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メディア・モンスター の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/03/16

建築家として一世を風靡した黒川紀章。 選挙への立候補は晩年の奇行とみられていましたが、これを読むと、彼なりの考えがあってのことだと分かります。 割とボリュームのある本ですが、丹下健三や磯崎新との確執や、コンペに勝利するためのあの手この手など、興味深い話が多々盛り込まれていて飽きな...

建築家として一世を風靡した黒川紀章。 選挙への立候補は晩年の奇行とみられていましたが、これを読むと、彼なりの考えがあってのことだと分かります。 割とボリュームのある本ですが、丹下健三や磯崎新との確執や、コンペに勝利するためのあの手この手など、興味深い話が多々盛り込まれていて飽きなかったです。

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2019/04/14

(01) 建築家黒川と人間黒川はどのような関係にあるのか.黒川がなした建築(*02)により彼を評定することもできるだろうが,本書はそれ以上に,黒川は誰だったのかを描いている. 彼のいやらしさもさることながら,カッコよさとカッコ悪さにも丸々と取り組み,政治的な黒川をも巧みに読み解い...

(01) 建築家黒川と人間黒川はどのような関係にあるのか.黒川がなした建築(*02)により彼を評定することもできるだろうが,本書はそれ以上に,黒川は誰だったのかを描いている. 彼のいやらしさもさることながら,カッコよさとカッコ悪さにも丸々と取り組み,政治的な黒川をも巧みに読み解いている. 丹下や川添といったメタボリズムの面々のほかにも,師の西山夘三,ライバルの磯崎新も印象的な役回りで登場し,後輩の隈研吾,伊東豊雄も人間黒川を穿ったエピソードを語っている.政財界との接点,若尾氏も含めた文化人や芸能人との接点をどのようにポイントしていったかという軌跡も描かれており,日本のシンクタンクの魁でもあった社会工学研究所や日本文化デザイン会議といった組織活動で黒川が果たした役割の大きさも改めて本書で確認できる. (02) 著者は建築の専門ではないが,かえって世間的な建築家イメージの描写や,建築の意匠や構造の一般的な解説はニュートラルに感じられる.また,約半世紀にわたる建築設計事務所の営業や労務の変遷を辿る上で,黒川やその事務所は好例となっているようにも思える. 建築の意味やかたちを考えるうえで,わかりにくさとわかりやすさという見方は重要であるが,黒川の言説や建築はその点でも示唆的である. 黒川のいう共生とは何か,また,彼が終生重きをおいていたと考えられる東海学園の「ともいき」とは.信仰や理念が人間黒川を実存的な者にしている.

Posted byブクログ

2018/10/13

扇情的なタイトルは仕方がないかも知れないが、もうちょっとよい表現はなかったのだろうか。 内容は緻密な取材を元に黒川氏の人物像とそれぞれの時代の流れがつかめるようになっていて、上手く構成されているドキュメンタリーだと思う。しかし600ページを超えるボリュームはさすがに長いと感じた。

Posted byブクログ

2015/08/21

黒川紀章を掘り下げた一冊。20世紀の建築家の中で、誰よりもメディアを利用し、利用され、という人だった。現代の建築家像、イメージな確かに彼によって作られたのだろうなぁ。

Posted byブクログ

2015/07/30

この人に特別な関心があったわけではないのだが、どこかの書評でみておもしろそうと思い手に取った。黒川紀章というひとは、建築家というより思想家であり、時代の動きに敏感で、自らの考えを多くの人に知らしめるためにメディアを最大限利用し、戦後の日本社会を駆け抜けた。晩年に選挙なの出て失笑を...

この人に特別な関心があったわけではないのだが、どこかの書評でみておもしろそうと思い手に取った。黒川紀章というひとは、建築家というより思想家であり、時代の動きに敏感で、自らの考えを多くの人に知らしめるためにメディアを最大限利用し、戦後の日本社会を駆け抜けた。晩年に選挙なの出て失笑を買ったが、その背景には彼なりの戦略と、今後の日本のあり方への展望があった...そして、彼の掲げたマニフェストは、いま読むと非常に説得力がある。 妻・若尾文子との最期の会話と、ライバル磯崎新の追悼の言葉は感動的。

Posted byブクログ

2015/07/21

建築家黒川紀章の生涯を追ったノンフィクション。 著者の略歴をみると建築の専門的知識はないらしく、それでこれほどの取材をして著書にまとめた手腕がすごい。 黒川紀章の生涯を追う事がそのまま戦後昭和史になっている。 断片的に知っている昭和の歴史事項が一人の人生を追う事で線に繋がる。 そ...

建築家黒川紀章の生涯を追ったノンフィクション。 著者の略歴をみると建築の専門的知識はないらしく、それでこれほどの取材をして著書にまとめた手腕がすごい。 黒川紀章の生涯を追う事がそのまま戦後昭和史になっている。 断片的に知っている昭和の歴史事項が一人の人生を追う事で線に繋がる。 それほど彼がいつも昭和史の最前線に居たという事だ。 磯崎さんの追悼文は心を撃つな。

Posted byブクログ