未来を変えた島の学校 の商品レビュー
人口減少、高齢化など、消滅しそうな地方の新たな価値観を産み出すヒントが沢山詰まっていた。 本書の島根県立隠岐島前高校は、現在普通科と地域共創科の各学年2クラス。 地域で学びながらグローバルにも挑戦できる教育プログラムでたとえば、稲刈りのお手伝い、世界各地で文化交流するなど、外...
人口減少、高齢化など、消滅しそうな地方の新たな価値観を産み出すヒントが沢山詰まっていた。 本書の島根県立隠岐島前高校は、現在普通科と地域共創科の各学年2クラス。 地域で学びながらグローバルにも挑戦できる教育プログラムでたとえば、稲刈りのお手伝い、世界各地で文化交流するなど、外に出て実際に体験することで学ぶ。 本書では、活力溢れる現在の島前高校に至るまでの過程を仔細に記してある。 現代社会で失われつつあるローカルなセンスを活かす働き、非常に興味深く感じた。 そこに暮らす人達(役所、学校、よそ者の改革者、住人、子供)が同じ矢印のベクトルで、熱意と情熱を持ってアイデアを巡らせ、協働して実行に移す。 ローカルなヒトのつながりや協働の精神、何も無いから生まれる魅力づくり、不自由で厳しい自然環境下だからこそ育まれる粘り強い精神力。 都会とは、対照的な生き方にも幸せが沢山詰まっている。 と終わらず、、、、ローカルと対義語のグローバルを掛け合わせて、グローカルと言う人材を育成して、世界でも活躍し、島にも還元させていく考え方。 途方もなく無限に広がる可能性に、あっぱれ!!
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先日、NHKの新プロジェクトXでこの島の物語を見た。町長と町職員の奮闘の物語だった。この本はその中でちらりと出てきた島前高校の物語。 本を読んでいて、何度も涙をぬぐった。久しぶりの感覚だった。 もしも、何千万円台の資金があったら、プロデューサーとなって映画化したい。 読んでいて、...
先日、NHKの新プロジェクトXでこの島の物語を見た。町長と町職員の奮闘の物語だった。この本はその中でちらりと出てきた島前高校の物語。 本を読んでいて、何度も涙をぬぐった。久しぶりの感覚だった。 もしも、何千万円台の資金があったら、プロデューサーとなって映画化したい。 読んでいて、1ページ1ページ、その場面が映像となって浮かんでくる。その度に目頭が熱くなり、そのまま熱い涙がこぼれる。 すべては人なのだと思った。動く人がいるということの大切さを感じながら、どんな改革も一人では難しい。動く人が集まって成し遂げられるものと感じた。そういう時が来るのだと思った。 動く人、それは大切、それ以上に人を動かすことの難しさも頭の中をぐるぐると走り回る。兎にも角にも、人なのだと思う。 高校生の成長が熱い。 一流の教師を定義した言葉がしみる。 同じ意味で、この高校の卒業生は一流の卒業生なのだろう。 「ふるさと」の歌詞は、助詞一つでこんなに変わるものなのか。 読んだものに一つの言い訳もさせない、この強さ。 今日も生きていこうと思う。
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海士町の挑戦事例はあまりにも有名で地方創生系の論文やセミナーで拝見していましたが、本書を通してよりリアルな現場目線での動きを知ることができよかったです。2008年に高校魅力化プロジェクトを本格的にスタートさせて、2015年には"未来を変えた"出来事として本を出...
海士町の挑戦事例はあまりにも有名で地方創生系の論文やセミナーで拝見していましたが、本書を通してよりリアルな現場目線での動きを知ることができよかったです。2008年に高校魅力化プロジェクトを本格的にスタートさせて、2015年には"未来を変えた"出来事として本を出せてしまうスピード感に感銘を受けました。
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地域がどう将来を描くか、どれだけの人が本気で関わるか。1人では何もできない、みんなで進むことをみんなで、自分たちのこととして考えたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高校生が島の観光プランを考え発表して評価されて終わりにせず、実際に行動し苦悩し助けられ実現までやり抜いた。このプロセスで家族や島民に支えられ助けられた経験が、「いつか自分たちが地域に恩返ししたい」という夢に繋がる。この価値は大きい。 自分に置き換えて、いまの仕事は実行の苦しみまで味わっているか?企画提案で満足して、提案対象から切り離される「関係の終わり」にホッとしていないか?背筋がピンとした。MITダニエル・キム教授の成功循環のモデルも取り上げられていたが、関係の質・思考の質が行動の質・結果の質に繋がっていくことを忘れてはいけないと再認識した。
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これだけ障害を乗り越え上手いこと軌道に乗りましたという話ではあります。でもかなり参考になりました。しかしよく人が集まるもんだなと。
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私の娘が隠岐島前高校を志望しているのにあたり読んでみました。これまでの過疎地である島前高校の奮闘をつぶさに垣間見ることができたこの本は、地域の住民、支える教員たち、生徒などが一体となり、己の成長とともに、地域の成長という視点で熱を持って成長していく姿に非常に感銘を受けました! 私...
私の娘が隠岐島前高校を志望しているのにあたり読んでみました。これまでの過疎地である島前高校の奮闘をつぶさに垣間見ることができたこの本は、地域の住民、支える教員たち、生徒などが一体となり、己の成長とともに、地域の成長という視点で熱を持って成長していく姿に非常に感銘を受けました! 私の娘も是非この高校で人間として成長して欲しいという思いを募らせましたが、最終的に決断するのは本人なので、それを尊重したいという思いにかられる今日このこの頃です。
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島根県の沖に位置する隠岐の島は、古代から日本と大陸を繋ぐ重要な立ち寄り地点として、また、近世では流刑地としても重要な日本の島としての役割を果たしてきた。 その、隠岐の島には、島の人々の力で勝ち取った島の高校があった。 月末島根県立島前高校。 高校進学を機に、島から若い人材が流出...
島根県の沖に位置する隠岐の島は、古代から日本と大陸を繋ぐ重要な立ち寄り地点として、また、近世では流刑地としても重要な日本の島としての役割を果たしてきた。 その、隠岐の島には、島の人々の力で勝ち取った島の高校があった。 月末島根県立島前高校。 高校進学を機に、島から若い人材が流出してしまうことを防ぐ砦だった。 しかし、人口減少の影響を受け、島前高校の生徒数は減少。頼みの綱の高校廃止、そして緩やかな島の滅亡が現実のものとして迫った時、町長を中心とする島の有志が立ち上がる。そして、島外の専門家の力を取り入れ、高校の再生を起爆剤として、島の再生を目指すプロジェクトが立ち上がった。 本書は、現在もまだ続いているその再生プロジェクトの報告書。 再生プロジェクトの中心だった高校生は、いま、大学生となって将来の島の姿を考えている。 この戦いの記録、そして、この希望の記録は、同じように、力をだんだん失ってきている地域の再生のヒントになるかもしれない。
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島根県隠岐島前。他所から来た人の力は、岡山県上山の本でも取り上げられている。どちらも他所から来た人が大事なことは、地道に地元の人達の信頼を積み上げていくことなんだろう。
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感動した。隠岐の島の島前高校は最近は「島留学」ということで島外からの入学生が多いことで話題だが、そこに至る努力、人と人のつながりが、熱いね。
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