消えた伝説のサル ベンツ の商品レビュー
自分の郷里では必ず小学校の修学旅行で訪れる高崎山。そこに何度もボスの座に登った伝説の猿、ベンツ。1度は他の群れの猿に恋をしボスの座を捨てその群れに。その群れの新人からまたボスに上り詰め…まるで昭和の映画のようですね。とはいえ、本文でそのようなことを煽るように書いてあるのではなく...
自分の郷里では必ず小学校の修学旅行で訪れる高崎山。そこに何度もボスの座に登った伝説の猿、ベンツ。1度は他の群れの猿に恋をしボスの座を捨てその群れに。その群れの新人からまたボスに上り詰め…まるで昭和の映画のようですね。とはいえ、本文でそのようなことを煽るように書いてあるのではなく、群れに真摯に向き合って見つめてきた方たちの記録が、読む者の胸を打ちます。子どもの頃はおサルさんの山、と動物園の1つのように思っていましたが、猿たちの自然の生活を守りつつ、周囲の町に迷惑をかけないようにと大変な努力をされるスタッフの皆さんを知ることが出来ました。 ベンツだけでなく、関わる個性的な猿たちも魅力的に描かれています。 個人的には最後までベンツを支えたゾロメ(副ボス)が好きです。余談ですが、これを読んでゾロメがその後どうなったのか気になり調べると…彼らしいエピソードと写真に涙が止まりませんでした。本を読んで気になった方は調べてみて欲しいです。 コロナ禍が収まったら、再び高崎山に行ってみようと思います。 ベンツはどこに向かったのかな… 遅くなったのだけど、ここ数年で出会って良かったNo.1の本でした。 個人的にあまり動物ものに手が伸びなかったのですが、こちらでまた違うジャンルの本に興味が湧きました。
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大分県高崎山のニホンザルのボス・ベンツ。代々のボスザルのなかでベンツは稀有な存在とされる。それは群れを変えて2回もボスザルとなったからである。(群れを変えると下っ端になり這い上がることができないのが常とされる)人間にして100歳を超える年齢で突如消えたボスザルを追った書籍。ベンツ...
大分県高崎山のニホンザルのボス・ベンツ。代々のボスザルのなかでベンツは稀有な存在とされる。それは群れを変えて2回もボスザルとなったからである。(群れを変えると下っ端になり這い上がることができないのが常とされる)人間にして100歳を超える年齢で突如消えたボスザルを追った書籍。ベンツがトップに君臨できたのは、圧倒的がリーダーシップがあったというよりは、サル山の組織の中で上手く振舞う巧みさや時勢の運による部分も大きい(と主観的に感じた)。一度高崎山に行ったことがある人なら、かのサル群の生体について興味深く読めるかも。
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有名な野猿公苑の高崎山。歴代のボス猿の中でも特に有名なベンツ。捜索隊まで組まれたけれども見つからなかったと惜しむニュースでその名前だけは記憶に。長年ボスの座を占めていたのかと思ったら、実際にボスであった時期は短く、実は長く№2だったと。けれどもかれの武勇伝はすごくとても興味深い猿...
有名な野猿公苑の高崎山。歴代のボス猿の中でも特に有名なベンツ。捜索隊まで組まれたけれども見つからなかったと惜しむニュースでその名前だけは記憶に。長年ボスの座を占めていたのかと思ったら、実際にボスであった時期は短く、実は長く№2だったと。けれどもかれの武勇伝はすごくとても興味深い猿人生で面白かった。 そしてこの著書はベンツについてだけでなく、人間が野生動物と関わることの難しさを野猿公苑の成り立ちと問題を含めて書かれていたこともとても興味深かった。
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一匹のサルの生き様がなぜこんなにも心を打つのか。野生のサルを餌付けすることにより動物園では見ることのできない、複雑なサル社会を知ることができる。サルは人間に最も近い動物だが、その行動の奥深さは想像以上だった。
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