ブラック企業(2) の商品レビュー
すでに、日本の社会に組み込まれている感のある「ブラック企業」。 日本の「良い」ところもあった就業習慣を悪用するわけだから、根が深い。 では、ヘイゾーの言うような社会が正しいかといえば正しいわけがない。 誰のための社会で、誰のための労働なのか。 カリスマ社長が、そのレベルを違う「...
すでに、日本の社会に組み込まれている感のある「ブラック企業」。 日本の「良い」ところもあった就業習慣を悪用するわけだから、根が深い。 では、ヘイゾーの言うような社会が正しいかといえば正しいわけがない。 誰のための社会で、誰のための労働なのか。 カリスマ社長が、そのレベルを違う「業種」の社員に正しいと思って押し付ける醜悪さ。 ブラックなところが全くない組織というのも難しいのかも知れないが、この辺解決しないで外国人入れるって、なんの利権なの。
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横並びに企業を比較できるデータベースなどの構想は賛成。インターネットの良い点の一つは透明性であり、日本企業の意味の分からない秘匿に労働者が泣かされてきた実態はあるように思う。世の中の全ての人が、安心して働ける社会になって欲しい。
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こちらも同じで、たしかに具体的な例を示してこの世にこんあブラック企業もあるんだと周知するという意味ではいいと思いますが、もっと労働者が具体的、現実的にどういう風に対策を取ればいいかを示してほしかったと思います。
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人を馬車馬のように働かせてゴミムシのように使い潰す企業の問題と対策、第2弾。 募集の段階からして搾取する気に満ち溢れた企業が悪質極まる。甘言に騙されて入社するケース、そこに入るしか選択肢のないケース様々だが精神がイカれるか自殺にまで追い込まれるこのシステムは恐ろしい。とにかく働く...
人を馬車馬のように働かせてゴミムシのように使い潰す企業の問題と対策、第2弾。 募集の段階からして搾取する気に満ち溢れた企業が悪質極まる。甘言に騙されて入社するケース、そこに入るしか選択肢のないケース様々だが精神がイカれるか自殺にまで追い込まれるこのシステムは恐ろしい。とにかく働く時間がながすぎるんだよ!ということ。
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■ブラック企業の労務管理パターン ・大量募集(1段階) ①月収の誇張,虚偽の条件で募集 ②正社員ではないのに偽装 ・選別(2段階) ③いつまでも終わらない就活 ④戦略的パワハラ ・使い潰し(3段階) ⑤残業代を払わない ⑥異常な長時間労働 ⑦幹部や社長にして使い潰す ⑧職場崩壊 ...
■ブラック企業の労務管理パターン ・大量募集(1段階) ①月収の誇張,虚偽の条件で募集 ②正社員ではないのに偽装 ・選別(2段階) ③いつまでも終わらない就活 ④戦略的パワハラ ・使い潰し(3段階) ⑤残業代を払わない ⑥異常な長時間労働 ⑦幹部や社長にして使い潰す ⑧職場崩壊 ⑨辞めさせない ⑩鬱になったら辞めさせる ■20代,30代の働いていた人が,働けなくなる理由の大半は精神疾患 ■ブラック企業に入社する二つの理由 ①当人たち自身がブラック企業の誘い文句に異議を見出し,積極的に選び取っている ②そもそも労働条件が分からないままに入社せざるを得ない ■恫喝による脅しで辞めないように脅迫 ・暴力に発展することも ・組み合わせで「法律」や「契約」を持ち出す ・「辞めない約束」を強要 ■無理な命令,無茶な職場環境に順応し,働き続ける「心身の喪失状態」の維持こそが,ブラック企業にとって理想的な状態。 ■異常なまでに順応を強いる研修は「順応→心神喪失」のサイクルを強化するためのもの。 ■新入社員研修のの2つのアプローチ ①学生のアイデンティティを奪う「剥奪的社会化」 ②現在のアイデンティティは否定せずにルールを教える「付与的社会化」 ■「順応と破壊のサイクル」への3つのルート ①主体的な「自己像の追求(自己実現や挑戦)」から絡め取るルート ②「まじめさ」から絡め取るルート ③「生活のため」から絡め取るルート ■ブラック企業の労務管理体制は,サービス業で莫大な利益を出すための方法論 ■サービス業では,社員が「安く・長く」働くほど利益は大きくなる。 ・製造業を中心とした従来型産業とは異なる ・研究開発や製造工程の革新で大きく生産性を上げることができる場合,「安く・長く」以上のイノベーションがある程度可能 ■IT業界の利益は「人数×時間・日数」 ■日本型雇用の(特徴である)終身雇用と年功賃金の背景は強大な指揮命令権限と能力開発。 ・日本の企業の命令権限は世界的にみてもきわめて強い ・給与が上昇していく根拠は,労働者の「能力開発」に求められる ・自社内の社員を柔軟に再教育して配置する ・幅広い知識と個別事情に精通した社員が質の高い労働を提供できる ・「終身雇用・年功賃金」は企業にとっても労働者にとっても利害が合致する仕組み ■ブラック企業が「日本型」にならないのは,労働集約型の職場であるから。 ■研究開発や製造工程をイノベーションできる製造業と異なり,サービス業は直接的に経営者の利益と労働者の利益が対立する ■利益を出すために「もっと安く,長く働かせよう」「そのためにはどうやって追い込んだらよいか」という経営者が出てきてしまった。 ■サービス業は非正規雇用が多く,まさに「安く」労働力を確保することで競争に打ち勝とうとし,近年では「安い」まま責任ある業務に就かせるやり方も横行している。 ■ブラック企業をなくす3つの方法 ①法律を守らせるための社会的サポート ②「モグラ叩き」にならないための会社全体の改善 ③企業を超えた「共通の基準」の確立 ■サイン(兆候)を見逃さない ・「辞めようかな」というそれまでとは違う言葉 ・無断欠勤 ■過労死を織り込み済みで「利益の出る労務管理」を設計 ■若年者雇用対策 ・労働条件の的確な表示の徹底 ・職場情報の積極的な提供 ・公共職業安定所での求人不受理 ■日本国家の「ブラック化」 ・近視眼的な経済運営 ・第1に過労死問題 ・第2にブラックバイト問題 ・第3にマタニティハラスメント ・共通する事項は,日本という国そのものがブラック化しているということ。国家のブラック化とは,その国の未来を考慮せず,近視眼的に資源を食い潰してしまうような経済運営の在り方
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※このレビューにはネタバレを含みます
事例をあげ手口をより詳細に分析している。 さらに対策を提案している。 規制緩和でブラック企業はなくならないというのはなるほどと思った。 社会人の基準がないゆえに無限の要求をされるというのはうなずかされた。 共通の基準を作り無限の要求に対抗するという目標は実現してほしい。
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大佛次郎論壇賞の前著から2年半、この本の役割は大きかった。流行語大賞にも選ばれ、政府も取り締まりを強化した。しかしブラック企業はなくならない。それどころか、いまだに被害者の多くはブラック企業に積極的に入社し、また、自ら「辞めない」で働き続けている。著者は単なる研究者ではない。自ら...
大佛次郎論壇賞の前著から2年半、この本の役割は大きかった。流行語大賞にも選ばれ、政府も取り締まりを強化した。しかしブラック企業はなくならない。それどころか、いまだに被害者の多くはブラック企業に積極的に入社し、また、自ら「辞めない」で働き続けている。著者は単なる研究者ではない。自ら労働相談を組織し、年間2000件以上の労働相談と関わってきた運動家でもある。だから、この本は単なる社会現象を分析・批判するのではなく、それでも被害がなくならないことに直面した者が試行錯誤しながら、その処方箋を作ろうとしているレポートになっている。そういう意味で高く評価したい。 34Pの「上位6疾病の傷病別件数の構成割合」グラフ(社会保険給付の推移)を見てビックリした。「精神及び行動の障害(つまりウツ等の精神疾患)」だけが、見事に98年から急上昇して、2008でトップになって高止まりしているのだ。派遣労働の普及からリーマンショックの時までに、健康でフルタイムで働いていた若者が壊れていく仕組みが完成したのである。ブラック企業が、社会状況と法整備を受けて、自覚的に増えてきたのがこの表一つからも分かる。こんなことを放置していたのでは、国家財政も壊れるし、社会資本も衰退する。だから、政府・行政も動かざるを得なかった。ただし、その動きはちまちましていて、立法府の動きは反対方向に向いているのは、ご承知の通り(派遣法は改悪されたが、残業ゼロ法案は見送られた。運動の成果である)。 詳しく紹介出来ないので、目次をコピーしてある程度略したい。 【目次】 第1章 わかっていても、入ってしまう 第2章 死ぬまで、辞められない 実は「異常な精神状態」こそがもっとも苛烈に働いている状態であり、この状態を長く持続することこそが利益の源泉となる。そうであれば、「異常な精神状態の持続」にこそ、このマネージメントの本質があるのではないかと疑われる。(114p) 第3章 絡め取り、絞りつくす ブラック企業はこの日本型雇用の「幻想」をうまく活用している。若者は、旧来の日本型雇用のように、ブラック企業でも「頑張れば報われる」「成長できる」と思っている。だから「挑戦するのだ」という気持ちで入ることも、過酷な状況で頑張り続けることも、入社の当初は自分自身の決断だったわけだ。(150p) 第4章 国家戦略をも浸食するブラック企業 第5章 なぜ取り締まれないのか? ここでは、正義の味方であるはずの労働基準監督署がいかに頼りにならないかが説得力もって書かれている。これに関して、私は最近象徴的な一言を、私が関係している労働相談の被害者から聞いた。労基署に相談にいくと、署員は「会社と労働者を平等に扱う」と言ったというのだ。労基署は言うまでもなく労基法の精神にのっとり設置されている。労基法は、そのままでは労働者は会社よりも弱い立場にあるので団結権や様々な権利を与えて労働者を「守る」ために作られた法律である。労基署職員が「会社と平等に扱う」ようでは、結果的に会社寄りの結論を出すのは目に見えているだろう。 ここでは、駆け込み寺としてのユニオン(組合)や弁護士団体のことも書かれている。しかし、交渉が解決すればすぐに労組を離れてしまう「モグラたたき」交渉の問題点もきちんと書いている。今回の巻は、このようにかなり実践的な記述に頁を割いているのに特徴がある。 第6章 奇想天外な「雇用改革論」 現在の雇用改革案をことごとく切っているのは好感が持てる。 第7章 ブラック企業対策――親、教師、支援者がすべきこと これらの改革案を実現するには、現実の政策の大転換が必要である。「会社が世界一活動しやすい国家を目指す」と言っている首相のもとではなかなかむつかしいことは確かだろう。 2015年6月読了
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エコノミックアニマルと揶揄された団塊世代の働き方とは物質的豊かさの保障と実現が裏打ちされたものだったというのは、はっとさせられた。やはり現代の若者の仕事の向き合いかたとは全然違うものだと思った。
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若い頃は、サービス残業をしていたし、持ち帰り仕事もしていた。それと今で言うブラック企業とは何が違うだろう。それは、むちゃくちゃ働いていたが、それ相応のペイはあったと思う。今のブラック企業はただただ従業員を遣い潰して行くだけで、将来に明るいものが全くないように気がする。
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※このレビューにはネタバレを含みます
アパレル、不動産業、飲食業などのブラックの実態をとりあげながら、どうしたらブラックがなくなるのか説く。企業ごとの労働組合よりも、欧米型の業種毎の組合の方が、業界の給料基準が決まっていいのではないかと説く。確かにそう思う。
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