ビッグデータ・コネクト の商品レビュー
犯人不明で終結したウイルスを持ちいたサイバー犯罪、目的不明の猟奇誘拐事件。複数の事件が絡み合いやがて大きな闇に近づく王道のサスペンス。IT関係の現代の問題を扱いながら警察小説としてまとまっていた。
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長らく積んだままになっていた本書に取り掛かってみたが、「誘拐殺人事件」の謎で興味を引っ張りつつ、個人情報照合システムの問題点に切れ込んでいく構成が素晴らしい。 もっと早く読んでおけばよかった、と思う面白さであった。 ギークの生態もよく描写されており、個人情報保護法の問題点の指摘も...
長らく積んだままになっていた本書に取り掛かってみたが、「誘拐殺人事件」の謎で興味を引っ張りつつ、個人情報照合システムの問題点に切れ込んでいく構成が素晴らしい。 もっと早く読んでおけばよかった、と思う面白さであった。 ギークの生態もよく描写されており、個人情報保護法の問題点の指摘も的確である。 また、IT業界で横行しているといわれる多重請負問題についても、中抜きやブラック労働だけが問題なのではなく、個人情報の取扱いについても問題があることが指摘されている(本書では明示されていないが、政府や企業の秘密情報も同様であろう)。 それにつけても、日本そのものが巨大な虎にのまれることがないように願いたいものである。 なお、本書発表後の個人情報保護法の改正により、本書の「顔紋」のような「個人識別符合」は個人情報に該当することになったので、その点は留意する必要がある。
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藤井太洋。サイバー捜査官と過去にウイルスソフトに関わった容疑で勾留し、不起訴になったハッカーがITエンジニア誘拐殺人事件の捜査に挑む。捜査官は捜査への協力としてハッカーを監視することになる。 エンジニアたちの過酷な労働環境などは作者の体験談なのだろうか。IT関連には明るくないが雰...
藤井太洋。サイバー捜査官と過去にウイルスソフトに関わった容疑で勾留し、不起訴になったハッカーがITエンジニア誘拐殺人事件の捜査に挑む。捜査官は捜査への協力としてハッカーを監視することになる。 エンジニアたちの過酷な労働環境などは作者の体験談なのだろうか。IT関連には明るくないが雰囲気だけでも楽しめた。黒幕が正体をあらわすのが唐突でもう少し腹の探り合いが欲しかった。
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読み終わるまでに時間がかかりました。 警察としては目の前にいる一番怪しく見える人を容疑者として逮捕したい、けれど本当の犯人は別にいる。現実の警察はきちんと証拠に基づいて捜査してほしいとは思うものの、犯人の手口が巧妙だとミスリードさせられてしまうのかもなあ。 けれど、書き間違いやら...
読み終わるまでに時間がかかりました。 警察としては目の前にいる一番怪しく見える人を容疑者として逮捕したい、けれど本当の犯人は別にいる。現実の警察はきちんと証拠に基づいて捜査してほしいとは思うものの、犯人の手口が巧妙だとミスリードさせられてしまうのかもなあ。 けれど、書き間違いやらなにやらで外字を使った漢字が何万件もあることには驚いた。 まあ代表的な名字でも思い当たるものがいくつかあるし、そんなに珍しい話ではないのかも。 結局最後の一文がどっちを示唆しているのだろう。守谷さんのことなのか、それとも武岱さんのことなのか。
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藤井太洋さんの本は、知らない世界に自然と連れていってくれる。一気読みしてしまう。ITのエンジニアとか、中国の不可解さとか、システムネットワークとか、全く未知なのに、知りたい欲を楽しく満たしてくれました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
初期2作ほどの爽快感はないが、より現実に近い話だけに他人事とは思えない感じがする ITという新たなインフラも建築現場同様に多重下請けに依存する国の現実を突きつけられる 話は中心人物がちょっとスーパーマン過ぎるために一気に解決に向かってしまう感じがある フィッシング詐欺とかもかなり面白い話題で、途中でわきに追いやられてしまうが、IT刑事ものとして連作としてもいいくらいの内容 色々な問題が盛り込まれるために、軸としてスーパーマンが出てくるし、さらっと読むと理解が難しい メインのビッグデータの連結はすでにほかの国では現実となっているだろうことだけど、そうした社会の息苦しさを考えるとちょっとぞっとする この分野に精通して文章が書ける人は限られるので、続編をぜひ書いてほしいと思う
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
勝手にもうちょっと硬派な内容を期待してましたが、怪人物が登場してややエンタメよりでした。本書が発売されてから5年以上経って、今の技術はどのくらい進歩しているのか興味が湧きました(それともあまり変わってない?)。一点、舞台が関西ということで関西弁の人が何人か出てきますが、取ってつけたようで終始気になりました。標準語でもいいような気もしますが。関西の方は違和感なく読めるんでしょうか???
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出張のお供に小説を持っていきました。 犯罪小説はあまり得意ではないのですが、 テクノロジーな世の中になっているので、 それに関連しそうなネタであって、 ちょっと新しい著者にトライしてみたいということで この小説を読んでみました。 ビック・データ時代に警笛を鳴らすような小説で、 ...
出張のお供に小説を持っていきました。 犯罪小説はあまり得意ではないのですが、 テクノロジーな世の中になっているので、 それに関連しそうなネタであって、 ちょっと新しい著者にトライしてみたいということで この小説を読んでみました。 ビック・データ時代に警笛を鳴らすような小説で、 これからはますますデータを扱う人の 倫理観が求められてきそうな小説です。 著者はもともとIT業界出身のようで、 至る所に出てくるテクニカルタームが素人には理解できません。。 でも、小説の大枠はちゃんと理解出来て、 スリリングな展開を楽しめるので、問題ありません。 IT系の人なら業界のことをよく理解しているので、 もっと楽しめるんでしょうかね? これからの時代、どんな人でもデータやAIなどとは 切っても切れない関係になってしまうので、 こういった小説で時代のニュアンスを感じておくのはとても良いと感じました。
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同著者の他作品にあったのITやテクノロジーに対する描写は比較的控えめ。オービタルクラウドやジーンマッパーの様な壮大な世界観を期待していると当てが外れるかも。でも一気に読み切れたので作品としては面白かった。
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Amazonで電子書籍「Gene Mapper」に出会った時、新しい時代の到来と溢れる才能に心が昂りました。その成功後、作家として歩み始め、以降の作品が書籍として刊行されるに至り、その作品に触れることがありませんでした。 本作、まさに「警察ミステリー物」。もちろん作家が得意とす...
Amazonで電子書籍「Gene Mapper」に出会った時、新しい時代の到来と溢れる才能に心が昂りました。その成功後、作家として歩み始め、以降の作品が書籍として刊行されるに至り、その作品に触れることがありませんでした。 本作、まさに「警察ミステリー物」。もちろん作家が得意とするテクノロジーを題材にしたものですが、警察組織や地方警察、IT産業界の実情、社会情勢を綿密に取材し、働く者の悲哀をリアル描いた作品ではないでしょうか。
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