常磐線中心主義 ジョーバンセントリズム の商品レビュー
常磐線から見た東京、千葉、茨城、福島。 距離とともに関係が変化。 東北本線や東海道線とは違う、物流の軸。 中央線や小田急線とは違う、ブランドのない隠れた地域。 総武線とは親和性があるか? 東京の下半身として大都市を下支え。 ブルーカラーと郊外居住ホワイトカラーの混在。...
常磐線から見た東京、千葉、茨城、福島。 距離とともに関係が変化。 東北本線や東海道線とは違う、物流の軸。 中央線や小田急線とは違う、ブランドのない隠れた地域。 総武線とは親和性があるか? 東京の下半身として大都市を下支え。 ブルーカラーと郊外居住ホワイトカラーの混在。 未来をどう描く? 東京の重力圏域との付き合いを再考するきっかけになる。 首都圏沿線型コンパクトシティの有り様とは?
Posted by
昔常磐線沿線で仕事をしていたこともありましたが、常磐線マニアックですね。そんなマニアックを綴った一冊。
Posted by
分析の切り口も面白く、夢中で読んでしまいました。 あまり取り上げられることのない常磐線も、入り込んでみると知らない面白さが溢れていることが分かりました。住んでいなくてもその街の雰囲気が伝わってくる不思議な一冊でした。
Posted by
あまり語られることのなかった、日本の下半身としての常磐線沿線について、震災も絡めて記されている。なるほど、確かに常磐線沿線と聞いても、地味だしこれといってぱっと思うことはない。そう言う意味で日本再発見的な面白さはある。しかしやはり震災と言う大きなテーマと、常磐線沿線についてが、ミ...
あまり語られることのなかった、日本の下半身としての常磐線沿線について、震災も絡めて記されている。なるほど、確かに常磐線沿線と聞いても、地味だしこれといってぱっと思うことはない。そう言う意味で日本再発見的な面白さはある。しかしやはり震災と言う大きなテーマと、常磐線沿線についてが、ミックスされると、どちらも中途半端な感が否めない。そして本書にも書かれているように、富岡以北がないのも物足りなさ感がある。
Posted by
「東京の下半身」常磐線沿線についてまとめられた本。都心に出るには便利かつ海も山もあって農業や様々な資源に恵まれた地域であるはずなのに、新幹線も通らず地価も安い日陰者扱いされているエリアを語るのは今しかないだろう。 それは、東日本大震災による福島第一原発の事故という災害と無関係で...
「東京の下半身」常磐線沿線についてまとめられた本。都心に出るには便利かつ海も山もあって農業や様々な資源に恵まれた地域であるはずなのに、新幹線も通らず地価も安い日陰者扱いされているエリアを語るのは今しかないだろう。 それは、東日本大震災による福島第一原発の事故という災害と無関係ではない。上野駅からスタートするこの紀行は、東北地方から集まった労働者と炭鉱⇒電力へと変遷する資源供給の歴史を丁寧に紐解いていく。アメ横で新巻鮭や靴が売られているのも、上野公園に浮浪者やイラン人がたむろしていたのも、山谷地区にドヤ街があったのも、常磐線という存在とは切り離すことができない。 柏という典型駅な郊外エリアは、2011年に放射性物質のホットスポットになった経緯もあり、住民主導の除染活動によって大きな成果を挙げた先進的な公民連携の取組みを実現している。もちろん反原発や健康被害に対する政治的な対立もあったはずだが、ほとんど地域を顧みることのなかった新住民たちが、都会の企業のロジックで除染プロジェクトを遂行していくプロセスは参考になる。 そして、常磐線は富岡駅の前で途切れている。原発立地自治体として、大半の住民が避難生活を送るこの地域においては、原発によって生かされてきたという歴史的事実と、先祖と子孫に対して取り返しのつかない事故を起こしてしまったという複雑な感情がまだまだ支配している。 常磐線という路線は分かりやすい日本の縮図だ。都市(上野)~郊外(柏)~地方都市(水戸)~田舎(いわき)~限界集落(富岡)というラインを一本で結びつける、全国でも珍しい路線なのだ。
Posted by
- 1