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あん の商品レビュー

4.1

173件のお客様レビュー

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    54

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/05/15

どら焼き屋で働く雇われ店長のもとに、絶品のあんこを作るおばあちゃんがやってきて店は繁盛。しかしおばあちゃんの見た目から、おばあちゃんはとある病気なのではないかとの噂が広がり… 普通なら自分では選ばないジャンルの本だけど、義母の勧めで読む。感想は、夢中になって読むほどいい本だった...

どら焼き屋で働く雇われ店長のもとに、絶品のあんこを作るおばあちゃんがやってきて店は繁盛。しかしおばあちゃんの見た目から、おばあちゃんはとある病気なのではないかとの噂が広がり… 普通なら自分では選ばないジャンルの本だけど、義母の勧めで読む。感想は、夢中になって読むほどいい本だった。 ある過去をもつ雇われ店長と、ある過去をもつおばあちゃん。この二人がどら焼きを通して絆を深める。病気+絆って、一見使い古されたテーマだけど、この病気が差別の歴史をもつ病気ということもあり、自分は本当に差別意識はないのかと考えさせられた。あと店長もおばあちゃんも全てが完璧にハッピーエンドみたいな展開じゃないのも良かった。差別する奴らを見返す!的な展開にはならないけれど、心がほっこりする結末。みんな幸せになってほしいと思わされた。 ページをめくる手を止められないような、とても滑らかな文章も良かった。

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2024/06/05

ドリアン助川?お笑いとか振付師とかかと・・・ちょこっと調べるといろんなお名前をお持ちのれっきとした大学教授なのですね。 そして、この表紙のかわいらしさとタイトルから青春小説かと思いきや、いきなりの ハンセン病。衝撃だった。 手紙。徳江さんから千太郎への、は、もちろん、千太郎の...

ドリアン助川?お笑いとか振付師とかかと・・・ちょこっと調べるといろんなお名前をお持ちのれっきとした大学教授なのですね。 そして、この表紙のかわいらしさとタイトルから青春小説かと思いきや、いきなりの ハンセン病。衝撃だった。 手紙。徳江さんから千太郎への、は、もちろん、千太郎の書くすなおな手紙に心を打たれた。 ちょっとかっこいい言葉をつかってやろう、とか、欲張って結局何も「伝え」られない手紙しか書けない自分と違う、すなおな手紙。 徳江が去り、結局どら春を辞めた仙太郎が枕を抱きしめて「どら焼きいかがですか~」と叫ぶところで涙がこぼれそうになった。 さらにワカナが療養所を再訪したときに持参した白いブラウス・・・ 映画になっていたことは読んでいる途中で知った。キャストは知らなかったが、 徳江には樹木希林しかいないだろう、千太郎は大泉洋がイメージにピッタリではないか、と勝手に想像していたが、千太郎は永瀬正敏であった。想像とは違ったけど、長瀬の抑えた演技もよかった。 ハンセン病のことはよくはわからない。長い間、本当に長い間人間の尊厳をかけて闘っていたひとたちがいて、今の世になっていろんなひとが彼らに許しを乞い、確か、天皇陛下も療養所を訪れたというニュースも見た気がする。 この小説を読んでわかった気になったというつもりはない。でも闘うひとたちの「声を聞いた」気がする。 『舌読』というのは初めて知ったな。ショックだった。

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2024/04/07

映画は観てないのですが、徳江さんのセリフは樹木希林さんの声で読んでしまいます。 偏見は無知や恐怖から生まれるのかもしれません。 私も知らなかったら怖いと思うし、関わらない方が良いかもと思ってしまいます。 生きる意味とはと考える作品を、桜が咲く季節に読めて良かったです。

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2024/03/29

ラストの徳江さんの千太郎さんへの手紙の部分で 号泣した。もっと早く読めばよかったです。 大体の事は知っていたと思ってましたが、当事者の気持ちを理解出来たような気がします。 誰にでも生まれてきた意味がある。この言葉早く知りたかった。

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2024/03/24

 樹木希林主演で映画化された原作本。  働き口を求めてやって来た高齢女性の徳江を雇うことになったどら焼き店。徳江の作る「あん」は絶妙な味で、どら焼き店は行列のできる人気店になった。しかし、徳江の手が不自由だということから事態は思わぬ方向に…。  人が社会に出て働くことの意味、仕事...

 樹木希林主演で映画化された原作本。  働き口を求めてやって来た高齢女性の徳江を雇うことになったどら焼き店。徳江の作る「あん」は絶妙な味で、どら焼き店は行列のできる人気店になった。しかし、徳江の手が不自由だということから事態は思わぬ方向に…。  人が社会に出て働くことの意味、仕事に対する思い、法の下の平等と人々の意識の違い、そういった様々な事柄をゆったりとした筆致で丁寧に紡ぎ上げた物語という印象。

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2024/03/12

若くしてハンセン病を患い、家族、社会からも隔離され、思うように生きられなかった76歳の徳江。やる気も生き甲斐も無く、ただ借金返済の為にどら焼き店で働くぱっとしない中年男の千太郎。 この2人が出会うところから話が始まる。指が曲がったり手に穴があいたり激痛が伴うハンセン病。月日と共に...

若くしてハンセン病を患い、家族、社会からも隔離され、思うように生きられなかった76歳の徳江。やる気も生き甲斐も無く、ただ借金返済の為にどら焼き店で働くぱっとしない中年男の千太郎。 この2人が出会うところから話が始まる。指が曲がったり手に穴があいたり激痛が伴うハンセン病。月日と共に自由に外に出られるようになっても失われた時間はもう2度と戻らないという苦しみ。壮絶な人生を生き抜いた徳江の告白に胸を打たれます。生きる意味とは?千太郎に生じる心の変化。 桜の季節が来ると徳江の言葉を思い出させる様な作品でした。

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2024/02/19

初めての作家さん。 「21カ国で翻訳されたベストセラー」という帯につられて。読みやすく、途中で飽きることなく一気に読めました。 序盤は無性にあんこを炊きたくなりました。想像していたよりも重いテーマを織り混ぜた内容でした。昔はほんとうに大変な時代だったんだなと、考えさせられました。...

初めての作家さん。 「21カ国で翻訳されたベストセラー」という帯につられて。読みやすく、途中で飽きることなく一気に読めました。 序盤は無性にあんこを炊きたくなりました。想像していたよりも重いテーマを織り混ぜた内容でした。昔はほんとうに大変な時代だったんだなと、考えさせられました。とても良い作品だと思います。

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2024/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夕方仕事から帰り一気に読みました。 人生。 あんこといきること。 日本の歴史も。 なぜ日本は隔離し続けたのか。 なぜ今も偏見は消えないのか。 トクちゃんおおげさに。笑。 読書会で紹介されて気になってやっとよめましたを

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2024/01/22

ドリアン助川さん初読み。 著者の名前がふざけてるので、軽く楽しめる内容の小説かと思っていましたが、良い意味で裏切られました。 前半は無気力な中年店長と指の変形した老女のどら焼き屋再生物語。後半は老女の生涯を交えながらのハンセン病患者や元患者の苦難の歴史を振り返る内容です。 約...

ドリアン助川さん初読み。 著者の名前がふざけてるので、軽く楽しめる内容の小説かと思っていましたが、良い意味で裏切られました。 前半は無気力な中年店長と指の変形した老女のどら焼き屋再生物語。後半は老女の生涯を交えながらのハンセン病患者や元患者の苦難の歴史を振り返る内容です。 約30年前にハンセン病の方々が自由を勝ち取った頃に、医療職についたばかりだった私はそのニュースを新聞で食い入るように読んだことを思い出しました。 いろんな差別や偏見もそうですが、塀の外に一生出られない絶望感は想像を超えるものでした。 ハッピーエンドとは言わないまでも店長と老女の心の交流がじんわり心に沁みる良書です♪

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2023/12/10

読みやすいなーと思っていたら、意外なテーマがあり、学びにもなりつつ、生きていくことに前向きに、必死になれそうだと感じました。すごく月並みなことしか言えないけど、知らないことこそ偏見のはじまり。そんなつまらないことはしてちゃいけない。してる暇はない。

Posted byブクログ