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田園発 港行き自転車(下) の商品レビュー

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44件のお客様レビュー

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2019/03/27

風景や街並み、自然の描写はすごく良かった。 富山に縁のある私も知らない土地のことで、行ってみたいと思った。 登場人物も普通で魅力的。 ただ、元を正せば不倫の話、こんなに美談になるのはやはり男性作家だからか?と思ってしまう。 そしてラストがあっけなくてびっくり。上下巻なのにあの終わ...

風景や街並み、自然の描写はすごく良かった。 富山に縁のある私も知らない土地のことで、行ってみたいと思った。 登場人物も普通で魅力的。 ただ、元を正せば不倫の話、こんなに美談になるのはやはり男性作家だからか?と思ってしまう。 そしてラストがあっけなくてびっくり。上下巻なのにあの終わり方…?続編読みたいです。

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2018/11/10

この筆者の新刊(というには古いが)を久しぶりに読んだ。昔から大好きな作家。最近は面白い小説家は色々いるなぁと思っていたが、改めて読むと別格。小説としての方向性は似ていても、新進の小説家の話が心地の良いバイオリンの独奏だとすると、この筆者の作品は協奏曲。また、何楽章もある中のたまた...

この筆者の新刊(というには古いが)を久しぶりに読んだ。昔から大好きな作家。最近は面白い小説家は色々いるなぁと思っていたが、改めて読むと別格。小説としての方向性は似ていても、新進の小説家の話が心地の良いバイオリンの独奏だとすると、この筆者の作品は協奏曲。また、何楽章もある中のたまたま一部分を切り取ったかのように感じる余韻と広がりがある。面白かった! 若い事務員、絵本作家、美容師、中学生、芸妓など、様々な世代立場の、しかしみな清潔でまっすぐ生きる人々が交錯する。ここまで人間のつながりを無理矢理繋げなくてもいい気がしたが、後半あまり気にならなくなった。それぞれの登場人物に奥行きがあって、また田園の風景が良い借景になって物語を絵画的にもしている。

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2018/01/06

心にしみるとてもいい話でした。 東京、富山、京都のそれぞれの点が線となり、その線が交わり、こんなにも豊かな物語になるとは。登場人物が魅力的なのはもちろんだが、京都と富山の風景描写が良く、行ったこともないのに風景が浮かんでくる。中でも富山の田園風景に関しては秀逸で行ってみたくなった...

心にしみるとてもいい話でした。 東京、富山、京都のそれぞれの点が線となり、その線が交わり、こんなにも豊かな物語になるとは。登場人物が魅力的なのはもちろんだが、京都と富山の風景描写が良く、行ったこともないのに風景が浮かんでくる。中でも富山の田園風景に関しては秀逸で行ってみたくなった。本の中の様に徒歩で、自転車で。実際にスマホの地図アプリを片手に読み進める場面もあった。 人が人を思いやる気持ちにあふれた物語。その思いやりも決して押し付けがましくない。 再読したい本に出会えました。

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2017/11/05

人は、好むと好まざるに関わらず、それぞれの因果・宿命を背負って生まれ、生きていく。 そして、それぞれの人生を背負った人間が、色んな場面で、色々に出会い、別れ、泣き、笑い、人生を全うしていく。 そんな人と人との出会いを、富山・京都・東京を舞台に展開していく。 この小説では人間の風格...

人は、好むと好まざるに関わらず、それぞれの因果・宿命を背負って生まれ、生きていく。 そして、それぞれの人生を背負った人間が、色んな場面で、色々に出会い、別れ、泣き、笑い、人生を全うしていく。 そんな人と人との出会いを、富山・京都・東京を舞台に展開していく。 この小説では人間の風格・品位・直向さ・実直さなどなど人間が人間を信頼し、信用することの重要性が書かれているような気がした。 山本周五郎の時代小説でもそのようなことが濃密に書かれていたが、宮本輝という人の根本的な考え方も同様な様な気がする。 よしもとばななさんとの対談で赤毛のアンが大好きだという宮本輝さんの言葉があり、小説でそのひとコマが出てきて、一瞬、微笑んでしまった(笑)。 今度は、私の好きな司馬遼太郎賞の骸骨ビルの庭を読んで見ようと思っている。

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2017/09/25

「縁」の物語でした。人が人を思いやって、コツコツと積み重ねてきたものがあって、そして繋がっていく。 それにしても、賀川直樹さんが元凶に思えてならない。。。真帆ちゃんが、お父さんの事を嫌悪と憎悪、そして全て見せかけの偽善でしかない様に思えたという気持ち、ほんとに共感です。。

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2017/03/08

上巻に続いて、人間関係の説明が淡々と続いていきます。異母姉弟、異母兄妹・・・。宮本輝さんの小説は好きだったんですが、最近の小説は読んで面白くない作品が多いです・・・。

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2017/02/28

下巻です。 上巻での複雑な人間関係がきれいに繋がり、人の縁がこんな風に繋がっていく力について考えてしまいました。 まあ小説だからどうとでもなるんだけど、ご都合主義な感じにならないのはさすが著者の筆力ですね。 私はとにかく、千春と佑樹という若い二人の清らかさが大好きでした。 で...

下巻です。 上巻での複雑な人間関係がきれいに繋がり、人の縁がこんな風に繋がっていく力について考えてしまいました。 まあ小説だからどうとでもなるんだけど、ご都合主義な感じにならないのはさすが著者の筆力ですね。 私はとにかく、千春と佑樹という若い二人の清らかさが大好きでした。 でもそれは、彼らを取り巻く人達がそれぞれ気持ちを慮り、温かさと思いやりに満ちた育て方をしたお蔭ですし、特に平岩の懐の深さは素晴らしすぎるんだろうけど、でもやはり当人たちの魅力にはかないません。彼らを見ていると、人の心の根っこには優しさがある、と素直に思え、心からほのぼのした気持ちになれるんです。 大人はさ、いくら真っ直ぐに堂々と生きていても結局は不倫とか、大人の事情を抱えているからね。 人生においての出会いの縁の不思議さと豊さを感じた一冊でした。 ただ・・・もう少し先まで描いて欲しかったよー あっ!それから、本書とはあまり関係ないけどもう一つ発見があって。 私、本筋と関係ない人物像を丁寧に書き込む話って作家の自己満足でしかない!と不満に思っていて。(最近の宮部みゆきが代表なんですけどね。) でも本書を読んで、そうではないことが分かりました。上手な作家は無駄が1文字もないのです!

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2017/02/16

上巻よりもなぜか登場人物の関係性が理解できて早く読めた。風景と気持ちの描写が相変わらず卓抜。特に人物が行動する際にまったく関係ないことを考えながらやっている描写が多く、自分もそういったことをよくするので非常に入り込めた。 ただし、作品としては満点ではない。一人ひとりを丁寧に描いて...

上巻よりもなぜか登場人物の関係性が理解できて早く読めた。風景と気持ちの描写が相変わらず卓抜。特に人物が行動する際にまったく関係ないことを考えながらやっている描写が多く、自分もそういったことをよくするので非常に入り込めた。 ただし、作品としては満点ではない。一人ひとりを丁寧に描いているが、どれもあと一歩印象に残らない。もっとも気になったのが終わり方。途中で切られてしまったようで、あっけなさを感じた。映画の小津作品のように市井の人の日常生活を描写ながら、人それぞれの成長や感情の起伏を読み取らせる内容だと思うが、この作品は読み取れる内容がやや薄かった。ほとんどの登場人物に対して十分に共感できるのだけれど、あと一歩メッセージ性がほしい。また、舞台となった地も「きれいなんだろうなぁ」とは思ったものの、「絶対に行こう!」とまでは思えなかった。本当にあと一歩で満点。惜しい。。。

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2017/02/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感想はがっかりでした。 確かに宮本輝さんらしい、綺麗な終わりでしたが、人間の心ってそんなにきれいじゃないと思う。  絵本を通じて偶然知り合ったという、とっても素敵な心ふれあいがあったとはいえ、父の不倫の息子を簡単に受け入れるのは難しいと思います。  だから、15歳というそれを明かさない途中の年齢で終わったのかもしれませんが、中途半端すぎました。 がっかりしたのは、期待が大きかったせいもありますので、富山の素晴らしい自然に関しては良かったと思います。   

Posted byブクログ

2016/12/15

明るい未来を描けるラストでよかった。 愛本橋はもっとでてくるかと思ったら、わらと全体の風景や空気感でまとめられていた。

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