ロシア奏法によるピアノ教本 はじめの一歩(1) の商品レビュー

O.ゲターロワ(著者),I.ヴィーズナヤ(著者),村手静子(訳者)

2016/10/26

ロシア人の指の使い方が独特なことはよく知られたことですが、日本ではまだまだ、ハイフィンガー奏法のなごりのようなものが多く、ロシア奏法の重厚な響きからは縁遠いのが現状です。

こちらは、ロシアで教えられているやり方を導入したピアノ教本。まず驚かされるのが、一番初めに使用するのは中指ということ。ドレミファソから始めることの多いピアノ教本では、ドを親指でと教えるのに、こちらは中指だけでドを続けて弾いていきます。指一本一本のウェイトを感じながら、ノンレガートで弾くというのも面白い。すでに強い指で、指の力でしっかりと鍵盤の底まで打鍵するというやり方は、理にかなっているように思います。

惜しむらくは、収録されているのがほとんどロシア圏の民謡なので、少しだけ編集者さんの采配でもう少し西洋風のものがあっても良かったかなと思います。

でも、すごく良い本です。気に入って使用しています。