手のひらの幻獣 の商品レビュー
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動物のイメージをあやつる異能力者の日野原柚月は、ある日、出来たばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには、異能力者のパワーを増幅する禁断の存在が隠されていて…。『小説すばる』掲載を単行本化。 記憶を亡くした社長が禁止されている並列表出の実体と対決 少女の頃から面倒を見ていた表出者が助けてにきたので内部を抉られすに助かる。
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タイトル+新刊に惹かれて初めての作家さんに挑戦してみました。 超能力的な力「表出」を生まれ持った主人公が、同じような力を持つ者がその力を使って働いている会社に勤めながら孤独な生活を送っている。その会社の社長との関係、「表出者」と世界、またその国の情勢、ライバル会社、、、など色々...
タイトル+新刊に惹かれて初めての作家さんに挑戦してみました。 超能力的な力「表出」を生まれ持った主人公が、同じような力を持つ者がその力を使って働いている会社に勤めながら孤独な生活を送っている。その会社の社長との関係、「表出者」と世界、またその国の情勢、ライバル会社、、、など色々なコトに巻き込まれながら、自分を振り返り、大切な人を支え続ける。 「表出」という力はイメージした物を現実世界に召喚するといった力。動物が多いみたいだけど。こういう話、慣れてないからか久々だったからかイメージしずらくてちょっと大変だった。「表出」「具現化」「天蓋」・・・空想の超能力の専門用語がバンバン出てくるからわかりにくいし、その言葉でイメージしやすいような、、、しにくいような、、、。。しかも、表出する動物も空想の動物とかもいて・・・なんとなーく、こんな感じかなー、みたいな感じでのイメージしながら読んでました。政治的なコトも関わってくるから難しくなる時もあるし、、、。 主人公の気持ちを考えてみても、わかるようなちょっと理解できないような、、、おもしろかったけど、イマイチつかみどころに困るお話だった。
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日本に似た国の、日本ではない国を描く三崎亜記の新刊、イメージを可視化する能力を持つ「表出者」の葛藤と戦いの中編二編を収めた。 「研究所」 この国の表出者の仕事と言えば、動物園で希少動物の展示を「表出」によって行うことくらいだ。すなわち、実際の動物ではなく表出者のイメージを観客に見せている。 日野原柚月は表出者の派遣会社の一社員だ。会社の社長は表出者の会合の代表者を務める。 その関係から表出者の能力向上のための新研究所に関わることになった柚月だが、その裏では非常に危険な実験が行われていた。 新研究所の披露会、その日に事件は起きた。 「遊園地」 あの事件から12年後、柚月は表出者のたくや君とコンビになり動物園での表出を続けていた。 事件以降、表出能力の使用には大幅な制限が課されるようになった。 しかし、かつてこの国が戦争をした相手、同盟国はこの国の表出者の扱いに対して圧力をかけるようになった。 いわく、表出者の国家管理が必要だと。 休日、柚月とたくや君は二人で遊園地にきたが、そこでたくや君が表出波をとらえた。誰かが僕を読んでいる、と。 久々の三崎亜記。文字を読んで頭の中でイメージを掴めないと全く面白みを感じないと思う作者筆頭。 後半の叙述トリックがずるいなぁ、そうきたかよ、と思う。 前編でのラストが提示されないまま、12年後の後篇が始まる。ただ、前編のその後はすべて開示されるのでご安心を。
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