出張料理 おりおり堂 卯月～長月 の商品レビュー

安田依央(著者)

2024/10/07

シリーズ完結しています。
こちらの本はその第1巻です。
崖っぷち主人公が心の声をダダ漏らしにしながら必死に毎日を送り仕事をみつけ恋愛の入り口を察する。
人を介したエピソードとともに飯テロに近い料理の数々を読むことでとってもほんわかした読後感がやってきます。

2023/05/08

粋に着物を着こなす老齢の桜子がオーナーの骨董店おりおり堂は、イケメンの料理人の仁（じん）が行う出張料理もやっている。ひょんなことから出張料理人仁の助手となった32歳の澄香。仁へ恋心と妄想を抱きながら助手を務めてゆく。
仁が出張料理を行うには深い事情があった・・・。

2021/03/27

偶然訪れた骨董屋で出会ったイケメン出張料理人。鋭い味覚を見込まれ、その料理人の助手となったアラサー元派遣OLは、一流の腕と気配りのある料理人にすっかり夢中。季節の美味しい料理と、なかなか難しそうな恋の行方を、コメディタッチで読みやすく描いている。少女漫画を読んでいるような感覚で、かなり気楽に読めるうえ、季節の行事や植物、食べ物について学べるので若い人にもオススメかも。

2019/07/23

婚活中の山田と友達のやりとりが、コミカルさの中にリアル感があった。山田が採用された舌の敏感さがあまり発揮された場面が少ないのが残念。濃いキャラが多くて飽きない。どちらかといえば、料理より恋愛話が主軸。

2018/11/05

終始、女性向けコミックを読んでいるような感覚でした。
32歳の派遣社員、山田澄香はひょんなことから、パラレルワールド、別名、乙女の妄想ワールドに入り込んでしまいました。

ただ、このおりおり堂の、女子の好きなものをちりばめておしゃれでしょう？と押し付けてくるような完成された雰囲気が、ある意味澄香によってぶち壊されていることで、バランスがとれている感があります。澄香よ、フォーエバー。そう思うわたしも、たぶん澄香とどっこいどっこい。

続きも読みたいなあと思っています。

2018/10/13

上品な老婦人の骨董店を拠点に出張料理を営む料理一筋の仁の助手になった三十二歳の澄香目線のノリの良い文章からの、仁の事情の重さに引き込まれた。悪びれない藤村の、亡妻経由の口説きがしんどく、仁への正義の問い詰めもつらい。彼、良い所なし…。元気なオネエ達や仁を連れ戻したい京娘が賑やか。和食も上品で鮮やか。

2018/05/24

図書館の新刊リストに入っていて、面白そうなのでリクエストしてみた。初読の作家氏。
きれい～なハードカバーにウフフとなって読み始めてみたら、最初の短編で
「軽っ！！」
と、やや引いた。笑

いや、引くまでは言わないけど、ちょっと意外。

価値観や生活水準（？）が違うママ友に合わせるのに必死で、子どものことやほんまに自分がどうしたいのかを見失うママの話とか、正直めっちゃ重たいやん、と、思うのに、すごいサラッと話をまとめたので、あー、これはちょっと、面白い面白くないではなく、好みではない話かな？

・・・と、思ったのに・・・。

章が進むにつれてどんどんはっちゃけてくる澄香の語り口に、だんだん惹かれていったわ。
クセになるっていうか、これはこれで、おもろい！　ちゅう具合。
仁さんの過去ですら重たそうなのにねー・・・。
真面目にやってるのがまたいい。

ボリュームのわりにドドドッと読めたよ。続編もあるようなので、即リクエストしようー。
仁さんが全然澄香を女性として大事にしてなさそうなのが、いい。
そもそも澄香が下心丸出しで仁さんに近づいているのも、おいおいヒロインとしてそんな即物的でいいのか、と、思うんやけど(笑)、そのぶん仁さんがなびかないので、いいのかもな。笑

そして仁さんがなびかないのを承知でキャッキャキャッキャいうてる（ように見える）澄香が、いかにもアラサーで、いい。
その仁さんと藤村を天秤にかけて藤村を推す諸岡さんも現実を見てて、いい・・・。

根拠もないけれどノリだけで（他人の恋愛を）「大丈夫、いけるって」って、いうのは、確かに中学生までよね。
ちょっと笑っちゃった。

料理の描写も丁寧でおいしそうです～。
「食堂つばめ」も、現代が舞台で料理も馴染みがあるものが多いけれど、こちらも馴染みのある料理が多かった。
セレブ仕様になってるのが、フィクションとして見ていて楽しい。
澄香ちゃんの舌と、食事（と、仁さん）に対する表現も丁寧で良いです。

どうでもいい男に言われる「お前」は不愉快やけど、好きな男に言われるそれはキュンとするらしいよ(笑)！
フォーティーズの私から見たらそれはもうわからないので、なんだかんだいうても澄香も若いよ、と、思った。

続編もすでにあるらしいので、早く予約しようー。

自分たちのものさしではかれない人もいる、と、いうことをわからないのは若さゆえやと思う。
アミーガたちとの会話も興味深い。
ちゅうのも、私はアミーガよりの人なのかも(笑)。マイノリティですもの。

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■勘案　かんあん

あれこれと考え合わせること。勘考。「諸般の情勢を勘案する」

■ブーケプルズ

花嫁が持つブーケに複数のリボンを垂らしてそのリボンの先端を女性ゲストに1本ずつ持ってもらいます。

花嫁の合図で一斉にリボンの端を引っぱり、ブーケと繋がっているリボンを引いた女性にブーケが贈られるというブーケトスに代わる新しい演出です。

■縷々　るる

① こまごまと話すさま。綿綿。多く副詞的に用いる。 「 －事情を説明する」 「身の振方を依頼して来た趣を－咄し出したが／浮雲 四迷」

② 細く絶えずに続くさま。

■木槿　むくげ

■デベロッパー
開発に携わっている人や開発会社のこと。

■おかしみ

マ行四段活用の動詞「おかしむ」の連用形、あるいは連用形が名詞化したもの。

■涓滴　けんてき

１ 水のしずく。したたり。
２ わずかなこと。少しばかり。「涓滴の功を奏する」

■ハシビロコウ

ペリカン目ハシビロコウ科ハシビロコウ属に分類される鳥類。本種のみでハシビロコウ科ハシビロコウ属を構成する。

(2017.06.08)

2017/12/26

出張料理おりおり堂の天才料理人の仁と
、彼に恋する澄香。

タワーマンション奥さんランチ会で使われた鯛の行方。
オネエ軍団にもまれながらの鰹のタタキ。
年の差婚の花嫁の本音に振り回された結婚式。
鱧でよみがえる仁の京都での過去、亡き妻に姿を重ねられる澄香。

京都の料亭で修行中に若女将と交通事故にあった仁。

こちらが先の話だったのね。
もう一冊から先に読んでしまった。
おいしい料理食べたいな〜。

2017/11/13

主人公は平凡なアラサー女性だと思ったら、いきなり絶対味覚の持ち主？
ストーリーの都合上、その特技は必要だと思うけど、だったら最初にそれっぽいエピソードも入れておいた方が良い気がする。

恋愛脳にちょっとウンザリするけど、判りやすいライバルポジの葵が出て来た途端、応援したくなる
作者がそれを判ってやってるなら、すごい

2017/10/24

タイトルの文字と表紙のいろどりがはんなりした感じで、おもわず、「卯月～長月」「神無月～弥生」の二冊まとめて棚から引き抜きました。
出張料理…うんうん、おいしい料理と人情の話に違いない！
そうしたら…
人情、「人」の「情」のお話には違いないのだけれど、どちらかといえば恋のお話に天秤が傾く。

本来は骨董屋である「おりおり堂」の奥のカフェで料理を出すイケメン料理人の橘仁。
実は、お客様のお宅におじゃまして料理をふるまう出張料理人でもあった。
料理はからきしダメだが神…のような舌を持つ派遣ＯＬ（絶賛婚活中３２才）の山田澄香は、スカウトされて彼の助手を務めるようになる。

澄香の心の中で展開される、ハイテンション恋する乙女（３２歳ですが）モノローグ、というかセルフ乗り突っ込みがすごい。
なんだこれ、中央公論新社って書いてあった気がするけど、ア○ファポリスじゃないの？それともラノベ？！
澄香の前に立ちふさがる、ライバル美女も登場して、お約束な展開！

出張先のお客様にもさまざまな事情があり、特に「文月」の鱧の神崎氏の人生観は、仁の過去を掘り起こすきっかけとなった。
浮ついた感じだった澄香の気持ちも、シリアスなものになっていく。

仁の作る料理の描写は文句なしにおいしそう。
オネエさんたちも、大変良い仕事をしてくれる。
読みやすくておもしろい文体です！
先が気になるので、とにかく読むことにします。
がんばれ、山田！

卯月　タワマン夫人と鯛供養
高級マンションの奥様たちの食事会。
さりげなく、カーストが透けて見える。

皐月　炎の鰹とオネエの謝肉祭
最近あちこちの小説に顔を出すドラアグクィーンたち。
男のたくましさと、乙女の繊細さを併せ持つ！

水無月　モンスターブライドと五色の極楽鳥
地味こけしのわがまま暴虐ぶりに、読者ぶち切れ寸前…
しかし、思わぬ展開。

文月　骨切り鱧と西から来た男。
神崎又造氏の米寿の祝い。
集まった四世代のしあわせな宴。
しかし、京都出身ときいて仁が作った鱧料理に神崎氏は…

葉月　焼き夏牡蠣と招かれざる客
鱧が京女を呼び寄せた？
いい男ぶりのチョイ悪オヤジ（死語）も牡蠣を抱えてやって来る。

長月　恋の行方と月夜の宴
ついに、仁の過去が明かされる。
長月の有明の月…というやつですか…
誰もがみんな待っているのね。
いつまで待てばいいのだろう。