定義自体も言葉通りに単純に捉えてはいけないが、現代の新自由主義が中心の世界では単純に「健康」が語れない事態になっていることを述べられた論文集。例えば、健康や疾病の二分法にまつわる問題は実際に創りだされたかもしれない問題であり、それが市場化につながっているという問題や健康に関するモラル性の問題や健康について語ることが人種や障害に基づく不平等を曖昧にしている問題など、複雑で議論されるべき概念となっている。翻訳本であり概念的な問題も多く読み進めるのに骨が折れる本ではあるが、類書が少ない中では一読に値するが、値段が少し高いのが残念。
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健康にならなければならないと、ジムに通ったり食事制限をしたりする。しかし、それで楽しいのか。この本を読んで健康になるために努力する必要なんてあるのかと考えてしまった。
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