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網野善彦対談集(3) の商品レビュー

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2015/06/24

日本中世史を中心に農本主義者からの視点から脱却し列島の歴史像の変革に挑戦し、「日本」とは何かを問い続けた歴史家・網野善彦。 日本史はもとより西洋史・文化人類学・考古学・民俗学・文学・芸能など多彩な分野の第一人者たちと語り合った対談・座談の記録を集成したのがこの本である。 列島...

日本中世史を中心に農本主義者からの視点から脱却し列島の歴史像の変革に挑戦し、「日本」とは何かを問い続けた歴史家・網野善彦。 日本史はもとより西洋史・文化人類学・考古学・民俗学・文学・芸能など多彩な分野の第一人者たちと語り合った対談・座談の記録を集成したのがこの本である。 列島において営々と暮らし続けたご先祖は、後世のものたちのそれぞれのステレオタイプで分析・評論されるため生きてきたのではない。 農本体制の下、捕捉されてきたご先祖の足跡は歴史として顕在化されやすかっただけのこと。 水呑百姓とは、土地は少しだけしかもたないが、農業以外の生業ではとっても裕福だった者たちだったのである。 時代を見つめ、未来を展望する智慧に満ちた、生き生きとした議論がここに甦った。 響き合い、触発し合う学問と思想の原点に出会ったような気がした一冊でありました。

Posted byブクログ