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戦国太平記 真田幸村 の商品レビュー

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2016/02/29

真田幸村の小説を読んだのが初めてなので他作品と比較はできません。 この物語ではひとえに、自身の出生の秘密を抱え、父・昌幸との関わりを描いています。 冷徹かつ知略家で偉大な父。それだけでもコンプレックスを持ちそうなものなのに、そこに出生の秘密も絡んでくる。 そこに因縁の相手、石田...

真田幸村の小説を読んだのが初めてなので他作品と比較はできません。 この物語ではひとえに、自身の出生の秘密を抱え、父・昌幸との関わりを描いています。 冷徹かつ知略家で偉大な父。それだけでもコンプレックスを持ちそうなものなのに、そこに出生の秘密も絡んでくる。 そこに因縁の相手、石田三成、徳川家康勢とのやりとり。さらには忍びの者相手との闘いなど、なんともドラマチックに仕上がっています。 文体は淡々としつつも感情を含んだもので、描写も口語的。(「なんだ?」という目で睨んできた、文末やセリフに「!」を用いた表現など) 史実には疎いのですが、真田家の物語が好まれる理由が分かります。戦国の世、これだけドラマ性があり、自らの宿命に立ち向かう幸村の姿に心打たれるものがあります。 ともすれば散らかりやすい内容が一巻にまとまっていて読みやすかったです。

Posted byブクログ