為替換算調整勘定の会計実務 第2版 の商品レビュー
在外子会社等の財務諸表の換算により生じる調整項目であり、在外子会社等への投資に係る為替の含み損益を示す項目である為替換算調整勘定。近年の円高基調により海外展開をしている企業にとって、この為替換算調整勘定の含み損は重要性を増している。本書では様々なパターンの計算設例でもってこの為替...
在外子会社等の財務諸表の換算により生じる調整項目であり、在外子会社等への投資に係る為替の含み損益を示す項目である為替換算調整勘定。近年の円高基調により海外展開をしている企業にとって、この為替換算調整勘定の含み損は重要性を増している。本書では様々なパターンの計算設例でもってこの為替換算調整勘定の解説を行なっている。監査実務でも問題となりそうな在外子会社の財政状態が悪化した場合の為替換算調整勘定の会計処理について、大変理解が進んだ。中でも業績不振の在外子会社への債権に対する貸倒引当金の換算について問題点が理解できた。すなわち、在外子会社に対して外貨建の債権を有している場合、親会社側で生じた為替換算差額は、連結財務諸表上消去されない、しかし固定的に貸倒引当金が計上されているケースでは将来的に当該債権の回収が見込めないことなどから、当該為替換算差額は為替換算調整勘定へと振り替えることも実務上あり得るのだ。
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