図説 世界の木工具事典 の商品レビュー
まだその道具が手に入るうちに…という気持ちもあるだろうけれど、決して古くからある大工道具ばかりではなく、コンベックスやデジタルノギス、プラハンマーやらラチェットドライバーなどの、江戸の大工なんかが使ってはいなかったであろう道具もたくさん出てくる(電動工具は除外されている)。電動サ...
まだその道具が手に入るうちに…という気持ちもあるだろうけれど、決して古くからある大工道具ばかりではなく、コンベックスやデジタルノギス、プラハンマーやらラチェットドライバーなどの、江戸の大工なんかが使ってはいなかったであろう道具もたくさん出てくる(電動工具は除外されている)。電動サンダーはないが、紙やすりホルダーはある。 それぞれの道具は、なんと作り方から掲載されている。鉋の作り方なんかは、工芸的ですごく楽しい。ドライバーのそれは、金属の切削で、また全然違うんだけど、はじめて見たのでやっぱり楽しい。 とはいえ、いったい全体、どういう人に向けて作られた本なのか。本職は、これを見て初めて知る道具というのがあるのだろうか(あんまりなさそうだ)。前書きにもあるが、DIYを楽しむ人を増やしたい、ということなのだろうか。 そうなると、日本、台湾、ポーランドという編著者のポジションもちょっと微妙だ。もう工具もコモディティ化してきて、各国の差違が少ないということらしいが、多分熱帯雨林とかのあたりだと、木工への考え方なんか、ずいぶん違うんじゃなかろうか(想像でしかないけど)。 しかし、鉋だけでも夥しい量が掲載されている。なるほど様々な作業用途がある。最近は多能工とかいって、大工に他のことをやらせたりするのがブーム化しているから、こういう道具とそれを使う仕事はもはや保護の対象になっていくだろう。 そんなふうに肩肘張らずに、へーいろんな道具あるんだね、で読めるから、そっちのほうがいいかも。
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