次の大量絶滅を人類はどう超えるか の商品レビュー
あまりにも積ん読が増えたので、しばらく本を買うの止めて、未読の本の山を減らすことにする。 なんだろうな、最近、昔に比べて、読むスピードが落ちているんだよね。 年取った、集中できない、というのもあるけど、以前、あまりに濫読していて、本を味わう感じがなかったので、本を楽しもう、味わ...
あまりにも積ん読が増えたので、しばらく本を買うの止めて、未読の本の山を減らすことにする。 なんだろうな、最近、昔に比べて、読むスピードが落ちているんだよね。 年取った、集中できない、というのもあるけど、以前、あまりに濫読していて、本を味わう感じがなかったので、本を楽しもう、味わおうと思って、読んでるとなかなか進まないというのもある。 というわけで、しばらく封じていたダウンローディング読み(!)で、しばらく読んで行きます。 さて、この本のタイトル、すごいですね。NLPのミルトン言語的には、 「次の大量絶滅」は、あるかないかでなく、「ある」という前提になっている。 「人類はどう超えるか」で、超えることは前提になっていて、「どう」が問題になっている。 普通こういうタイトルって、日本語になるときに、こんなふうになるのだけど、原題(サブタイトル)は、"how humans will survive a mass extinction"でそのままですね。 地球において、過去に5回の大量絶滅があって、ほとんどの生物が死に絶えたあと、残った僅かな種がそこからあらたな進化のプロセスを進むというパターンがあって、おそらく現在は6度目の大量絶滅の過程にあるのだろう。 人間もこれまで何度も絶滅の危機を超えているので、これまでの経験を踏まえて、どう生き残るか。あと、100万年くらいの長さで。 近未来を考えると、人口の増加、資源やエネルギーの枯渇、温暖化など地球レベルでの環境問題の進展とか考えると、今の社会が持続可能でないことは明らかで、暗い気持ちになる。 で、この本を読むと元気がでる。 というわけでもなく、最終的には、いろいろな災害等で、大量の絶滅は生じるだろう、たくさんの命はうしなわれるだろう。でも、探索を続ける限り、種としての人間は生き残るだろう。 みたいな話しで、近未来の崩壊は、前提になっているわけですね。 その後で、どう生き残るか、ということですね。 そこに、いろいろな科学技術が使えそうだというで、暗い気持ちはやや改善するものの、なんだかね〜、な気持ちも残る。
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諸説あるが、過去に五度訪れた大絶滅が、今また始まっている、と考える人もいる。過去の大絶滅と大きく違うのは、そのことを知り、対策を取りうる生命体がいる、ということだ。 人類が今まで絶滅してこなかったのは、まあたまたま、ということもある。けれど、一応少しずつ対策もできているようだ。...
諸説あるが、過去に五度訪れた大絶滅が、今また始まっている、と考える人もいる。過去の大絶滅と大きく違うのは、そのことを知り、対策を取りうる生命体がいる、ということだ。 人類が今まで絶滅してこなかったのは、まあたまたま、ということもある。けれど、一応少しずつ対策もできているようだ。 本書は、過去に起こった大絶滅を解説し、また人類が経験してきた危機を語る。 災害に工学で対抗する。数学を使ってパンデミックを食い止める。地下に都市を作る。生物学的な都市でエネルギーと食糧を手に入れる。この辺までは、現在の延長線だ。 しかし話はそんなに近距離では終わらない。 「地球をテラフォーミングする」。どこかの星を、ではない。 宇宙エレベーターは、人類がアフリカを離れたのと同じように、地球を離れてどこかへ進んで行く足がかりにもなるかもしれない。 そして、肉体はなくてもいい。脳をアップロードしておいて、辿り着いた星にあった肉体にダウンロードする。 いつしかSFのような話になっていくが、途中までの実感とこれまでの知見に溢れた記述から、全然突拍子もない感じがしない。 都市生活者は多様性を失い、個々に大絶滅を生き延びる力はないと言っていいが、種全体で見れば、なかなかどうして人間も結構イケるじゃねえか、と元気が出る。絶滅します、という本じゃなくて、絶滅をどう超えるか、だから。
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五度の大絶滅「ビッグファイブ」の解説と、現在を六度目の最中として、それを引き起こした人類のみが止め得るという主張。離散・適応・記憶によって人類を100万年存続させるというテーマで、都市の改造、地球のテラフォーミング、小惑星監視、さらには脳のソフトウェア化による宇宙進出まで話は進ん...
五度の大絶滅「ビッグファイブ」の解説と、現在を六度目の最中として、それを引き起こした人類のみが止め得るという主張。離散・適応・記憶によって人類を100万年存続させるというテーマで、都市の改造、地球のテラフォーミング、小惑星監視、さらには脳のソフトウェア化による宇宙進出まで話は進んでいく。
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近未来の来るべき環境変化による人類絶滅の危機をどう乗り越えうるか現在の科学でどこまで対応できるかを検証、想像。 KT境界やペルム紀の絶滅などの理由を概観。隕石などの外部変化とそれに呼応する地球内部の変化による大気・気温などの環境への不適合、フードチェインへの打撃で多くの種族が絶滅...
近未来の来るべき環境変化による人類絶滅の危機をどう乗り越えうるか現在の科学でどこまで対応できるかを検証、想像。 KT境界やペルム紀の絶滅などの理由を概観。隕石などの外部変化とそれに呼応する地球内部の変化による大気・気温などの環境への不適合、フードチェインへの打撃で多くの種族が絶滅。 二酸化炭素への対応は当然のことだが、現在の農作物や食料の最適化は大きなリスクを孕んでいるとする。また都市生活のインフラも大きな環境変化には耐えられない。そのため、エネルギー、食物の自給自足、融通のレベルを高めないといけない。
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内容はタイトルの通り。人類が100万年生き延びるために選ぶべき道が論考されるが、こういう科学に根ざした楽観主義は、あるようで無かったタイプの本で、新鮮な読後感。
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